麻雀を教える、とは
先日、半年ほど麻雀を教えていたなぽさんが魂天になられました。
おめでとうございます。
私自身、麻雀を教えるという経験は初めてで、何がいいのか手探りではありましたが、彼女の頑張りがこうして結果として現れたことは非常にうれしく思います。
このnoteではどのようになぽさんが魂天になったのか、その一端を私の回顧ついでに残しておきます。
きっかけ
今年の1月、私は新しいdiscordサーバーへ入りました。そこで出会ったのがなぽさんでした。サーバーの活動は友人戦を中心としており、たまに段位戦配信をする人が現れ観戦をしていました。
そんなある日、サーバーのメンバーであるnanasiさん(彼についてもnoteを書く予定です)から牌譜検討を頼まれるようになりました。
その後、彼が一緒に勉強しよう、と誘ったのがなぽさんでした。
以来、三人のサーバーでほぼ毎日に及ぶ牌譜検討が始まったのでした…
出会った頃
当時、なぽさんの牌譜を見て私はこう思っていました。
この人磨けばすぐにも光り輝く原石じゃないの!!
麻雀歴は1年半という短さで、ほぼ独学であっという間に聖1に到達したとのこと。しかし聖1で400半荘以上停滞しており、伸び悩みを感じている様子。
珍しい門前高和了高放銃型で、当時から門前でまっすぐ打つ手組についてはほぼ言うことがなかったです。放銃を少し抑えるだけで伸びるので、すぐに強くなると思っていました。
麻雀を教えるとは
麻雀を教えるとは何をすることなのでしょうか。今はNAGAやmortalなどの麻雀AIがありますから、自分で勉強できる環境があります。麻雀を教えるといっても人間には果たして役割があるのだろうか…。そこで、主に次の二点を重視して教えることにしました。
選択の要素の言語化
役に立ったと感じたコンテンツの共有
麻雀AIと同じように打とうとしても、見よう見まねではできません。必ず選択の要素があり、要素をもとに打牌選択をします。私が言語化し、それを相手が落とし込むことができれば打牌選択が変わっていくはずです。
選択の是非も重要ですが、なぜその打牌なのか、の部分が納得してもらえるように意識しました。
また、私は普段から麻雀講義系の動画の視聴を行うため、ゆうせーさん、ヨーテルさんの動画を中心に、得られるものが大きいと感じたコンテンツの共有を行いました。
牌譜検討
押しすぎ時代
なぽさんの弱点は和了率がほぼないところから押しすぎてしまうことでした。
一向聴から既に押した上で、17筋目を押すかどうか聞いてきています。ふてぶてしすぎる…
こんな調子で、形テンもワンチャンスで粘ろうとしていました。あがりに対する貪欲さはなぽさんの強みなので、強みを維持したまま放銃率を落とせるように、というのは教える側として気を付けていました。
三色の見過ぎ
あまりに三色を見過ぎてもはや感心してしまうほどです。例えば、索子の456何も持っていないのに「456、あるね~」と言っていることすらあります。普段からよく「令和の三色おじさん」と言って揶揄したものです。
牌譜を見始めたころにまず矯正すべきはここだな~と思って動画を貼りました。しかし、今でも三色病は治っている気配がありません。どうしたものか…
成長
最近は牌譜を見ていても私と打牌が一致することが多く、言うことはほぼないのかな~と思います。教えるというより打牌議論みたいな感じにはなってますね。
これは他の人に聞いている影響もあると思いますが、聞き方も「自分はこう考えましたが、どうですか?」という聞き方になりました。麻雀を教わる側がこういった意識でいると検討がスムーズに進みます。
今となっては、和了率が低いところから押しすぎてしまうようなことはほとんどなくなりました。自分が牌譜を見始めて以降の成績がこちらです。
そこまで長期の成績ではないとはいえ、高い和了率を維持したまま(むしろ上昇)放銃率にここまでの改善がみられるのは素晴らしいです。
麻雀に向いた性格
なぽさんの性格は麻雀に向いていると思います。
負けず嫌い
分からないことをそのままにしない
なんでもやってみる
特にこのあたりでしょうか。
こちらが説明しても納得できないことはいつまでも思考を止めません。本人は頑固と自分を評していますが、麻雀が伸びる要因になっていると思います。(私はなぽさんが頑固なせいで大変だった)
なんでもやってみるところにはいつも驚かされます。突然目の飛び出るようなクソ鳴きを始めた時には「それはちょっとやりすぎでは…」とあまりの変化に心配になりました。
この表現がぴったりだ、と思います。
おわりに
私は今まで麻雀を教わってばかりだったので、教える側の苦悩を今回初めて知りました。麻雀を教えるのは難しい。麻雀を教わる人への尊敬と感謝がより深くなりました。
そしてなぽさん。この半年の間、君の麻雀の伸び方に驚かされ続けました。と同時に、私よりも遥かに強くなるのだろう、という確信に似たなにかがあります。
既にしている所だとは思いますが、色んな人に聞いて、強者の思考を吸収してもっと強くなってほしいと願うばかりです。
君はどこまでも強くなれる。