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正月だしNeoZeroの話でもしよーかのぅ!(1)

発行年は1992年。ざっと30年前の小説だ。しかしコイツの話をするには第二次世界大戦後から話をしなきゃならんのだな!

元々の元凶

話は零式艦上戦闘機から始まる。
この零戦、当時の戦闘機としてはアホかと思える航続距離と格闘戦能力を持ち、太平洋戦争初期にアメリカを恐怖のどん底に叩き込んだアホアホ戦闘機である。
こんなもんを作り出した日本の航空産業ヤバい、しかも戦闘機なのに防弾板付けないとかクレイジー!

と、いうことで


戦後、日本は航空機開発しちゃダメーってGHQに言われて所沢の航空公園に展示されてるYS-11開発まで航空産業に参加できなかったんだよ。

そんな訳で基本日本の航空自衛隊はアメリカから飛行機買うしかなかったの。また、日本は当時不沈空母とか呼ばれて対共産圏の最前線基地扱いだったので、まぁまぁ最新のアメリカ兵器を買えたでござる。(台湾へは中共刺激するってんでF-16すら売らず、F-20タイガーシャーク良いよ? 安くてってモンキーモデル売りたがってたのにな!)

が。
戦闘機も攻撃機もいつまでも現役で飛ばせるわけでもなく、機体の老朽化とかで装備更新しなきゃならんのね。最近だと流石にF-15も古いなーってんでF-35に更新する話出てますわな。1990年台にも似た話があり、日本海防衛用の攻撃機を更新する話があった。FS-Xって奴だ。

この時、FS-Xを純国産で作ろうって話があったんだわ。


実際、三菱なんかはかなりやる気を出してた。が、バブってた時代ではあったし、バブルのせいで対米貿易黒字がアレでソレ。アメリカさんに「ウチのヒコーキ買えよ、安くしてやるから(安くない)」と迫られて……

魔改造F-16 ・対艦番長F-2サン

結局アメリカとF-2を共同開発。アメリカ側はブラックボックス有りなのに、日本側のフェイズドアレイレーダー技術や主翼構造一体成形技術はパクられた。
まぁ、現実問題として軍用レベルのジェットエンジン作れない(作れなかった、と早く言いたい)し、機体新造した時の運動制御関係は日本得意じゃないから純国産でやったらまだ実戦配備出来なかったかもしらん。

しかし、この辺の駆け引きで松本零士の戦場ロマンシリーズやヤッタラン副長こと新谷かおるの飛行機漫画読んで育ったみんなはしょげた。嗚呼っ! 糞っ!

カッケー戦闘機を国産してゼロ戦再びしてぇなぁ!!

(サヨクに聞かれたら吊るされかねない発言だから、これは僕じゃ無いですと注釈せざるを得ない)

そんなヒコーキ少年(及び、過去に少年だったおじさんども)の祈りが天に届き爆誕したのが鳴海章氏の「ネオ・ゼロ」よ。

これはF-2開発の影に隠れた真のFS-XであるFSX-90の物語であるっ!


と、言いたいのだが。やっぱ小説でもジェットエンジン開発無理でした。いやいや、リアルに寄せたらどーしても当時の日本でジェットエンジン無理やねん。確か劇中でもロールスロイスからAV-8系統用のエンジン買ったの載せてる。(ワイのガンド天狗でもエアリアルの改修でロールスロイスが絡んできたのはこの辺の影響である)

ロールスロイスのエンジンってのでピンと来る人は来るであろうが、ネオ・ゼロことFSX-90は垂直離着陸機である。

外見はハリヤーIIに近い

VSTOLにファイズドアレイレーダー、バイザーコクピット……あれ? なんかこれコンセプト的には……

F-35B

そう、実はFSX-90ってステルス性が無いF-35Bに近いのね。F-35を生み出した統合先進打撃技術(JAST)計画の発案が1993年。ネオ・ゼロはその前年にJASTの行く末を見抜いていたと言えなくも無い──まぁ、当時の最新テクノロジーに触れ、戦闘機のトレンド読んでたらある程度は予見は出来るし、ウェポンベイは予想外ではあるのだが。

とりあえず今日はこの辺で。

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