辛い麺好きにより実害を蒙ったハナシ+α
記録に拠れば3ヶ月前、草加駅東口のちょっと離れた寺田軒という刀削麺のお店に老母連れて行ったのさ。たまたま刀削麺が食いたくてな。GoogleMap(の、ローカルガイド)ではそんな評価悪く無かったしね。
私は牛肉麺にシャンツァイ足して、老母は海鮮の刀削麺を。
で、海鮮麺が辛い訳だが。
なんかレビュー見て辛くないみたいな話があったので舐めてたんだが、この様な一般人が見るレビューでは「自身の舌の度合いを勘案した上で」レビューして欲しい。普通に辛いだろここの麺! 世間一般では「デスソースよりは辛くない」とかも「辛い」って表現するんですよ。
肝心の刀削麺は薄い部分と厚い部分の差が少ないが、台湾や上海の普通の店でいうありふれた刀削麺と似た食感だった。本場っぽいネ。
先ずですね、辛いもん食ってイキリ倒す人は一般人向け食レポ書くなと言いたい。辛さというのは修練により耐性が上がるので、お食べ始めで激辛タイ料理食わされるタイの民草は絶え間なき修練で並外れた辛さ耐性がある。中国本土の四川省出身者も同様だ。だからこちらも「タイ人が言うのだから」とか「四川の辛いは日本人には即死級」と感覚オフセット出来るんだけど、イキリマンの食レポは日本人に見せかけている為危険である。奴らは自分の味覚が常人離れしていることを事前告知せずに「そんなに辛く無い」と書く。真に受けたワイが一口食って悶絶し、ローカルガイドメニューから「役に立たないレポ」とか指摘して(当たり前だ! いい加減にしろ!)、華麗にブロックするまでそう時間は要さない。
大体飯屋のレポに辛いの辛くないのだけ書く馬鹿があるか。以下は珍しく辛いもん食った時のワイのレポートだが……(門前仲町 双麺)
14時ごろに訪問。塩大盛りをオーダーしたがタイムサービスだかで特盛2玉にしてもらった。地味に嬉しい。
席に着いてからローカルガイドの口コミを読んだんだが、海老入り辣油が良いらしい。先ずは素の味で頂く。
確かに麺の食感は良いが、もう少し茹でた方がスープと絡むかも。最も現時点でかなり私好みなのだが。で、半分ぐらい食べてから海苔かじって水を飲み、海老入り辣油を……
大体匙に山盛り一杯投下して麺を持ち上げると鮮烈な香りが鼻腔を突いた。久々に食い物前にして「おぉ……」と呟いてしまった。店員さんに見られて食通ぶってると思われたらもうこのお店恥ずかしくて行けない(恥)
赤く染まった麺を口にすると先ず花椒と思われるストレートな麻が。次いで胡麻油の風味をまとった辣が立ち上がって来て、その中から海老の風味が顔を出す。あらま、確かにこれだけで勝負できそう(笑) これは確かに辣油がマストだわ。ラーメン食べると途中で飽きちゃう人には是非おすすめ。辛いのが大丈夫な人にもおすすめ。辛いのが苦手な人も……まぁ一回騙されたと思ってw
身体に悪いかもしれないがスープまで完食。なぁに一回ぐらい平気だ平気。全体的に出るとこ出てて、凹むところが凹むトランジスタグラマー的な味わいですかねぇ。ボリュームと味の調和のバランス加減がお見事かなと。いやぁ、門仲の会社勤め時にこの店あったらヤバかったわ。ヘビーローテーションしてたかも。
ライバルの多い界隈です。頑張って下さい。
辛いにも色々な辛さがあり、辛い食い物にも辛さ以外の味がある。辛さ耐久自慢がしたけりゃジョロキア丸齧りとかデスソースでも飲んどけ!
……で、上記で筆が止まり下書き保存されてた話なんだが、こんな話を見た。
システムとして実装はしてないが、私はGoogleのローカルガイドで明らかに異質なレビューしてる奴見るとレビュワーの他のレビュー読む様にしてる。
悪気はないのかも知らんが、明らかに舌の具合が残念な子は実在する。ジャンクフードにはジャンクフードの魅力もあるのだが、ジャンクフードにフォーカス合わせた結果、とんがった味付けしか高評価できない子がおる。
辛い、甘い、脂マシマシ、ニンニクマシマシ……他にも煮干しとかアクセントの味付けがしっかり主張してないとダメとかね。
例えばだが、味噌汁の出汁を煮干しで取るという調理法もあるにはある。しかしこの時煮干しの味付けが前面に出たらその味噌汁美味いだろうか? 鰹節でカツオカツオしてたらどうか?
カレーなんかでもインスタントコーヒーを隠し味に入れるなんてやり方あるけどさ、それでコーヒー味になったカレーは流石に不味くねぇか?
近年、食い物屋に対する素人評価を垂れ流すサイトは結構ある。ありゃ場合に寄っては店のオーナーだけではなく利用者にまで実害及ぼすんよ。レビュワーが皆鋭敏な知覚をしてる訳では無く、むしろボンクラな舌をしている可能性は極めて高い。で、レビュー書いて好評稼ぐ為に
「アホでも判る味付け」する店、増えてねぇか?
実際あった話だし、何回か書いてるけど……近所のラーメン屋が「ぼんやりした味付け」とか「薄い」ちゅーレビュー書かれてたんだが、単純に昔の東京ラーメン風の「突出部が少ない調和を目指した味付け」だったんだわ。更にいうと焦がしニンニクトッピングされてて、最初の方で焦がしニンニク絡めて食うときちんとインパクトもあるラーメンでしてね……その辺含めてレビュー書いたら「ワイのレビューの影響か」、その店のラーメンを調和の取れた味と評して星投げる人が増えた。
悪意は無かったが、私のレビューも他者に不要な影響与えてるのかもしらん。
味付け薄いっちゃ薄いよ。それは決して間違いではないのだが、味の構築の仕方から考えて「失敗して味が薄い」「材料ケチって味が薄い」ではないのが分からんのかな、みたいな。
前に神田の藪蕎麦のツユに関して「塩辛い」と書いたが、私は別にだから故に不味いとは書いてない。手繰った蕎麦の下1/3ぐらいつゆつけて食えばいいだけだもん。あちらは狙ってそうしてるんだろうし、それを理解して食えばいいだけの話ちゃうんか? (全部汁に漬けないほうがいいで、とは言っておく)
普段と違う食い方が必要だがそれは別に欠点ではない。好みとしてベストではないが、そりゃあ個人の主観で語るべき事でもないし。
偶に地方に行く。そこで長年経営してる中華屋に行く。そこで食ったものが何か自分の感性に合わなかった時に、何故かを考える。長年続いてる店にはきちんと長年続いた理由があるはずなんだよ。マズけりゃ食い物屋は少年のニキビの様に簡単に潰れる。地域住人の支持がなければ潰れてしまうんじゃ。つまり、何某かの美点があるからその店は続いている。それに気付けないなら……そりゃこっちが節穴だったという話だ。店や地域への尊敬を忘れたらいかんと思うやで。