8割の嘘
私は最近心が溢れて止まらなくなると
ピー!と叫んでしまう
結構キモい
気づいているので指摘はご遠慮いただきたいが
私は結構な頻度で心が溢れるタイプの人間だ
頭の中でぐるぐるぐるぐる
今抱えているモヤを転がした後
頭がパンクし投げやりな気持ちと
少しの羞恥心からピー!と音が鳴る
私は恥ずかしい人生を生きている
理性というものを授かり
人間として生を受けたのに
私はずっと恥ずかしいままだ
小学生の頃から何も考えず寝ていられる
猫になりたいと思っていたけど
実家の4匹のニャンズが毎日飽きもせず
縄張り争いを繰り広げているのを見て
あの時みた夢は猫に失礼だったことを知った
学生という囲いから放り出されるその日を目前に
意図的では無いが敷かれたレールから
満を持して飛び降り
新たに道を開通させるぞと
人生の選択をしてきたと思っていたけれど
振り返ってみればどこへ行ったって
レールは敷いてあったように思う
たった今白んで見えるこの先の足元にも
きっとレールは敷いてあるんだろうな
私は人生で2人だけビビッときた人がいる
仲良くなる前すれ違った時に
ビビビ、と
この人と絶対に気が合うぞ、と
何気ない瞬間にふと飛び込んできた
そのビビビの瞬間は今でもはっきりと
思い出せるくらい脳裏に焼き付いている
私の心が裸になれる存在
ビビビときてからすっぽんぽんまで早かった
人生は成るべくして成っている
あの時あの人を手放したのも
あの人を選んだのも後ろ髪引かれるのも
目を瞑って言い聞かせるのも
そんな虚しい努力なんて
逆らう余地などないくらいに
その時はやってくる
暴れた心臓が家を飛び出し戻ってこない日も
予測不可能ノーマークで全身大火傷を負った日も
全て成るべくして成っているし
その時がこないと蓋は出来ない
その小さな箱に膨らむ気持ちを圧縮して
閉じ込める時に排出された滲むような
少しの涙もレールを生成していく
むやみに手足をバタバタさせるのではなく
そっと胸をなでおろし
ピーピーうるさい私をなだめてあげよう
何も考えず
好きな人たちとお酒でも飲んで
8割のウソを真面目な顔で吐いて
笑い合えていたらいいなこの先も