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RISING SUN ROCK FESTIVAL 2024 in EZO 初日(8.16)レポート ~ライジング皆勤賞の私が石狩で見た景色~ 

前置きに変えて ~その男、ライジングサン皆勤賞中につき~

地元で音楽フェスが始まるらしい。

そんな噂が実現した1999年の記念すべき、そして伝説の第1回RISING SUN ROCK FESTIVAL 1999 in EZO。
新型コロナウイルス感染症により中止となった2020年、2021年を除いて、毎年8月中旬に開催され、今年で24回目の開催となりましたが、まだ皆勤賞続いております!あの頃は大学生でしたが、今や立派なおっさんに成長しました。

当時は大学時代の友人と3人で参加していましたが、今は20人規模の大所帯での参加をしています。
最初の3人のうちの1人とは今も一緒に参加しているのも胸熱と言えば胸熱ですが、今はこの大所帯の居心地の良さを痛感しております。当時はレジャーシートで朝の寒さに耐えながらステージを見ていたのが、今やテントもタープもある絶好の環境を揃えてもらっております。

そんなこんなでライジングの初期衝動から現在までを知る者として、僭越ながらフェスレポートなんぞを書いてみたいと思います。
前置きが長くなりましたが、本編はもっと長くなりますよー。

8月16日(金) レポート

11:30 会場到着

ここ数年は大所帯での参加をしているので、何台かの自動車に分乗して会場を目指します。
HEAVEN'S駐車場を取れていたこともあって到着からテントサイトまでの移動はスムーズでした。今年のテントサイトはキタキツネの最前列というまさに特等席。到着時にはタープもテントもすでに設置されており、氷さえあればビアサーバーも使える状態になっていました。というのもこの数年、メンバーの何人かがオートサイトを取ってそこで前日の木曜日の夜から前夜祭と称して盛り上がっているので、その前夜祭メンバーが会場の設営をしておいてくれているのです。なのでここ数年はテント、タープの設置を全く手伝っておりません、申し訳ない。
タイムラインを見ながら書いていきますが、時間は逐一チェックしていたわけではないのでうろ覚えです。

13:00 Heyl @ def garage

メンバーでの乾杯をとうに終えて、ビールも5杯目を数えるころにはなんだかまったり。
フェスのスタートでのんびりし過ぎな気もしたので、当初予定になかったdef garageへ。
def garageはメインステージの中では一番小さいですが、新進気鋭のアーティストが良く出演する印象です。
今年のオーディション枠「RISING★STAR」で出演が決まったということで全く音源を知らなかったのだけど、とても聴き心地の良いガールズロックバンドでした。すぐに普通の枠で呼ばれそうです。
ちなみにRISING★STAR枠と言えば何と言っても2006年に出場したサカナクションでしょう。当時は深夜帯にやっていたため観客はさほど多くはありませんでしたが、初めてサカナクションサウンドを聴いた衝撃は忘れていません。

14:00 Lucky Killimanjaro @ RED STAR FIELD

青ばん屋で青ばんドッグを食べて、これが今回の初フェスめしとなりました。自分が買ったときはそれほどでもなかったんですが、後に長蛇の列になっていました。フードタイミングもあれこれ考えるのもフェスの醍醐味の一つだと思っています。
一度テントに戻ってビールを補給してからRED STAR FIELDへ。RED STAR FIELDはその名の通り赤を基調としたステージの装飾で非常に雰囲気のあるステージとなっております。ここのトップバッターはラッキリことLucky Killimanjaro。去年のライジングでは真夜中でしたが時間帯を感じさせない盛り上がりでした。ディスコ・サウンドを現代風にアレンジしたシティ・ポップで、曲を全く知らなくても盛り上がれます。楽しみにしていた「HOUSE」と「Burning Friday Night」を聴けたのでSUN STAGEを目指します。

14:25 RSR2024×怒髪天結成40周年スペシャル~仲間(ひと)のふんどし祭り~ @ SUN STAGE

SUN STAGEはまさにライジングの顔とも言えるメインステージで、スタンディングゾーンはもちろん、その後ろにレジャーシートゾーン、さらにその後ろにテントサイトがあって、文字通り広大な大地全てがステージとなっております。トップバッターは怒髪天。地元が生んだR&E(リズム&演歌)のベテランですが、今年は40周年ということでお祭り雰囲気の強いステージになっておりました。自分の移動中にGLAYの「Winter, Again」を演ったとの情報が入り「もしかしてGLAYが?」とも思いましたが本人はいなかったようですね。到着するとスターダスト・レビューの根本要をゲストに迎えての「夢伝説」そして何としても聴きたかった「My Revolution」を初めて生で聴くことができて大満足でした。

