自由の道を歩き始めるまでの葛藤①~子どもたちとの深い溝~
前の記事「離婚という言葉が頭に浮かんだことは何度もあった」でもお話した通りなのですが、
「老後は絶対にお1人様になろう」
→「1番下の子(第4子)が成人したら」
→「成人するまでなんて待てない」
と気持ちが変化していきます。
「1番下の子(第4子)が成人したら」の直接のきっかけになった出来事は、第1子が中学生になった時のことでした。
なぜか武道にのめりこむ元夫
第1子、第2子は小学校1年生から武道を習い始めました。
第1子があまりにも泣き虫なので、もっと強くなって欲しいという私の願いからでした。
第2子は上の子の姿を見て、小学校に上がると自然な流れで始めることになりました。
この武道教室では、夜に稽古が行われていました。子どもから大人まで一緒に稽古をするからです。
小学校1年生の子が夜道を1人で歩くのは心配なので、私が送迎をしていました。ところがそれから間もなく、生後4か月だった第3子が指定難病を発症してしまいます。
いつ具合が急変し病院に駆け込まなければならないか分からない日々になり、私1人で送迎を続けることが難しくなりました。そこで行きは私が、帰りは元夫が迎えに行く、という当番制のような形になりました。
ただ送迎するだけで良かったのですが、そのうち元夫は2時間ある稽古を毎度毎度じっくり見に行くようになりました。そしていつの頃からか、自宅で子どもたち2人に対して指導者のように振る舞うようになりました。
元夫はその武道の経験者ではありませんが、稽古の様子を見て知識を得た?らしく、子どもたち2人に対して稽古の無い日も毎晩自宅で厳しく稽古をさせていました。
子どもたち2人は週1回の所属道場の稽古だけで良いと思っていたようですが、この会派は他の支部道場の稽古にも参加できるシステムになっていました。
元夫は2人を週数回、他の道場へも連れて行くようになりました。子どもたちはそれを望んでいるわけではありませんでした。
当時まだ小学校低学年。遊びたい年頃だったはずだし、週に何度も夜の稽古に行くのは体力的にも大変だったかもしれません。
武道を辞めることに逆上する元夫
ところが第1子は、中学校進学時に武道教室を辞めたいと言い出しました。
理由は部活と勉強を頑張りたいから。医師になりたい。部活は音楽をやりたい。だから平日の夜、稽古に行くのは無理だと言い始めたのです。
これが元夫を怒り狂わせます。
音楽なんて許さん。武道を辞めることは認めない。音楽を始めるのは母親の入れ知恵か?(←私が趣味で音楽活動をしていますが、音楽を子どもに勧めたと思ったようです)勉強ばかりできても仕方ないぞ。
なんとかその場は治まったのですが、後日、なぜか揉めごとが再燃してしまいます。
その時、私は入浴していました。その間に事件は起きていました。
入浴後にリビングに戻ると明らかに様子がおかしくて。
第2子は「止めてって言ったのに止めてくれなかった」と泣いています。
第1子は自室のベッドに伏せて泣いていました。見ると体中が痣だらけになっていました。
元夫が第1子に馬乗りになり、掴んで床に叩きつけたり、ボコボコに殴ったりしたらしいのです。
私がその場を離れていた間に、というのが卑怯すぎます。
すぐに私は証拠の写真を撮りました。
これが将来きっと役に立つだろう、直感的にそう感じたからです。
元夫はアルコールが入ると気持ちが大きくなり、言動が少しおかしくなるところがありました。酒癖が悪い人でした。
翌日、問い詰めましたが、酔っていて覚えていないと言って、第1子に謝ることはありませんでした。
第1子は、私が入部願いの保護者欄にサインして無事に入部、武道教室も私が連絡して退会することとなりました。
この件があって、第1子は元夫と距離を置くようになりました。
「勉強ばかりしていてもろくな大人にならない」それが元夫の座右の銘?とでも言いますか、主張内容でした。
元夫はいわゆる元不良。底辺高校卒で高校時代も盗みやバイクを乗り回すなど悪さばかりしていたようです。時々、過去の悪さを武勇伝のように語る元夫に嫌気がしていたのは言うまでもなく(私も聞きたくないが、子どもたちに聞かせるような話ではない)、そもそも結婚前に分かっていたらこんな人とは結婚していなかったと思います。元夫は私とは真逆のタイプの人間でした。
そんな元夫が勉強を頑張りたい子の気持ちを否定したところで何の説得力もありません。
そして、第2子も同じ道を選びます。
中学生になる前に武道教室を辞め、音楽を始めました。この時も第1子ほどの時ではないですが、かなり揉めました。
いよいよ自分が優位に?立てるもの(武道)が無くなるからだったのではないかと思いますが。
私は音楽を専門的に長くしてきましたから、第1子や第2子から音楽について助言を求められたり相談を受けたりすることも多く、それが元夫には面白くなかったのでしょう。
3人で話をしているとあからさまに機嫌が悪くなり、わざとらしくテレビの音量を必要以上に上げたりするので、元夫がいるところでは控えるようになりました。
こうしてリビングから子どもたちが姿を消し、自室に籠るようになっていったのです。
第1子や第2子が出演する演奏会に誘ったこともありましたが「音楽には興味が無い」と言って、1度も行くことはありませんでした。「分からなくても、聴くのではなく見に行ってあげて欲しい」と話したこともありました。
しかし、誘うとあからさまに嫌そうな態度を取るし、子どもたちもむしろ来て欲しくないと言うので、私もいつしか誘わないようになりました。お互い不快な思いをするだけですしね。