魁！　スコップ速報！【18禁】

先にゆーとくと18禁です。

ハーメルン - SS･小説投稿サイト-

読者傾向似てるで推奨されたか、ガンド天狗に評価してる人が推してたかで読み始めたんだが、割とハマった。(3日で最新話まで読み終えた)

1.エロ描写はある。それなりにエロい。
2.グロ描写が割とガチでグロい。題名のアダルトMODが悪さこいてるんだが、これが割と初期のドンデン。

そして、これが本作最大の18禁要素なんだが、「人類が是認する倫理観と合わない思想を魅力的に書いてる」これがひンじょーに18禁。

例えば世の中にはエロ画像を青少年に見せるべきではないって一派がいる。私も「安易に見せる」のは反対だ。苦労して見るが良い。頑張って好きな子口説いて双方合意の上で見たり触ったりするといい。でだよ、じゃあエロに触れたら青少年が悪堕ちしたら社会的にやべー奴になるかとゆーとそーでもない。今のこの社会のエロコンテンツへのアクセシビリティから考えると無修正画像や動画見る難易度はチョー低下したが、エロ犯罪の発生件数は何百倍にはなってない。
ワイ、ガキがエロに触れてもそんな社会的な問題起きないと思うで？

思うに、安易にエロがヤバいとか言ってる連中はマジでヤバいコンテンツを知らぬ。世の中には世の常識に合わずに、それでいて魅力的な「視座」というものがある。実はエロなんかよりこっちの方がかなりヤバい。

例えば密教なんかは半可通が齧るとかなりヤバい。最澄さんに説教くれた空海さんマジ弘法大師(意味不明)
基本とか常識を是認した上で触れたら楽しいコンテンツなの。以下の妖星伝なんか初手から全裸逆さ吊りの女性の秘部に油塗るとかから始まるかなりハードなエロから入るが、途中からエロ描写なんざすっ飛ばしたくなる描写や説明が出て来て「そっちの方がヤバい」

例えば通勤通学の電車の中でスポーツ新聞のエロ記事読んでるおっさんがいたとしよう。TPO弁えろと思うが別に私は普通だと思う。例えば電車内でカバー付けてフランス書院のエロ小説読んでる中高生が居たとしよう。活字読んでるフリしてなんちゅーもん読むかなぁと思うが気にはしない。挿絵ページには気をつけろよ。
本当にダメなんは半村良。おいおいお前チャレンジャーやなと思う。大学行ってから、或いは真面目に「大人になってから読め」そいつは面白過ぎて人生が歪みかねない。どこぞの悪書追放運動も本選んでる連中の底の浅さというか、お前ら活字読んでねーな具合が分かるんだわ。肌色面積だけで決めやがって。

で、先のエロMODもそこそこエロいので「まさかハーメルンはエロ上手い奴結構多いのか？」と18禁ランキング上位の作品見てみたが、

大変申し訳ないが大してエロくない。

エロって難しいんだよ。股広げた、突っ込んだ、アンアンウンウンではエロくならんの。ざーっと見てみたがワイがキチンと「エロいな」と思ったの2作ぐらいしかない。その意味ではエロシーンをエロく描けてる本作筆者すげーテクニシャン。そしてその確かなテクニックがあるからグロシーンも実にグロい。特に行間からシーンを夢想できる読者は「想像エンジン」切ってた方がいい。マジでキモい。オゲェ。

多分初期はタイトルで釣って「で、エロMOD入ってたら当然こうなるよね」でグロをぶつける少々趣味の悪いドンデンで奇を衒う作品だったと思うのだが、作家の持つ「悪い方向への悪ノリ」が作品を異次元の方向に誘導し始めた。

これがまた、上手い。
私もその傾向にあるが……世の中には自らの創作世界にダイブして、作者が作中世界を旅し始める変な奴が居るんだわ。プロットとか組まずとも物語世界の中に入り込み、そこで繰り広げられた「物語」を見てきたままに書く奴。イメージ的には「プレイヤーが書いたリプレイ小説」

ゲド戦記(6点6冊セット) (岩波少年文庫)

聞く所によれば、ル=グインもゲド戦記書くに当たり劇中世界アースシーの図書館に籠って当地の歴史や出来事を学んだらしい。それはある意味で設定考証なんだけど、「これがこうある為には、何処かで何かがこうなっていないといかんのやないか？」を理屈じゃなくイメージや印象で巫女的に受信できる奴が居るらしいんだよね。多少なりともその「妄想エンジン」を使える私としては、オタがオタを見抜く様に……「まさか……こいつ俺と同じレアスキルを？！」と感じ取ってしまうのよ。

で、この手の作家に共通する傾向だが……

作家性が強過ぎる

のである。言い換えると思想性？　ガンダムとか富野論を語る山田玲司師に言わせると、「物語見てたら作家の裸踊り見せられた」なんて表現してた。

例えば私の場合、技術の進歩を積極的に肯定する筋が多い。一応本業的には私は技術者でありテクノロジーで人を幸せにするのが「生き方」であり人生哲学だからだ。

近年のラノベ界隈だと「作家になりたい」が先にあり、作家になる為に大衆迎合的なネタの順列組み合わせをやる。つまり「売れる作品」を思考する。偶にそこに人生哲学ぶっ込んで来る人もいるが、売れりゃいいんだから哲学はフレーバーテキストで良い。つーか面倒だから哲学構築はしねーですよ。

が、このエロMODの話、初手ドンデンの後モロに哲理の方に切り込んできた。なんなのこの人！(だいすき！)

エロ小説だと思わせてグロ。この返しは上手いと膝を打ったが、その後の展開にワイは言葉を失った。おいおい作者、エログロはどこ行った？(困惑)
これで哲理がアレだと狂人なんだが、哲理の視点が興味深かくて面白い。うん、自我が強固で面白い狂人だった。分類的には半村良とかブラックやってる時の藤子不二雄F先生。いやぁ、令和の世にこれやるか。

もし本書が書籍化や漫画化されてちゃんと【18禁】になるなら帯に書くべきはこれだ。

【18禁】本書は子供には毒だ。抜群に面白い【18禁】