作劇の基本のキ
16話短観で「16話のこと話題にしてない」に気付いた人は、慧眼です。
はっきり言おう、16話。
詐欺ですな
具体的に言うぞ。あるものごとが「楽しい」と評される時、その楽しみは様々なパラメータから構成されている。ドラマや物語ってのは「話が転がり進展していく」のが楽しいのであって、なぞなぞの答えを聴いて得心する喜びは「物語の楽しみ」とはちょっと違う。難しい数学の式を解く達成感や証明問題解くのは楽しいが、それはドラマや物語鑑賞と違う楽しみだよね?
水星の魔女16話、はっきり申せば「皆が見たい絵を見せる」「謎が解明される」をモリモリ盛り込んで「楽しい」を振り撒いているが、別に話は面白くないのである。
グエルが帰ってきてラウダが倒れる、ヨシ!
ミオリネとプロスペラの対立! ヨシ!
まあ他にも色々あるが、隠されてた部分が明かされる(しかも言葉だけで)とかそんなんばっかりで「話が殆ど進展してない」
逆に言えば、話が進展しないからイチゴだクリームだチョコスプレーだを振り撒いてデコレーションしたケーキの「スポンジ部分が砂の味」なんだよね。
今回の話でスレッタとミオリネの関係は進展しましたか? クワイエットゼロはどんな話か分かりましたか?
してないのよ。まぁ大河内脚本だからしゃーないのだが「ほんと話が転がらない」
語りでカタが付くから「のとまみこの声優芸」が悪目立ちしてしまうのだが、そこだけ怪演過ぎて「絵とか動画要らなくね?」となりました。ラジオドラマでえーんちゃう? アニメーターさんが可哀想じゃね?
最大限エスパーして「プロスペラのクワイエットゼロ」を想像すると
攻殻機動隊では所謂電気的情報伝達網だけではなく、凡ゆる情報網を「ネット」と言う概念で包括しており、だから故に「ネットは広大だわ」となるのだが、現時点でプロスペラが言う「ネット」──(プロスペラが言う)エリクトのいる「データストームの向こう側」は外部接続しておらず限定的である。(WANに接続してないローカルエリアネットワークに過ぎない)
ここでWANに接続してデフォルトゲートウェイを設定し、DNS(ドメインネームサーバ)でアドレス管理して「エアリアル(LAN)から出ることができるようにしよう」が現時点でのプロスペラプランに見える。
またこの処置はエアリアルをキーにしてクワイエットゼロで全パーメットネットワーク監視を行う副産物として生まれる効果で、こちらをデリングに囁いて自分の個人的計画完遂しよう……そういう話ではないか。
つまりこれ
ジョージ・オーウェルの「1984」みたいな全体主義・社会主義的監視社会を「娘可愛さの余りに作り上げようとしている」って話ちゃうの? それをちゃんと「皆に分かるように」作劇しないから未だに誰が敵で何考えてて何が悪いかさっぱりわからん事になってんですよ。
で、Big Brother is Watching Youとの対比で
としたんだろうが
分かるかこんなもん!
衒学趣味も大概にせぇ!
(今の時代に1984を視聴の前提、コモンセンスにするのは「若者向けガンダム」を目指す限り明らかなミスディレクションだと思うぜ?)
大体なんですが。
物語書く時に、「敵」がいるなら敵の目的や邪悪さを「ちゃんと描き出せないと」読者視聴者は混乱します。敵はある意味で「目標」なので、目的地が見えないと主人公が進んでるんだか退いてるんだか分からんのですよ。逆に言えば敵の目標が定まればそこから演繹して敵が取る手段も類推できます。主人公が進んだか引いたかも分かります。
ある意味では大河内こそがシャディクである。真相を隠そう隠そうと砕身する余りに「何がしてぇんだコイツ?」になり、よく分からんから放置されるってアレ。大体こいつが一貫して何かの計画の下にベネリットグループ解体したがってるように「全然見えない」
円盤売り上げだかは多分伸びないであろう。作品構造がクイズななぞなぞ的で、一回答えを見たら再読に耐えない奴やんけ(ワイがチャンドラー2回も3回も買って折りに触れて読み返すのは結論に至る過程の叙述……ドラマが面白いからだ)
尚、前回から水星の魔女は録画するのやめた。ストレージの無駄だし何度も見返して筋読むのが無駄に思えたからだ。
大河内は自分で蒔いた謎を自分で解説してるだけで、ドラマは余り作ってない。ていうか、
面白いドラマの作り方知らんから
ドラマではない別種の面白さトッピングを「面白いドラマ」と勘違いしているのではないか?
更にゆーとくと、文章下手くそなせいで会話劇になりすぎ。地の文がない系ですな。なろうのダメ作家かよ? (動きや絵は必死にコンテや原画マンが作ってる感)
情景描写指定があるなら、エラン4号戦でのコクピットハッチ溶解描画を円盤で修正とかない筈だ。また、12話の重力があるのかないのかスゲー適当な絵も出ない。
富野は元々コンテマンだから、場面場面での「絵や動き」に超こだわる。彼は脳内に浮かんだ絵を動画にしようとして尽力するのだが、私が見るに大河内脚本は作成時に動画が存在しないし、それを補完すべき監督がどうも動画構成上手くない。大河内の脳内にあるのはあくまで「小説の挿し絵」レベルと推察している。
ガンダムやるならその辺しっかり押さえようや?
コンテ確認してるのか?
作画指示出してるのか?
それが出来るぐらい脳内でイメージ固めてるのか?
後8話ぐらいか?
段々底が割れてきたっつーか、なんとなーくユア・ストーリーじみた大失策かましそうでちょいと怖い。ケツの方でBパート1発しくじるだけで、作品って台無しになるからな。
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