お姉ちゃん、0点以下。

『がんばれ!!ロボコン』というテレビ番組があった。

以下、ウィキペディアから引用。
“ロボット学校に通うG級ロボット・ロボコンは、常に失敗ばかりでガンツ先生に怒鳴られてばかり。しかし、それを乗り越えてA級ロボットに成長するための努力を惜しまない。そんなロボコンをはじめ、個性豊かなロボットたちが人間社会に派遣され、世のため人のために働きながら一人前のロボットに成長していく過程を描く。”

小学生のとき、とにかくこの番組が大好きで、テレビを欠かさず見るのはもちろん、駄菓子屋で買えるやっすいプラモデルを作ったり、やはり駄菓子屋で買えるカードを集めたり。

ちなみに、友達の部屋でカードの「見せっこ」をしていたとき、ある友達が持っていたカード(かなりレアで、そいつしか持ってなかった)が欲しくなり、盗みかけたことも。しかし怖くなって、気づかれないよう返した。

ロボコンの魅力は、一生懸命人間の役に立とうとするんだけど、間違ってゴミ捨て場の廃材から作られてることもあり、とにかく出来が悪くて毎度ガンツ先生に怒られること。
そして、ロボコンの仲間たちも魅力的だった。
勉強ロボットの「ロボガリ」(ガリ勉だから)、バラバラロボットの「ロボパー」(今じゃ許されないだろうネーミング)、不良ロボットの「ロボワル」、泥棒ロボットの「ロボドロ」とか。

そんなロボコン大好きな俺たちを大ニュースが襲った。
何と、次回のテレビ放送で、ロボコンの仲間が増えるとのこと。特に大好きなロボワルの弟、「ロボガキ」も加わるらしい。
ちなみに、友達から盗みかけたのはロボガキのカードだった。

テレビは水曜日の夕方、6時~6時30分にやっていた。
その日、学校から帰ってきて家にいると、4つ上の姉がバドミントンをしようという。「6時からロボコン見るから、時間になったら教えてね」と頼み、隣の空き地でバドミントンを始めた。

夢中になって興じていたが、ロボコンが気になる。
腕時計をしていた姉に、何度か「お姉ちゃん、今何時?」と聞いたが、そのたびに時計を見て「まだ大丈夫」と言う。

そのうち、かなりあたりが暗くなってきた。それでも姉は、バドミントンをやめない。
いくら何でもおかしくないか? 姉に腕時計を見せるよう要求したところ、なぜか拒否。
嫌な予感がして慌てて家に駆けこむと、もう7時前になっていた。あれほど楽しみにしていた、自分にとっては歴史的な瞬間を見逃してしまった。泣きながら抗議したが、もう遅い。

その意地悪、酷すぎないか?
ロボコンはいつも番組の最後、ガンツ先生から一週間の行動について採点される。ロボコンはたいがい「ローボコン、0点」とお約束のように言われていて、そのモノマネをするのも流行っていた。
お姉ちゃん、0点以下!

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