ネトゲにおける釣り
これ。
ウルティマオンライン、Mzhシャードの鯉釣り大会で一位とったマンです。
ウルティマオンラインという現存するほぼ最古のMMORPGはリチャード・ギャリオットという宇宙大好きおじさんが作り上げた架空世界「ソーサリア」を舞台にした異世界ファンタジーRPGです。大昔のファンタジー好きが皆するように、ソーサリアも異世界としてやたら背景世界設定にこだわりを持って作成されてるんですが、誠にトンチキな事に「牧羊」とか「釣り」のスキルがあるんですね。noteの民におかれては超絶有名な牧羊家がひっそりトマトのフリして紛れ込んでいるのでご存知だと思いますが、別に牧羊スキルは大量に麒麟を集めて古代竜を抹殺するスキルではござらぬ。本当に羊とか動物を誘導する「それだけの」スキルなんですわ。それだけのスキルが異才により化学変化してとんでもない演歌歌手を生み出したわけだけども。
で、釣りや牧羊だが。
多分ギャリ夫も気付いてないが、キリスト教の影響でこーなってるのかなと。魚とか羊飼いって新約聖書でよく使われてる奴なんね。
人間は、思考の枠組みとして生まれ育った環境の影響を多大に受ける。例えば魔法のスクロールとか「読んだら魔法が発動する魔法の書物」とか「禁断の知識が収められた魔導書」というのはファンタジーあるある設定だが、本で殴る(ファイナルファンタジーシリーズ)とか、本持ってるだけである種の効能がある(信長の野望や三國志からか? 古くは自来也が巻物咥えて……という奴なんだろうが)なんてのは西洋発の物語ではあまり見かけない。十戒の石板やそれ納めた聖櫃(アーク)ぐらいでねーべか、そーゆーの。西洋では書物に書かれた知識に意味があり、東洋では書物そのものに意味とか価値を見出して「内容に関わらず」それ自身がマジックアイテム化しているのだ。マニ車回すと功徳があるなんてのも、お経(マニ車にはお経が彫ってある)の内容・意味が尊いのではなく、お経の音や文字列に聖性があるという解釈からだろう。耳無芳一とかもお経の内容ではなくお経の文字列が悪霊を遠避けるキーになってるしな。
この様に我々日本人が日本人であるが故に知る「日本の文化風習を基礎にした前提」を持つのと同じように、欧米人もキリスト教を初めとする彼らの文化風習に起因する前提を持っている。釣りや牧羊は彼らにとって「特別な意味を持つ」ものなのだ。
MMORPGにおける釣りは、ウルティマオンラインなどを祖とする西洋ゲーム界が持つ「西洋人が持つ前提(キリスト教文化圏における釣りの特異性)」を模倣して取り込み続けたものであろうかと思う。新約聖書読んだら「人を獲る漁師」だの、お魚無限増殖だの魚関係の話をいくつか見る事が出来るだろう。新興宗教として迫害されてた頃のキリスト教の符丁はお魚さんマークだったりするしな!
例えば何でかLineageでも初心者の街に木人が置かれてて、それ殴るとレベルアップするなんて仕様があったが……ありゃまんまUOのパクリだな。β時代はLineageのケントの南西の森にウンゴリアントとか出たし(指輪物語のアレじゃ。流石に著作権的にヤベェので改名された)、武器のダメージが大型の敵と小型の敵で別々に設定されてたりした(AD&Dとかだとそーなってるんだわ)
ラグナロクオンラインでも何の説明もなく将軍標が出てくるんだが……
これ、エベンキ族由来のシャーマニズムとかだった気がするのだが、彼らは余りその来歴を気にせず「身近にある当たり前のこと」みたいな感じで受け止めており、それが故に現在の韓半島の人々は、こーゆー部分を見る限り百済や新羅との文化的・血統的な繋がりが薄いって話になる事に気付けない。(檀君神話とか半万年の歴史とかの話と整合しないのだが……)