
大絶賛風邪気味中
あるいはこれが幸せなのかもしれないが。
暑い夏が終わり、あっという間に冬の足音。するとジンくんさんは基礎代謝量が大きい私のところに来る……主に、暖を求めて。
彼が我が家に来た幼き頃、彼の居場所は食卓の椅子の上、或いはカーペットの上で胡座をかいた私の股間というか、膝の上であった。心地よい程度に暖かく、しかもマッサージ付きの私の膝の上は下手すりゃ百万近いマッサージチェアよりも快適であったことだろう。体重が七倍以上に膨れ上がり、飼い主たちが「この頭ぐらいのサイズだったんだよなぁ」と思いを馳せる昨今、長時間載せてると股関節が痛い。
で、夜も。私の布団の右側にぺったりくっついて寝ている訳だが……例えば私が寝返りをうとうとする。右にはジンくんさんがくっついているから左に回転する他ない。するとジンくんさんは「湯たんぽが逃げたらいかんですよ」と、移動した私にまた寄り添う。再び寝返りを打つ時右にスペースが無いからまた左に回転し……
私は布団から落ちる
ジンくんさんは「お兄ちゃんの余熱最高や!」と布団に対して直行する形でスヤァと寝息をたて、私は寒さに震えて目を覚ます。そしてジンくんさんの位置を是正して「なにしてんの! いい気持ちで寝てたのに!」というジンくんさんの恨み節を受け流しながらまた布団に入るという具合だ。一晩で大体2回、下手すると3回布団からはじき出されている。
それ以外も、原っぱで駆け回る夢でも見てるのか脇腹に蹴りを食らって目覚めたり、寝ぼけて吠えることもある。幸せなのだろう、多分これが幸せなんだと思うのであるが、ちょっとジンくんさんとの付き合い方間違えたかな的な……
尚。犬の本能的には「群のボスの近くで寝るのはステータス」らしいのだが、夏はかーちゃん、冬はにーちゃんと寝床を変える彼にボスとかそういう概念はあるのか否か。
ない気がする。
半ば自分が人間だと思ってるような気がする。
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