現在の穴部瑠璃
頭と中盤
盛り上がり部(家中決起、船への強襲)
結末部
この辺が頭からケツまでの荒プロット。ここからエピソードの取捨選択などを経て「原稿」にする。
適当に浦島太郎刑を作り出してしまったが、あれを流刑や刑罰のメタファーとして見るのもいいかと。異界への流刑で、だからこそ帰ってきて玉手箱を開くと老化する&はるか未来に漂着するのではないか。
最初は刑罰とは言え人殺しを瑠璃が許すだろうか?という所から権蔵に知恵を授けた訳だが、悪党をすぐに「竜宮城からの脱走者」として海にドボンする内に、民間にまで竜宮城伝説が流布したとか楽しそう。「ああ、そりゃいかんな。竜宮だ」(当地の方言で「死刑だな」の意)
ニンジャ登場シーンは、最初内偵で潜んでたのが飛び出したって風だったのだが、かなりお強いニンジャになってしまったので山伏として山に薬草取りに行ってもらった。すると討ち入りの話を聞き急遽駆けつける形になったので、ニンジャ修験者、山伏らしく真言呪唱えながら海を爆走することに。走るなら韋駄天だなぁと韋駄天の真言検索したらちょうどいい設定が転がってた。神仏の計らい、結縁じゃ。
ニンジャは個人的趣向によりバーチャファイターの影丸風味なんだが、漫画版の影丸話では葉隠流忍術の奥義で身体を頑丈にする奴出てたんだよね。多分それに引き摺られて真言呪による身体強化イメージが出来た。
武技言語って、真言呪だよな。ぶっちゃけた話。
目測で腰部(重心)が3m近くまで上がるのも「無理やろ」だけど、相手を超速で2m前後まで蹴り上げて尚この高度。もはや怪異の類である。(こんなん顎にヒットしたら首もげないか?)
物理演算に騙されてリアリティが失われている。そこに理屈が無いのが元来のニンジャ像であり、不可思議の力を巻物や真言に求めたのが講談の児雷也や猿飛佐助(とシュラト)
この後に白土三平が科学的?屁理屈をこねて、今はニンジャソウルとカラテが隆盛である。
個人的には忍者と各種山岳宗教との絡みが感じられる真言呪忍者が好み。ちょっと孔雀王入ってるかも。
韋駄天真言呪で海を疾走するシーンのBGMはこれで。
するとベンテンも出したくなる。わざと誘拐された白拍子とかではどうか。
ついでに海坊主じみた褌姿のアドンとサムソンを出したくなるが、決起した侍が風景になってしまうのでやめておく。(別話で護法鬼神として出すか?)
最初はエピソードやシーンを不要なまでに用意する。その中でメインシーンを補強したり伏線として回収できるネタを取捨選択して洗練していく。例えば思い付きに過ぎなかった竜宮刑はシメの報告で使えそうだから残す。
「ああ、そんなことをしたら溺れてしまいます!」
「瑠璃よ安心せい。此奴はヒラメの化身じゃ」
「そうそう、腹は白くて頭は茶色。ヒレは黄色で正しくヒラメ」
「乙姫様にお返しせねばのぅ。評定所で吟味したい所じゃが、竜宮の民ではのぅ」
「ヒラメだから海に戻しても安泰じゃ」
「ヒラメは海の底で草鞋の様にしとるもんじゃ」
全員奇妙なまでに良い顔をしているのが印象的だ。誰もが自分が良いことをしていると信じきっていた。
「……そうなんだ……」瑠璃はあくまで純真純朴であった。
「では皆のもの、ヒラメ殿のご帰還じゃ」
「「「達者でなー」」」
(フゴフゴフゴー!)
ドボーン
ニンジャは無言で眺めながら、内心冷や汗をかいていた。こやつら笑顔でなんの邪気もなく殺しおったぞ……
「これが傾国……」
「これ、ベンテン。奴は罪人ぞ」
「しかしそのう……良いのでしょうか?」
とりあえず2人は合掌礼拝して枕経を唱えた。死ねば仏じゃ。迷わず逝け。