麺妖な。
こんな記事を見た。
うどんの汁やタネに中華麺。九州……? うっ、頭が……
話は些か南方に飛ぶ。リパブリック オブ チャイナの名を持つ中華民国、いわゆる台湾だ。この国には夜市なる屋台が立ち並ぶ一角があちこちにあり、その中で日本料理?の天麩羅が供されているのだが……その実態はさつま揚げである。
私は東の人間なので良く知らなかったのだが、関西以西ではさつま揚げを天麩羅と称することがあるらしい。恐らく西の食文化が台湾に伝わったのであろう。
また、私は台湾駐在時に良く台湾で流行りのラーメン店巡りをしたのだが、その際食ったのは引き伸ばして麺にする字義通りの拉麺では無く、大体烏龍麺(うーろんみぇん)であった。
烏龍茶で有名な台湾であるからして、当初私は小麦粉烏龍茶で捏ねたのかなみたいなトンチキを炸裂させていたのだが、ある記憶がシナプスで悪魔合体してある仮定を生み出した。
けつね(うろん)から来ているのではないか?
うどんを「うろん」と呼ぶ地域がある。確かハーロックでもヤッタランが「けつねうろん」と言ってた筈だ。これは松本零士自体が福岡出身であり、ヤッタランのモデルの新谷かおるが大阪出身であるからだと思われる。
さつま揚げを天麩羅と称する日本人が、恐らくは台湾併合中にウドンも「うろん」として彼の地に持ち込んだのではないか…?
そしてウロンは烏龍と音訳されてそのまま当地に残った。
台湾での烏龍麺は中華風のスープ(湯:タン)と共に供される。ウドンに煮卵やチャーシューなどが乗る感覚だ。つまりラーメンのスープにウドンがインしているのである。ここまで書けばお分かりだろうが、先の「中華うどん」は台湾の烏龍麺とネガポジの様な関係にあるのだ。
てゆーかね。ラーメンは本来拉麺で、拉の字は引くという意味なんよ。だから台湾では扉に押・拉と書いてあり、拉は引くの意味だとすぐ分かる。また、遥か昔キン肉マンの最初の頃にラーメンマンがブロッケンをラーメンにして食っちまうシーンがあるが、キチンと引っ張って麺にしているのである!
だから中国語的には蕎麦と同じく延ばして包丁で切るのは拉麺ではない。つうか麺もいわゆるヌードル的なものではなく「小麦粉捏ねたもの」の意味で、パンも麺包(みぇんぱお)と書かれている。あちらの語義的には小麦粉練って引き伸ばしまくったものが拉麺だ。日本におけるラーメンの異称として「中華そば」があるのも、ラーメンはラーメンであって拉麺ではなく、むしろ蕎麦に製法が近いんでね?からね連想ではないか。
拉麺、ラーメン、中華そば、うろん、中華うどん、そして烏龍麺。この21世紀に残されたピースにより過去の文化交流の様子を見る。うーん大東亜ky(以下略)
ワシ、台湾の2.28記念公園で現地な古老に流暢な日本語で話しかけられ、日本はアジアの中心としてEUの様な経済圏を作るべきだ、石原閣下に宜しく伝えてくれ……とガチに言われた事がある。爺ちゃんそれは大東亜共栄圏……と冷や汗ダクダク流しながら聴いたっけなぁ。
まぁ、食の共栄圏で暫くは、な。