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鬼一法眼と鞍馬の天狗

鞍馬天狗と書くと大仏次郎になっちゃうからなぁ。

とりあえず調べた結果、ちゃんと別人物設定した方が良さそう。鬼一法眼は六韜修めた兵法達者で陰陽法師。一条堀川に住んでいた。この法眼は僧官である。(ここまでデータがあって、何で鬼一法眼という名前しか残らなかったのか? これ本名ちゃうやろ……)
これに対して鞍馬の天狗は「僧正坊」の異名があり、この「僧正」も僧官だ。(ただ、僧正「坊」とあるから本物の僧正ではないかも)共に僧侶の管理管掌を行う僧階を授かってるが、どうも役割が違うらしい。

で、鬼一法眼だけど、普通に息子娘が居て、牛若丸は娘を誑かして六韜盗んだ伝説がある。ここで私はピコピンした。娘や息子がきちんと居るなら、この人普通にヒトやんけ。つまり鬼は渾名なのでは……

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つまり鬼平メソッドなんでは……

住んでた場所から「一条法眼」様だったのだが、お坊様関係の管理が厳しく鬼だったので「鬼の一条」法眼となり、ここから転じて鬼一法眼。多分暴れて乱暴狼藉する武闘派僧侶を京八流でフルボッコにしていたのであろう。こんな流れではないのかと。最初阿蘇の鬼八居るから「全国に鬼1〜8の八大鬼でもおったんか」と考えてたが、僧官なんて一般人知らんだろうしな。

鞍馬の天狗「僧正坊」も、恐らくは原型となった何者かがいる。妄想逞しく考えると鞍馬寺の坊主統括する高僧だろう。僧正もかなり高い位だから、あだ名の類かもしれない。で、口煩い高僧で、多分滅茶苦茶威張ってた。威張り腐ってたので「鼻高々の天狗様」と揶揄されて、うるさ方だったので「僧正」の渾名を授かった、と。そんな感じで一般坊主からは嫌われてたり遠ざけられてたのが能の鞍馬天狗で「辺りと交わらずに花見してた」話に繋がる。更に同じく(平家の子息が多数居た鞍馬寺で、1人だけ源氏)孤立してた遮那王(牛若丸)と境遇(ぼっち)から意気投合。

でだよ、義経周りに鬼と天狗だ。多分容易に混同されたであろう。共に人外という意味では同類項だ。

更にここに「一条長成」という人物が絡んでくる。鬼一法眼三略巻という浄瑠璃に出てくる人物だ。Wikipediaから抜くと……

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ちょっと面倒臭いが、彼の子は義経の異父弟に当たる。まぁ助力や助命する理由にはなるだろう。で、この一条さんは藤原家の傍流なんだが……鬼一氏も実は同じ家系だったりせんか……先の「鬼の一条転じて鬼一」とも付合するし、ここの家系のご先祖様に当たる藤原師尹氏はかなり面倒臭い生き物だった様である。

上記中の

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生真面目で頑固……天皇家に対してでも意見する辺り「鬼」扱いされかねない様な。

そもそも義経伝説は若年時の史料がメチャクチャ少ない。その少ないエピソードを補完する意味で当時の反体制派、ならず者に近い系統の人々、ちょいとでも絡みがある人……様々なエピソードで埋めたのが実情なのではあるまいか。

五条大橋の弁慶との下りも、牛若丸を囮にして弁慶坊を橋の真ん中まで誘き出し(計略に自信ニキ)、鬼の一条法眼様が包囲陣を敷き「神妙に致せぃっ!」と京八流でフルボッコ。ドン引きするぐらい殴って死にかけた所を牛若丸が助命嘆願して助かった(身内に甘い血筋)ので、武蔵坊弁慶は牛若丸の従卒になりました……なのでは?

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純戦士のおじさん
方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!