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水星の魔女 6話感想
事前に声優さんラジオ情報で「6話が凄いらしい」という噂を聞いていた為に
期待度爆上げで視聴してしまい
大変大河内氏には悪いが、実は「え? こんなもん?」と肩透かしを食らった回だった。
有料設定外した。見るがいい、予想を外した哀れなおじさんの姿を!
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俺は……俺は! Gガンに端を発する「恥ずかしい告白」をここでやらかして「世界4大恥ずかしい告白」とし、水星の魔女最終回でこの4大告白を過去のものにする「キング オブ 恥ずかしい告白」やってくれるものと信じてたんだぞ大河内! キンゲで見せた輝きはどこに消えた大河内! 俺は貴方を「やればできる子」だと信じてたんだぞ大河内ぃッ!
一発普通にレジェンド級かましてから展開戻して、「これ、最終回どーなるんだよ?」とドキドキして視聴することになるもんだと思い込んでいた。ついに中島かずき(注1)級がもう一人出るのかと。流石21世紀よのぅ、と。
注1 中島かずき
天元突破グレンラガンのシリーズ構成。かのケン・石川(ゲッターロボシリーズ著者。故人)の担当編集で「ゲッター者」
幾人もの賢人が指摘しているが、グレンラガンは石川氏がたたみ切れなかった「ゲッターロボ」の、ある意味最後までを描き切った、石川の広げた風呂敷をたたみ切った作品である。
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と、言うことで。ヤベェヤベェと言うならば、初見宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999映画版、初代「のび太と恐竜」やGガンにグレンラガン……この程度のインパクトは持って来て欲しい。声優さんら、若いのか感動の閾値けっこー低いのな……(ガックリ)
まぁ、グレンラガンのカミナ死亡前後やGガン最終回に比べては……と言うインフェルノ級にツラい批評眼の前では「凡庸な」と言う表現になってしまうが、普通に日5アニメとしたら普通の回でした。ワイの予想が高過ぎただけ。まぁ、そんな惑星衝突級の質量弾をここでブッパ出来るなら大河内氏はとっくに私でも知る有名作家になっているであろう。むむぅ残念。
で。エラン君つーか、偽エラン4号君が死にそうな訳ですが。
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作家とかモノカキ視点で申せば、殺してお涙頂戴するなら「偽エラン4号がビームで焼かれてホワイトアウト」と言う描写にするだろうし、
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ここまで
「百合婚宣言→次回冒頭でやっぱ無し」
「グエル告白→次回冒頭でやっぱ無し」
やられてるから、順当に「次回冒頭でやっぱ無し」とか、数話置いてやっぱ無しすると思うんだよね。その天丼に見せかけて、「別のエランでやっぱ無し」と見せかけて、真「エラン君が死んだのやっぱ無し」の二重やっぱ無し(注2)で変化付けるつもりなんだべなぁ、と。(各話「やっぱ無し」展開で引くのは、企画会議で考察とかSNSでの盛り上がりを狙った戦略的展開なんだろうなと)
まぁ、若い子はそれで惹きつけられるだろうが、ちょっとリピートが過ぎる。二度あることは三度あると古老も述べており、ワイは「はいはい、偽エラン君4号死亡。悲しい悲しい、はいはいお涙頂戴ねー(棒)」と鉄壁の精神防備体制である。私は本作の対象とする顧客じゃないから私を感動させる必要は無いのである。私に刺さらないのは本作の過失ではない。
注2 2重ドンデン
どんでん返しの難易度高い版。多重ドンデンは見切られると展開が読まれやすいと言うか、手ぐせ見抜かれて盛り上がりシーンで白ける(またドンデンするんやろ、と展開が読まれてしまう)のと、頭悪い子がクルクル変わる展開について行けず混乱してしまうと言う弱点がある。使い所が難しいし、効果的に多重ドンデンしつつ理解をさせる丁寧な描写が必要になるですよ。
見る限り、多数の視聴者はハマってる様だから企画側的には大勝利であろう。こんなおじさんの様に捻くれた見方をせず、皆は存分に心揺らして本作を視聴すると良い。モノカキ視点で見るのは作劇の勉強には良いが純粋には楽しめないからな。
