穴部瑠璃、完結
じゃじゃん。
何とか10万字ぐらいに増量できないかと四苦八苦してみたが、原作がこれだもんなぁ……
言うてしまえば、好きだった女の子が風邪引いて天に召されたってだけの話である。それをポーが修辞センス爆発させて切々と「泣ける詩」にしただけですわ。
それを舞台を江戸時代にして忍者だか修験者だかよく分からない超人混ぜて約4万字にしたんだからワイも伝奇衆としてまずまずの仕事をしたと言えるだろう。
で。
基本的にハーメルンでは二次創作しか書かないようにしているのだが、二次創作だと普通は原著作者の著作権があるからゼニの花は咲かない。だが、原著作者の著作権保護期間が満了済みならマネタイズ出来るのである! 皆も三国志や西遊記で二次創作してみてはどーか。
とまぁ邪な計画で書き始めたのだが、そもそもハーメルンでアナベル・リーを検索する奴など居らぬし、ポーの英詩の二次創作やる奴など居ない(頓死) アナベルで検索する奴が居たとしてもアナベル・ガトーであろう事はワイにだって判る。
くっそ、悔しいのう。次はEULALIEでも捻ったろか。
無論、修験者ではなく鴉天狗のマタザがお夕に惚れて勘違いするのだ。嫁に来たと。なんなら根子岳はマタザのナワバリだし。(ていうか、修験者とガチバトルさせるなら魑魅魍魎とか妖怪の類いじゃないと話になんねぇ。誰だよ本当に修験者に験力ある設定した奴! ワシか)
で、小ネタ。
劇中修験者が「天狗は合気を使う」と言ってる部分があるが、実際合気柔術の中には天狗に教わったなんて伝承があるものもある。元ネタは牛若丸(源義経)であろう。そして牛若丸の師匠が鞍馬天狗、つまり鞍馬山の僧正坊だ。
一応設定的にはこの「修験者が使う格闘術」がバーチャファイターの影丸が使う葉隠流に繋がるという事にしてある。
実は易筋経とかもバーチャファイター影(影丸が主人公のコミカライズ)で影丸の一族が身体強化秘伝「金剛羅漢の法」とか守護してた設定流用してる。
中国の禅宗の開祖的存在が達磨大師なのは(実際には違うと思うが)ガチの伝承である。禅というと皆座禅を想像するが、立禅とか違う形の禅も多数あり、嵩山少林寺では武術を磨きながら禅をしたりする訳よ。あと、達磨大師は南インド人。ナマステー。
武術系の知識は中々中世ファンタジーやガンダム関係で活用できず、久々に溜め込んだネタを公開できて個人的には楽しかった。仏教ネタもあれこれ摘めて嬉しいなと。
前にも書いたが、今の創作界隈では仏教に無頓着ってか、仏教知らない人が仏教題材にして好き勝手し過ぎだと思うの。オークやゴブリンだとしても不殺生戒破んなや(怒) 仏ビームとかやりすぎであろう。
実は月光仮面がモチーフ「月光菩薩」で不殺なんだよね。伝統的に日本のヒーローが正義そのものではなく「正義の味方」であるのは月光仮面の影響が強いし、鉄人28号もマジンガーZも強い力であるだけで「神にも悪魔にもなれる」など、むしろ昔のヒーローものの持つ哲学性は再評価されて良いのではあるまいか。
最後の方でちょろっと修験者が明治初期にも生きてる風の話を入れたが、一応筆者の構想の中では「修験者」は室町サウナ物語の主人公覚玄とえんの息子である。半分「通臂猿猴」という魔猿であり、親父「覚玄」は水簾洞時代の孫悟空の舎弟だ。(悟空が無理矢理仲間連中も仏教やらせた)
彼の出生地は後の新義真言宗の荘園の村であり、それが天台宗系の修験が盛んな阿蘇山で1人深山で修行を積む理由になっている。(ちゃんとその辺までは考えてますよアピール)
大体ですね、天台宗は今東光とか瀬戸内寂聴抱えてたんだからもう野良作家の天台宗派閥は要らんやろ。バランス取るためにも真言宗系作家の登場が待たれるところである。