
ジンくんさんの日
毎年1月2日はジンくんさんが我が家に来た記念日だ。皆もジンくんさんを愛でるが良い。
その日、我が老母は軽く引きこもっていた。前年夏の家の解体を待たずに愛犬チャッピーが逝去し、そのハートブレイクも癒えぬままに思い出の家屋解体。家を建て直す間の仮住まいは自宅から僅か2〜300mの場所にある建物3階。自宅2階に上がるだけでヒーヒー言ってた老母には3階への階段昇降は辛過ぎたらしく……いや本当に引きこもりになった。イッヌの散歩という責務が無くなった老母は、マジで地上に足を下ろさぬ天女になった。
あかん(あかん)
マジな話、こんなヒッキー生活してたらかーちゃん死ぬわ。目に見えて体調悪化してんだもん。そこでチャッピーの喪が開けないだのなんだの言う老母を引き摺り出してペットショップや保護犬譲渡会などに顔出した。正直誰でも良い、母に生き甲斐を。
ぶっちゃけ私が結婚して孫でもいたら良かったんスけどね! 無いものは無いのだ。代用できる何かを探すしかなかんべや。
で、最初はビバホームのミニチュアダックスが候補だったのだが、なんと彼は我々が決意する前に他家に行くことが決まってしまった。仕方ない、幸せになれよビバ1号。
で、五年前の1月2日にテレビもつまらんしドライブ行くかーで行った先が竹ノ塚のコジマ(ペットショップ)である。
彼は大型犬と一緒のゲージでそこにいた。細い体、アクセントの黒い色。
ジンくんさん(生後3ヶ月)である。
後はアレよ。生後3ヶ月の子犬抱いて蕩けぬ人間は居ませんっ! 老母もご満悦で心動かされ、決め手になったセリフが遂に口から出る。
「ウチ来て明日、箱根駅伝見る?」
「あ、今日お渡しできますよ!」
決定。
こうして2016年?1月2日に彼は来た。翌日1/3日に箱根駅伝復路を見ながら名前を考え、山の神がダウンヒルを華麗に決めてる姿を横目に決めたのが「神(じん)」という名である。
明日、箱根駅伝復路の坂下りを見たら思い出せ。その時床にあぐらをかいて、その膝の上に居たのがジンと名付けられたミニチュアダックスフントの子犬である。
老母の健康は劇的に回復した。
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