自由の道を歩き始めるまでの葛藤③~専業主婦は暇なの?~
私は結婚後、ずっと専業主婦でした。子どもたちがある程度大きくなったら、何か仕事を始めよう、そう思っていました。
専業主婦時代は、自分で言うのもなんですが、家事も育児も手を抜いたことはありません。全力でやっていたと思っています。でも専業主婦って、何か対価があるわけではなく、その立場は認められにくい。家族のために頑張っているのに、とても理不尽ですよね。
第3子が生後4か月で指定難病を発症してからは、いつ体調が急変するか分からないのでとにかく目が離せずピリピリした生活になっていました。
トイレに入る数分の間に目を離すのも躊躇われました。睡眠中に突然死することが多いと言われ、夜中に何度も呼吸を確認したりしていたので、まともに眠れないような生活になっていました。
育児=遊んでいる?
そんな私ですが、元夫には暇人と映っていたようです。
「昼間、子どもと遊んでいれば良いんだから楽だよな」と。
直接言われたことはないのですが、元姑にも同じようなことを言われていたようです。
父から元姑に関する衝撃の話を聞かされたことがあります。
ある日、突然、私の実家を元姑が訪れたことがあったそうです。
「いつまでも遊んでいないで働きに出るように言ってください」
「働いて(元姑に)仕送りするのが普通なのでは?」
と、それだけを言いに来たとのこと。
父は、子どもが小さいうちは、親が側にいてあげれば良い、そんなTHE昭和な考えを持った人でした。
大企業に勤め、父1人の稼ぎで家族が不自由なく暮らせていたため、母も長く専業主婦でした。母はCAから美容家へ転身したキャリアを持つ人でしたが、出産を機会に華やかな世界を卒業して専業主婦になった人でした。
私は子どもの頃、学校から帰ってくると家にはいつも母がいて、お菓子を作りながら待っていてくれる、そんな日常を過ごしてきました。
一方、元夫の方は、祖父母も両親も家族総動員で働く農家。農業収入だけでは生活は厳しかったのか、元舅と元姑は別の仕事も掛け持ちしていたみたいです。
家庭環境が違い過ぎたので、考え方も大きく違っていたのだと思います。
父は元姑に「働きに出るか出ないかは本人が決めること」であり「仕送りをするために働きに出ろと言うのはおかしい」と言ったらしいのです。
元姑は私の父が賛同してくれるとでも思っていたのでしょうか、そそくさと帰って行ったそうです。
自分の意思とは裏腹に
それから年月が経っても、私は遊んでいる暇人というレッテルを貼られたまま。元夫が子どもたちと会話する中で、私のことを「暇人」と呼んでいたこともあったようです。
私が近所のスーパーへ行ったりしていて姿が見えないと、「あの暇人はどこ行った?」と子どもたちに聞いたりしていたとか。
私だって働けるものなら社会復帰したい。
専業主婦だったママ友たちが次々と社会復帰を果たす中、私はこのままで良いのか?とずっと焦っていました。
いつまでも○○ちゃんのお母さんと呼ばれるのではなく、社会の一員としても認められたい思いがありました。
実際、元夫の収入だけでは生活は楽ではありませんでした。元姑に仕送りする以前の問題でした。
ただ当時は、第3子の病状が今よりもかなり悪く、1週間おきに入退院を繰り返していた時期もあり、通院やリハビリも週数回ペース。
保育園などに簡単に預けられる状況でもなく、今のようにリモートで働ける時代でも無かったため、第3子の病状がもう少し落ち着くまでは・・と諦めるしかありませんでした。
こうして時間がだけが経っていきました。