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造形遍歴 高校から社会人時代
前の話
欲しいから作る。単純な話だ。中学時代にこの単純明快な真理に到達した私だが、高校入学からしばらくは造形から距離を置くことになる……
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テーブルトークRPGという奴に出会ってしまったからだ。そらもー猿の様にハマった。ウッキッキーでゴザル。
で、ここでまた造形に戻るんだが……当時TRPG遊ぶ時はタクティカル重点でメタルフィギュア使ってたんだよ。
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たまたま埼玉南部にはダルマや模型店というマニア向けの店があり、ワシらは蕨や西川口からてくてく歩いてこの店に行き、自キャラやNPC用のちっこいフィギュアを買い漁ったのである。まだ円は高く、確か一体350〜400円ぐらいだった。
が、ラルパーサやグレナディアのメタルフィギュアは
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大変アメリカナイズされたファンタジックな出立ちをしており、ファイナルファンタジーやロードス島戦記じみた絵柄とは乖離していたのである。
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いや、今ではワシもロードス島戦記よりAD&Dじみた造形の方が好きだし、メタルフィギュア界隈の並外れた造形力に驚嘆する次第なんだが……当時は私も若かったので、のっぺり平たいアニメ顔が良かったの。
今ではオーロラモデルとか日本のアニメやマンガキャラのメタルフィギュア出すとこもあるけれど、ワシの高校時代(約35年ぐらい前)だとTRPG用メタルフィギュアなんてラルパーサ、グレナディア、ダルマやではまず見なかったミスリルぐらいしか入手は出来ず、いずれもリアルに振った造形でほうれい線とかバッチリなんよ。うわぁくそう! 俺はパーンとかバスタードみたいのんが欲しいんじゃ!
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欲しいなら、どうする?
ここでワシは気付いたのである。そう、私は「欲しければ作れば良い」という【この世の真実】を掴んでいたのではなかったか?
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ふはははは! エポキシパテさえあれば大体のものは作れるのだ!(実際、タミヤの1/35フィギュア切り刻むよりエポキシパテで棒人間作るとこから始めた方が楽なんや)
メタルフィギュアは一体350円ぐらいだが、同じくらいの値段のタミヤのエポキシパテ買えば10体ぐらいフィギュアは作れる! うわぁやっす! これで勝ったも同然だ!
こうして、35年ぐらい前だとぐるまぁ氏ぐらいしかやって無かった30mmぐらいのサイズのフィギュア作成を始めたワシは、絵心とか造形=ジツをフル活用してフィギュアを作りまくった。既に小学生時代にはシリコンゴムで型取ってプラキャストでパーツ複製していたワイは、20歳ごろには池袋のハンズで低融点合金を発見しており、自作フィギュアのメタル化もしていたりする。ばっかお前、俺川口市民だよ? そら鋳物の町だもん金属鋳造ぐらいするさ!(今調べたら、最近ではお湯で溶ける合金もあるんやな……)
実際グレナディアとかでもグレードは違うんだろうがシリコンゴムで型取ってる。そして小さなサイズのモデル鋳造には比重の大きいホワイトメタルなどの方が向いてるんだよ。融解温度がシリコンゴムの耐熱限界より低ければ金属注型は可能である。大体シリコンゴムは200度ぐらいが耐熱限界(短時間なら350度とかでもヘーキ)だから、200度未満で融解する合金なら注型出来るぞ!
まぁ、金属化すると楽しいのだが……型割りの関係で自由度が減る(ちゃんと2分割型に出来るように造形しなきゃいけない)から面倒でやめちまったが、20体ぐらいフィギュアこさえた。手本となるメタルフィギュアは手元にあるんだし、それと同じ様に作れば良かろうなのだ!
で、漫画キャラとかから始めたのが功を奏した。はっきり言ってリアル造形追求すると顔の造形とかマジで地獄なんですわ。卵形に目や鼻のテクスチャ貼り付けたみたいな漫画キャラは作るのが楽なんス。モノが小さいから細かいとこは見えないし「概形」が良い感じなら、まーそれなりに見れたものにはなる。ラルパーサやグレナディアの原型作ってる連中はあのサイズで、しかも(造形に利用してるグリーンスタッフのエポキシパテの特性により)アイツら盛り付けだけで形作ってますからね! 切削せずに作るとかキチガイか!
尚、近年では大サイズのフィギュア作って3Dスキャナで取り込み、型割りのための修正をコンピュータでやってから3Dプリンタで原型出力してるらしい。ワイみたいに原寸大で造形してないらしいぞ。
まぁ確かに幅3mmの顔に目鼻付けて唇作るのは容易では無い。そう、【容易では無いがヤレる】のだ。
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やれば出来るのだからヤレば良い。やらないから出来てないだけで、この世の事は大体諦めずに訓練したら出来る様になるのである。細かくて見えない? 拡大鏡を使え。流石にもう無理? USBマイクロスコープがありますがな!
USBマイクロスコープはパソコン基板修理してた時に使ってた。アホほどよく見える。
まぁ、見えてしまうと際限なくデティール追加し始めるからある程度で止めといた方が良い。手はちょー優れた工作機械で、上手く使うと米粒に写経が出来るらしい。
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あの刃先で彫れる僅かな隙間までなら「加工」出来るぜよ。
やらずに「出来っこ無い」と思ってたら出来ません。そして「出来る」という確信は日々の修練で身につくのです。
あの絵の描き方、絵を描くという概念すら知らなかった幼子も、半世紀生きて趣味に執念燃やしたらこんな事が出来るようになりました。チョロQ改造でエポキシパテに出会わなかったら、幼少時にガチの絵画教室行かなかったら、日展に絵を出すようなガチの絵描き担任と出会わなかったら……こうはならなかったかもしれない。あと特にTRPGにハマらなかったら造形どころか小説も書かなかっただろうなと。
私が書いた最初の物語はTRPGのリプレイだもの。
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