【特別仕様車】トヨタ RAV4 アドベンチャー"オフロードパッケージ"は買いか!?
トヨタはSUVの「RAV4」に、特別仕様車「アドベンチャー オフロードパッケージ」を設定して10月2日に発売しました。
ここでは、この特別仕様車を私なりに解決していきたいと思います。
あと ささやかながら追記を行いました。(特に後半)
RAV4の概要
RAV4は元々、本格的なモデルの多かった四駆市場に、市街地での扱いやすさを考慮したライトな四駆として1994年に登場し、ライトSUVの地位を確立した。そこから、2、3、4代目と続くわけだが、北米市場の要求よる大型化と日本ではSUVブーム自体の一時的な衰退もあり、2016年に一旦国内の生産を終了。しかしSUVブームの再燃と相まって、北米で現行にモデルチェンジしたタイミングをはからって2019年に復活を果たす。
結局のところ、日本に限った話をすると、一旦生産終了をするまでの初代から3代目は、市街地での使用を第一に、その次に悪路での走破性を考慮したライトなSUVというポジションであった。一方、復活を果たした5代目は一転し、ライトなSUVからオフロードでの本格的な使用を視野に、全体的に走破性が格段に向上した。グレードは、今までの印象を引き継ぎ洗練された印象を持つ「G,X系」と、無骨な印象を強めた「アドベンチャー」に分けられている。
特別装備内容について
画像:トヨタ自動車株式会社 https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/33760024.html
オフロードパッケージは、北米で先行して導入していた「TRDオフロード」を日本向けにリファインしたモデルだと言って良い。よりオフロードでの使用を意識して、それに伴い、さらに無骨さが高まっている印象で、スバルフォレスターの「Xブレイク」に似ているようにも感じます。
<外観>
・最低地上高の10mmアップ(200mm→210mm)
・ルーフレール(ラダータイプ)
・18インチオールテレインタイヤ
・18インチアルミホイール(マットブラック塗装)
・グレーメタリック塗装のスキッドプレート
・専用リヤエンブレム
デザインやカラーリングに目が行きがちな外観ですが、最大のポイントはやはり、最低地上高の10mmアップにあると思います。元々、アドベンチャー自体が200mmと、走破性の高さを示す指標となる200mmを達成していることから、余裕の地上高を元々、確保しているわけですが、専用サスペンションにより10mmアップと、さらなる余裕が生まれています。
(ちなみにスバルフォレスターは全車220mmなので、これはさすがに見劣りしてしまいますね…)
そして、ルーフレールが洗練されていたローマウントタイプ(車体に密着しているタイプ)から、立体的で機能的なラダータイプに。これも専用品で硬派な見栄えとなり◎。そして、ディーラーオプションでクロスバーが設定されていますが、これを装着するのは非常に少数だと勝手に予想。(余談ですが、ランドクルーザープラドのブラックエディションは逆にローマウントタイプが特別装備されていました。)
さらに、アンダー部分がダーク系の塗装となり、存在感控えめの落ち着いた印象に。ここは好みの問題でしょうが、私は好感が持てます。タイヤは贅沢なことに、クロカンに多く用いられるオールシーズンタイプのオールテレインタイヤが装備されます。ノーマルタイヤとは大きく異なっているトレッド(タイヤの溝)のデザインに注目。アルミはマットブラック塗装の18インチで、少なくとも国内の市販車が標準でマット塗装のホイールを使う例は少ないです。
ここで注意しておきたいのは、タイヤ類に専用品が与えられていますが、ベースは19インチで、切削ブラック塗装のアルミとノーマルタイヤが装備されます。
<ボディカラー>
・スーパーホワイトⅡ〈040〉【特別設定色】
・グレーメタリック〈1G3〉
・アティチュードブラックマイカ〈218〉
ボディカラーは定番の白、黒、そしてアドベンチャーには元々、銀の設定がありませんので、グレーの3色に絞られています。
ベースにあったセンシャルレッドやアーバンカーキ、2トーンカラーなどの設定は無く、厳選されたカラーリングとなっていますが、逆に特別仕様車のキャラクターに合っているのではないかと思います。
そしてトピックは、白色が特別設定されています。白は超定番色ですが、アドベンチャー系にはなぜか設定が無く、実質ようやく設定されたかたちになりましたので、逆に新鮮さがあります笑。また、面白いことにパール系の定番のホワイトパールクリスタルシャインではなく、ソリッドのスーパーホワイトⅡ〈040〉になっています。RAV4のクラスでソリッドの白のみという設定はかなり思い切った印象を抱きましたが、どうでしょうか?? おそらく、こちらもキャラクター性を考慮した結果であると推測しています。
<内装>
・専用合皮シート(レッドステッチ)※ブラックのみ
・助手席インパネ部専用レザー刻印
・レッドステッチ(インパネ・ドアトリム・シート)
・レッド塗装を施したカップホルダー
画像:トヨタ自動車株式会社 https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/33760024.html
内装の変更点は外観と比べると控えめですが、助手席のインパネ部分に仕様名を表した専用刻印が追加され、充実感は高め。またステッチ部分などのアクセントカラーがアクティブな印象のオレンジから、PHVモデルと同じレッドに変更されており、エネルギッシュな印象を受けます。
