3000戦金玉ルーパーが雀聖になった話

雀魂段位戦で多くの人がぶつかる壁、それは玉の間で勝ち残せるか。

玉の間では雀豪1が約半数を占めており、雀豪1のプレイヤーのポイントを他のプレイヤーで分け合っている状態。搾取される側である雀豪1プレイヤーの多くはそれまで打ってきた金の間と玉の間のレベル差に跳ね返され、金の間に送り返される。そのような金の間と玉の間を行き来する多くの人達は「金玉(きんぎょく)ルーパー」と呼ばれる。


nanasiとの出会い

nanasi(以下、ななっしー)との出会いは昨年の1月頃。discordサーバー内で話し始めて1か月程度経った頃、「牌譜検討をお願いします」と言われるようになりました。


当時の彼は段位戦計3000戦、金の間1800戦と典型的な金玉ルーパー。打牌を見ても確かな金玉ルーパーの打牌だったように思います。

玉の間成績(牌譜検討前)



牌譜検討を始めて

当時、ななっしーの牌譜はツッコミどころしかなく、はっきり言ってどこから手を付けたらいいか分からないような状況でした。そこで指摘部分をいくつかに絞ることにしました。

  • ベタオリ比較

  • 牌効率

  • 押し引き(特に成績に大きく影響するもの)

牌効率の指摘はやりながらかなり難しいなと感じましたが、指摘を可能な限り一般化することを意識しました。

ゆうせーさんにお世話になっております

押し引きは対立直に押していい手の基準、高打点が確定している副露(染め、ドラポン等)への対応を中心とした指摘としました。


玉の間を勝ち越すために特別な読みやスーパープレーなど必要ありません。
できる範囲の比較・判断をすること。それには近道などなく、地味に感じるかもしれません。しかし、これが麻雀において何よりも重要な地力となるのです。



ななっしーの苦悩

2月に牌譜検討を始めてから、6月に雀豪3に昇段し、確実に牌譜検討の成果が出ていたななっしー。

しかし、ここから長いトンネルに入ることに。
なかなか自分のポイントが増えない中、一緒に牌譜検討をしているなぽさんは魂天になり、ななっしーの中で焦る気持ちがあったようです。


また、この時期から他の人に教わった影響をもろに受け副露率30%→40%と別人のような麻雀を打ち始めます。この時よく「麻雀がぐちゃぐちゃになっている」と言っていました。



副露の引き出しを増やすのは必要なことなのでやるべきだと思っていましたが、ななっしーに関しては副露に思考リソースを割くことで現物見落としなど致命的なエラーが増えたので合わなかった、ということなのでしょう。雀豪2~3で停滞する時間が続きました。




雀聖へ

そんな中苦しみながら、時間がかかりながらでしたが、ななっしーは段位戦を打ち続け、ついに雀聖に到達しました。

あのななっしーがついに雀聖に。素直にすごいなと思いますし、感慨深く、自分のこと以上に嬉しいような気がします。




麻雀の成長に関して

ななっしーは一度に多くのことを考えられるタイプではありません。それでも本人の頑張りがあり、雀聖に到達しました。

ななっしーを見てきて、麻雀の成長に重要なのは思考の柔軟性なのではないか、というように思ってきました。

堀さんも言ってます(画像粗め)

思いついたらまずやってみる。 一時的に下手になることを恐れず、 自分の世界を広げる姿勢が彼をここまで押し上げてきたように思います。




おわりに

改めてななっしー、雀聖おめでとう。



これから向かう坂は今までより長く、そして険しいものになるでしょう。



けれども君ならやってくれる。そんな気がするのです。


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