で、他には……しれっと複数箇所でガンダムエアリアルの不思議機能が描かれてるが、多分多くの視聴者は「ニカ姐の感じた違和感」描写するーして「子供の声」で暗い推察して終わりであろう。本作の展開が「大人と子供の対立、支配構造からの脱却」及び、その構造の暗示としての「MS(特にガンダム)と操縦者の在り方」そして一番重要な
和解
をやるのだろうから、最終的な落とし所を予期して「そこに落とす」筋で考えたら良い。我が子を復讐の犠牲にして……と「思わせといて」犠牲は居ないし残酷な復讐はありませーん♪だからオチになるである。残酷な復讐しといてハッピーエンドにはならんし、父殺しはあるけど母殺しは古来から伝わる物語テンプレには余りねーでござる。(父殺しは良くある「より良い次代」演出の型。エディプスコンプレックス克服型構成である)
母殺しは自立をする話のテンプレで、1stガンダムで言うと「再開、母よ」がそれに当たる。
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所属する・帰るべき場所を「母の下」から「自分が作った家庭とかチーム」に切り替える筋なんな(注3)しかしこれはテンペストをモチーフにするなら「合わない」のよ。あれは「許す(或いは赦す)」展開であって自立の話ではない。自立の話にするなら下敷きが違うし、全体の筋運びがチグハグになってしまう。
注3 帰る場所の切り替え
ガンダムだとアムロはホワイトベースクルーの所を「帰るべき場所」に定める。父と別れて母と別れて、彷徨い辿り着く場所が「そこ」だ。その視点を持って以下の歌を聴いてみよう。
最初っからこの結末は設定されてるのよ。
現時点であのババァどもが許されると言う筋は想定が困難だが……
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……どうするんだろうな?(苦笑) 殺していない(誰かに助けられた)筋にするとしても、廃棄の指示明確に出してるしな? ここで毎回冒頭のドンデン枠使って生存ルートやるのは陳腐であるよーな……? プロスペラが4ババァの所に行って「ダメになった偽エラン4号君でも乗れるガンダムがあるんですけど如何ですか?」って売り込みかけるのかしら?
あとコレか。
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誤導だっちゅーに。
エリクトが死んでるとかエアリアルの中に居る。或いは何らかの形で封じ込められている……は私が見る限り「わざわざそう言う考察が出るように仕込まれた罠」だ。それが当たったとして「どんな形で話を〆るつもりなのか?」
世に溢れる展開予測や考察見てて強く感じるのだが、その考察とかで「どう話を作るつもりなのか」完全に失念してる人がひじょーに多い。
その展開の時のオチはどこだ、オチは?
基本的に作劇とは「落として上げる」で感動底上げするもんだから、上げる手が無い考察は無視してよろしい。意外性だけなら「初回主人公殺し」とか無茶な筋はいくらでも作れる(不条理ギャグになるけれど) ちゃんとヤマやオチや意味を盛り込まないと真の意味での「ヤオイ」になってしまう(ありゃ元々ボーイズラブ話の意味ではなく、「ヤマなしオチなしイミなし」の物語要件を満たさぬ創作を自嘲する語なんよ)
現時点で私は、エアリアルの中にいるのは「プロローグでルブリスの中に発生した自我」と考え、その発生に寄与したエリクトは一種のイマジナリーフレンドを見出したと考えて、更にそれが最終話でガンドのアンドロイド……ガンドロイド・エアリアルになると予想している。
水星に学校作るのがスレッタの夢なんだろ? 仮にガンビットにもエアリアルにも個別自我があるとして、全部ガンドロイド化したら12人のガンドロイドが生まれる。各人2つの眼を持てば「24の瞳」になるやんけ。
もしも「今」戦争を描くのであれば、だが。
ガンダム的ドキュンバキュンバキューンではなく24の瞳のアプローチの方が「らしい」と思う。ウクライーナのアレ見て更に戦争で爽快展開やるのは流石にサイコパスであろう。
まぁ、戦争や紛争は「匂わせ」で、騒乱回避の作劇するかなぁ、私なら。
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