なお注意点として、シート色がブラック一色に限定されており、オーキッドブラウンを選ぶことができません。
価格について
オフロードパッケージは、ベースがガソリン車の4WDのみの設定のため、
価格は税込 "346万円" です。
ベースのアドベンチャーが税込 "331万" ですので、
15万円の価格差となります。
車高10mmアップの専用サスペンションをはじめ、ラダータイプのルーフレールやエンブレム、専用の足回りと内装のアクセントカラーに変更されていますので、可もなく不可もなく妥当だなあという印象です。
次は注意点をまとめています。内容次第で一気に"買い"か"買いではない"かに分かれてくる要素ですので、目を通して頂ければと思います。
注意点 ~主にマイナスポイント△~
私が本文をまとめていて、注意すべきだと感じた点は以下の通りです。
1.パノラマムーンルーフが選択不可
パノラマムーンルーフとは、屋根の部分がガラス(窓)になっている仕様です。RAV4では屋根一面レベルでガラスとなり、解放感が抜群になります。
このため、ムーンルーフは一部では支持されている装備となります。
ベースのアドベンチャーでは、税込14.3万のメーカーオプションに設定されていますが、オフロードパッケージでは設定がありません。
もし、ムーンルーフの装着を検討しているなら、諦めざるを得ないことになります。
2.ホイールのサイズと質感がダウンするが、、、
タイヤ類には、18インチでマットブラック塗装の専用ホイールとオールテレインタイヤが与えられていますが、ベースは19インチの切削ブラック塗装のアルミ。つまり、専用品と言いつつもサイズと質感を下げたという見方もできると思います。
元々、19インチの大径ホイールのデザイン性が高いだけに、意匠を気に入っている方や、ホイールの面を魅せたい(扁平率のこと)方にとっては、要検討のポイント。逆にオフロードテイストや道具感を強調したい派の方には最高ではないでしょうか。要は、洗練を優先させるか、機能性を優先させるかという事になると思います。
(追記)
しかし、カタログを確認すると、ベースとなる19インチ大径ホイールは「タイヤチェーンを装着できません」という表記があるんですね。つまり、タイヤが大きく、ホイールハウスの隙間が少なく、チェーンを付けられないということになります。
今どき、そしてクロスオーバーSUVでチェーンを付けて、そこまで本格的な使い方をする人は少数派だとは思いますが、やはりこういう手の車では、このような機能性の高さも、重視される人が一定数いるであろうことから、そういった点ではこの18インチタイヤは魅力的なのかもしれません。
3.内装色のオーキッドブラウン(=写真)が選択不可
画像:トヨタ自動車株式会社 https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/27546080.html
内装色の大半がブラックだと思いますが、オーキッドブラウンも特徴的なカラーリングであるだけに魅力的。しかし、オフロードパッケージではムーンルーフと同様に設定されていませんので、オーキッドブラウン派には悔しい要素。
見どころ・まとめ
~結構、異例が重なっていた気が~
私の元に情報が全く入ってきていなかったため、このタイミングで特別仕様車を投入するのかという少しの驚きがありました。というのも、8月に装備の充実を伴う改良をしていますので、そのタイミングで特別仕様車を投入するのがセオリーです。オフロードパッケージということで、装飾パーツの変更等を予想していましたが、まさかの車高アップも(笑)。ラダータイプのルーフレールも、非常に印象が異なって見え、高評価。
~異例のホワイト解禁~
ついにアドベンチャーでもホワイトが解禁されましたが、パールではなくソリッドのホワイト。上記ではキャラクターを考慮した結果…と記載していますが、実際は北米仕様の「TRDオフロード」の影響を受けている部分があるように思います。国内でどれだけお目にかかれるか楽しみですし、結果によっては、再びソリッドの白がトレンドになる可能性も少なからずあるのではないでしょうか…。
(追記)買いか、買いではないか
私としては、この特別仕様車はお買い得かそうではないか。というより、見た目や機能性が魅力に感じるかそうではないかで選ばれるモデルだと思うんですね。(分かりにくい言い回しではあるが、ヴォクシーの「煌」的なポジション、)
従って、価格の違いというよりかは、
タフでワイルドな印象と、アーバンでファッショナブルな印象を持ち併せた通常の 「Adventure」
アーバンでファッショナブルな印象は減らしたものの、本格クロカンを感じさせ、機能的で本格派の 特別仕様車「Adventureオフロードパッケージ」
という観点が大事だと思います。よって、どこを重視するのかで、ジャッジすべきだと思います。ただ、本格クロカンが好きな私にとっては、ブリッジタイプのルーフレールであったり、派手さを抑え、機能性を高めた外装の塗装であったりパーツや SUVらしくチェーンを装着できる18インチのタイヤは、現行RAV4で再定義された「より本格的な走破性能」を実現したRAV4の世界観をより、表現できているモデルとして、好みです。
という感想で締めくくりたいと思います。
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