見出し画像

Johnny, be Good!(15)

まえのはなし

「あのバカ……」神官戦士ボーが呟く「行っちまったか……」
「あの感じならイケるんじゃない?」ギリアムは矢を回収しつつのほほんとしている。確かにプラズマランスの圧倒的火力を目にすれば無理からぬ所だが……
「……じきに帰ってくるじゃろ。道順分からんだろし」

実際ジョニー達は暗い穴の底で途方に暮れていた。ジャンヌの位置は大体判るが、プラズマランス連打で行くとジャンヌまで焼きかねない。そしてダンジョンの壁を破砕して直進した先は通った事の無い通路。

5分後。

「あのー、すいません皆さん……道案内を……」

「ほらな?」
「こうなるだろうと思っとった……」
「ダサっ!」ジョニーはギリアム目掛けて小石を飛ばしたが、あっさり避けられた。一応腐っても彼らはダンジョン探索のプロであり、それなりの冒険者なのだ。
「気持ちいいぐらい『ちから』に酔いしれとったな。若者にありがちじゃーのー」
「力づくでなんでも出来ると思うと火傷すっぞ」
力づくで封印破壊させた連中が事もあろうに力づくを否定した。なんて奴らだ!

「はーい、Ok! ここで切り替えよう。ジョニーさんも調子乗り過ぎた。Sorry! さぁ、気を取り直して行こう! 地道 is Best!」
「前から思ってだんだけどさ、ジョニーさん結構やらかしを僕のせいにして他人事ムーブするよね……」
「当事者意識無いよなぁ……」

暫くの後
「お、ここアレか。この通路に繋がってるな」
「じゃあここから枯れた泉の所の階段で下がれば行けそうだな」
「僕前衛行きます!」
「いや、魔法罠あるからギリアム頼む」
「任せろって!」
「ウゴ?」
「……オークは任せた!」
「オークは任されたっ! お外に向けてプラズマラーンス!」
なお、球の形が良ければプラズマシュートやプラズマカーブ、プラズマフォークにプラズマスプリッドフィンガーファストボールもある。いずれもデッドボールで実際に死ぬ魔球だ。
「俺が前にいる時はやめて……」ギリアムは本気でビビって腰を抜かしていた。

ようやく封印の間に戻ると……ジャンヌはネックハンギングツリーで失神寸前だった!

「ジャンヌちゃん離せ! この化け物!」
Pガイストの術で引き離そうにも首を掴まれてて引き離せない! 咄嗟にPガイストで我が身を飛ばし、頭部に飛び蹴りを喰らわせても悪魔は無傷だ! 体格が違いすぎる!

「坊主! これを!」ボーは自分のジャイアントストレングスガードルを投げてよこした!
「しゃあねぇな。貸しだぞジョニーさん!」ギリアムは謎のポーションを。
「魔法使いの本分はエンチャントじゃ! 巡れ巡れ炎の血潮! 《ヘイスト》!」

一つの肉体、二つの魂、三つの助力。

ポーションを飲んだジョニーの身体は大きく肥大して209cmの巨躯となり、パンツを残して弾け飛んだ。腰に巻かれたジャイアントストレングスガードルはPWFヘビー級王座のチャンピオンベルトの様に……

画像1

伝説の巨人が、雄々しく立ち上がった。

いいなと思ったら応援しよう!

純戦士のおじさん
方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!