欠けたピース
角川の雑誌で水星の魔女のノベライズをやるらしい。
前にも書いたが、水星の魔女は職場見学に来た若い子にガビーン(既に古語)して書き直したとか言われているワケだが、元スジはかなり「古典的ガンダム文法」だったらしい。一発カマした若者、優秀だな。
で、書き直したVer.2だかTake2バージョンのシナリオが今放映中の奴であり、Ver.1はお蔵入りしてんだよね。恐らくだが、こっちがお蔵入りするの勿体ないので再利用して小説書くんじゃないかなと。
しかし同じ世界線……世界の時間的流れを一にする(パラレルではないってこと)だと、大きく筋は変えられない事になり、現時点で私はスレッタさんみたいにぽけーっとタヌ顔晒しながら「どーするんやろか」と眺めている。
で、自作の宣伝も兼ねて考えてみるのだが。
ふざけたタイトルだけど、実は本作「水星の魔女裏読み作品」である。noteで書いてるパーメット周りの考察やガンドアームのリンク、データストームの予想、カルド博士が目指していたもの……水星の魔女ではフレイバーテキストになりかねない(コマけー話は若い衆にウケねぇからな!)ネタを拾って再構築している。割とハードエスエフやぞ!(なんかルブリス達が都はるみ歌ってるが)
で、次話辺りからガンド天狗になる為に「エアリアル」はガンド面のままガンダムエアリアルの建築作業員に混ざる話を書く。現時点で「エアリアル」はガンド身体を持っているが、機械丸出しなんよ。ターミネーターじみてて大層気味が悪いのであるが、彼はガバガバの水星の住民管理体制(太陽の強烈な磁気の影響でデータベースとかがよく死ぬ。紙の台帳がメインとかそんな感じ。だから母娘も入り込めた)を活用して「採掘場で死亡してる都合の良さそうな人物の戸籍を乗っ取り、事故で顔を喪失した為に死亡したと思われてたが実はガンドで生きてました」で死亡マークを修正液で消して「メリクリウスさん」になりすますワケだ。金が無くて顔も作れないんですよ。メルさんとお呼びくださいと。
メルクリウス(Mercurius)→マーキュリーである。しかも身体の大部分がガンドである(いや、フルガンドロイドなんですが)
ママン仮面(この時点でプロスペラを名乗っている)はビビるであろう。やってる事は母娘と全く同じで苗字も同系。このターミネーターじみた人物にフルネームを尋ねると……
「キャリバン・メルクリウスです(ニッコリ)」
キャリバンちゅーのはテンペストに出て来る怪物然とした「エアリアルを封じた魔女シコラコスの息子」である。明らかにプロスペラの計画を見透かしたかのようなネーミングに緊張が走るのだが、当人は「いやー、ほっぺた無いと発音が厳しいっすなぁ。キャリバンじゃなくてシャリバンですよ? 宇宙刑事の」
「特撮ですよ、とくさつー。僕の生まれたギリシャではA.S.100年代にメタルヒーローシリーズがー……」
と、有る事無い事吹き込んで、気付いてるような気付いていないようなムーブしながら「メルさんとしてマーキュリー家に紛れ込み、ママンの計画(エアリアルのコンピュータ内にしまってあるので、エアリアルは内容を逐次確認できる)を軌道修正させる」役にしようかなと。
お話の発想的には「水星の魔女にテンペストで割とポイントになるキャリバンが居ない」からの、じゃあ天狗に絡めるか。である。
で、ここまで次回展開考えてたらハッとした。キャリバンが今の水星の魔女にいないのは、展開変えたからでVer.1の時にはキャリバンが居たのではないか、と。(私の読みでは2部か2部入る直前にルブリス・ソーン/ウルが地球側戦力として現れて、カルド博士の子かつ「怪物的容姿」というキャリバンのポジション取る)
キャリバン(Caliban)
気合いの入ったファンタジーオタであればこの発音から類推されるある単語をご存知だろう。Caliburneだ。
エクスカリバーの異名なんだよなぁ。
アーサー王の死は「フリー素材と化したアーサー王伝説をまとめたもの」なので、割とあちこちにガバガバの設定がある。吟遊詩人が歌って広めた(口伝)だから、当時田舎だったイギリスちほーの方々が訛って発音すると綴りが変わったり、それにより意味まで変わる。思い違いでキャラが入れ替わったり、話を盛ったりみんな美形になったりする。(名前がa音で終わると女性名になるなんてのも、音に意味があるって事なんよ)
上記のエクスカリバーが2本あるなんてのも矛盾を矛盾のまままとめた結果だ。
英語は綴りではなく「音に意味がある」言語であり、似た音には似た意味がある。キャリバンとキャリバーンの相似も「イメージとしての同一性が多少ある」としたならば、鉄を木のように切り裂く鋼の刃じみた強靭性、後に「石から引き抜かれる」という将来予測があっても良い。何しろ本作脚本家の大河内氏は元ドラマガ編集、この辺の「美味そうなネタ」放置するとは思えないんだよなぁ。
案外、カドカワでのノベライズも、本編でハブられたキャリバン視点の話になるのかもしれないね。
考察とか好きな方は、まず一回テンペスト読んでみたらどうか。余程トンチキな自治体でも無ければシェイクスピアの全集は図書館に置いてあるだろう。少なくとも私が通った高校の図書室には全集あった。
全集なら基本貸出しないから図書館で読めるやで。(テンペスト単体は下手すると貸し出されてるかもしらん)
無けりゃリクエストするか、他の図書館から回してもらえ。シェイクスピア読みたいなんて市民が殺到したら、図書館の民は涙流して感謝するであろー。
エアリアルとかに関連する書籍をレファレンスカウンターで訪ねても良い。レファレンス担当はやはり感動して晩酌の酒を浴びるように飲むに違いない。
それすら出来ない、テンペスト読みてーという市民の声に「仕事増やすなボケ」的な姿勢を示されたりしたら、とりあえず地元の市町村議員か教育委員会にタレこんでシメて貰ってから「ネットでしこたま検索」するとよろしかろう。なんせシェイクスピアだ。生涯掛けて研究してたりする御仁はしこたまおる。
おじさんはYouTube系の考察見る度に「なんでこんなに馬鹿なんだ……」と途方に暮れていたりする。テンペストが下敷きだって話からテンペスト読みに行かない残念な奴が多過ぎる。お前ら全員頭ゆたぽんか。