水星と七五三
最近私がハーメルンで書いてるガンド天狗の話は、かなりかっ飛ばした筋書きでギャグにしか見えないが割と考察をした上で書いている。
幸にして馬鹿馬鹿しい話に呆れずそれなりに読んでもらっているのだが、最新話では漸く天狗要素との出会いの場としてスレッタの七五三詣でを書いたのである。
相変わらずボンクラ話を書いているな!と思われるだろうが、案外私は真面目にやってたりする。それが冒頭に挙げたスレッタの発言だ。
スレッタはアスティカシア学園に転入する際、水星の住人からお守りと寄せ書きを貰ったと言っている。お守りだよお守り!
英語とかだとアミュレットやチャームなんていうが、これ……実は日本みたいに「よくあるもの」ではない。イタリアでは土産物としてトウガラシ(の様に見える)キーホルダーなんかもある。
が、そもそもの問題としてキリスト教圏で神以外の超自然的な力に加護を頼むとか、普通に異端になってしまうのである。よって、キリスト教化する以前の俗習として残った物以外は西洋文化圏にお守りみたいなかるーいマジックアイテムはメジャーではない。最も普遍的な西洋のお守りじみたものとすると、十字架になるだろか……
他だと、聖騎士のローラン(オルランド)が持つデュランダルのグリップに収められた様々な聖遺物とかが日本的な意味におけるお守りに近いかも知らん(仏舎利ですなぁ)が、そんなもんパンピーのお守りにはできないである。
日本人作家による日本人向け脚本としては「きちんと理解できる」筋であるが、これが英語圏とか向けだとするとちょっとだけキツい。超過酷な水星が最先端科学技術の場であることは論を待たないのであるが、そこに(英語圏在住者的な)イメージとしては「かなり古い」魔術的な要素があるって感想になるんだわ。まぁ、魔女が出て来る話なんで当たり前のようにキリスト教以前の文化風習が残存しているイメージにはなるのだが、このニュアンスの差は「日本語脚本」には無いんだよね。
という事で、日本に住む僕らにもヨーロッパの皆が持つ様なイメージを持ってもらおうと
1.お守りがある
じゃあ神社があるんだな!
2.神社に天狗が出る
愛宕神社勧進した事にしよか。きっと日本文化が魔改造されて、パーメット鉱山開発では日本企業が起工式とかで神事やるんだよ!
実際、F-2導入した時は自衛隊だか三菱だかで神主さん呼んでお祓いしてた。
3.出来上がり
まぁ、ガンド天狗の発想自体は水星の魔女4話放映前からあったのだが、4話のお守り発言を見て考察した所……A.S.122段階でもお守りを授与してくれる神社かそれに類した文化風習があるのが確定的になったので天狗Goになったという訳だ。
何より、水星に天狗が出るとか、天狗の仕業が今も発生しているとかど田舎臭くてベネである。宇宙開発時代に「魔女がいる」というのは、魔女っ子シリーズが割と近代まで放映されてた日本ではアナクロ感を感じさせにくいのだけど、キリスト教圏ではどえらい昔の話なんだよね。
魔女ギャグとしてはモンティ・パイソンのこんなのが古典的。
こーゆーアナクロの極みとか、時代錯誤のおかしみが「水星の魔女」にあるんだけど、馴染みが浅い「魔女」って言葉でイマイチ面白さが伝わってないのかなと。