私説 ザクは零戦
初代ガンダムは昔っから「リアルな戦争アニメ」として視聴されているのだが、何がどう「リアル」なのだろうかと問われると割と多くの人が答えに窮するのでは無いか?
私はこの辺について、実際の戦争を下敷きにしているからリアルに見えるのかなと推察している。ズバリ一年戦争は「太平洋戦争」時代の大日本帝国のアレを色々モチーフとして使ってるよね、と。
実際、初代ガンダムにおけるジオンは日本軍である。多分だけど。なんかこー行き詰まって開戦したり、ルウムとかブリティッシュ作戦でザクを基軸にした新しい戦闘形式で連邦軍コテンパンにするとか……真珠湾攻撃から暫くは日本軍も零戦活用してめっちゃ押してましたからな!
でよ、ザクと零戦比べるとですな、色使い似てね?
零戦は黒と濃い緑と灰色でカラーリングされてて、赤い丸が付いている(日本軍所属を表すマークである)
で、開戦当初めっちゃ強かった零戦(零式艦上戦闘機)を、アメリカさんはZeke(ジーク)と呼んだ(現場ではZeroと呼んでたらしいが) このジークをもじったのが「ザク」の語源ではあるまいか。(という事を大っぴらに語ると色々問題があるので、公式にはザクの語源が雑魚とかザクッザクっという足音にされているのでは。退役軍人会とかありますし)
で、零戦だが。格闘戦能力(旋回性能とか)が非常に高く、長距離飛行が可能な傑作機である。それはどの様に実現されたかというと、徹底的に軽量化して防弾板とかついてなかったのね。そんなもん付けるより機動戦で弾を避けろと。正にシャアの「当たらなければどうということはない」を設計段階から目指してた訳ですわ。
後にアメリカを始めとする連合国側は硬くてパワフルな新型機体を導入して零戦対策する訳ですが、それでも尚1vs1で戦うなとか、零戦に有利な状況での戦闘を避けて数押しを主軸に戦います。
ア・バオア・クーですなぁ。
でね。この辺の話は割と団塊Jr.までは知ってるんですよ。大和や零戦は割と皆に知られてたし、そのオヤジ世代(団塊世代)から話聞いたりしてますからな。オヤジ世代はその上の世代(戦中派)から話を聞いてる。司馬遼太郎なんかは現在70代ぐらいの人らにかなり影響与えてますな。
富野監督は世代的には団塊世代のちょい上の戦中生まれである。戦後の混乱期に少年時代を過ごし、お父上は零戦の与圧服の開発に携わってた訳ですな。富野世代にとって一番身近でリアルな戦争経験は第二次世界大戦と朝鮮戦争であろう。この辺のイメージがかなりガンダムの作劇に影響を与えているのは間違いない。そして彼らが作り出した戦争のイメージを団塊Jr.ぐらいまでは宇宙戦艦ヤマトやガンダムで理解してきた訳だが、果たして今の若い人は理解できるのだろうか。
基礎となる知識が違うのよ。第二次世界大戦の極東地方情勢を知っていたら1stガンダムの見え方はかなり変わる。特に光栄の「提督の決断」とかやり込んでたらかなり変わる。キシリアとギレンの噛み合わなさとか「陸軍としては海軍の提案に反対である」だよね、あれ。