14:55 奇妙礼太郎BAND @ BOHEMIAN GARDEN

そのあとはハンブレッダーズ見ようと思っていましたが会場がかなり混雑しているようだったので、奇妙礼太郎BANDにチェンジ。BOHEMIAN GARDENはメインステージの中で最も離れたエリアにあるのですが牧歌的で独特な雰囲気のあるステージです。着くと「オー・シャンゼリゼ」を観客とともに歌っていてまさにピースフルなステージになっていました。菅田将暉のサプライズ出演は残念ながらありませんでした。

15:20 ハンブレッダーズ @ EARTH TENT

戻って来る途中でまだハンブレッダーズの演奏が続いていたのでEARTH TENTへ。EARTH TENTはバリバリロック系のアーティストがよくラインナップされるステージで今回のメインステージの中では唯一屋根ありのステージです。唯一すぐに分かる「ワールドイズマイン」は序盤に終わっていたので聴けませんでしたが、熱いステージを見せてくれました。そしてここで早くもメインステージ全制覇しました。過去最速かもしれません。

15:40 tonun @ def garage

グッズ受取りのついでにtonunをチラ見。こちらも初めてでしたが夏の野外の昼下がりというロケーションにぴったりのサウンドでした。
ちなみにオフィシャルグッズは事前予約で購入して会場受取を指定すると受取時間も選択できます。そのおかげでスムーズに購入が可能になっています。他にも事前配送などもあります。アーティストごとのグッズ売り場では、Vaundyが圧倒的な長蛇の列になっていて、ついでクリープハイプかという感じでした。

15:55 Awitch @ RED STAR FIELD

RED STAR FIELDへ移動してAwitch。沖縄生まれアメリカ育ちのヒップホップサウンドとラップで昨年に引き続きステージを盛り上げてくれました。あまり長時間は見られなかったけど、たくさん曲が聴けた印象。最終的には15曲もやってたんですね。ライジングは他のフェスと比べると1アーティストあたりの時間が結構長めなのも特徴的だと思っております。

16:15 離婚伝説 @ BOHEMIAN GARDEN

BOHEMIANに移動して離婚伝説。そのバンド名がインパクトありまくりですが、心地よいギターにどこか懐かしさを感じさせるメロウなサウンドが合わさった音楽で、最近急激に耳にするようになったと思ったら、活動自体2022年からなんですね。などと思って歩いていたら1曲目から「あらわれないで」。ライブ定番曲で観客の心を一気に掴むとその後も代表ナンバーがずらり。そして終盤には「愛が一層メロウ」からの「本日のおすすめ」。最高の雰囲気の余韻に浸りつつEARTH TENTへ。

16:50 DISH// @ EARTH TENT

本来はこの時間帯にSUN STAGEで演っているはずだった平井大が台風の影響を鑑みての出演キャンセルとなってしまったため、DISH//は大混雑でした。「沈丁花」も「猫」も終わっちゃっていたのであまり馴染みの曲はなかったのですが、北村匠海でイケメン成分を補充できました。人気ステージの間はフードチャンスってことで、この間に恒例のリトルジュースバーのいちごけずりと、OLIENTAL DINERはんのタコライスいただきました。

17:20 羊文学 @ RED STAR FIELD

そしてこの日の個人的メインの一つ、羊文学へ。ジャンルで言うとオルタナティヴ・ロックに分類されるようですが、透き通るヴォーカルとそれを支えるサウンドが魅力です。現在はドラムスのフクダヒロアは体調不良で活動休止中ですが、元CHAIのドラムスのユアがサポートに入っているので、正真正銘のガールズバンドになっています。「Burning」と「Ooparts」を連続で演ってくれてずっと聴いていたい気持ちに後ろ髪引かれるんですが、大急ぎでBOHEMIAN GARDENに向かいます。

17:55 森山直太朗 @ BOHEMIAN GARDEN

移動中に1曲目が「さくら」との情報が。フェスだと比較的メジャーな楽曲を後半にやる印象があるのですが、まさか1曲目とは!てか羊文学も森山直太朗もフェスゆったり楽しむ派はどちらも好きそうなのになんで時間帯が被っているのか・・・。気を取り直して2曲目、「夏の終わり」!どんどんやるな!この頃にはBOHEMIAN GARDENが人で溢れかえっていました。ファルセットの歌声と対照的に軽妙すぎるトークの組み合わせが絶妙でした。「さもありなん」が聴けなかったのは残念ですが、「生きてることが辛いなら」を聴きながらステージを後にしました。

18:15 BAND-MAID @ EARTH TENT

テントへの帰り際にEARTH TENTへ。BAND-MAIDはメイド姿で演奏しつつも割と骨太なロック・サウンドというまさにギャップ萌えなバンドなのですが、森山直太朗の裏というのもあってかステージは結構空いていました。最近は貴重になりつつあるガールズロックバンドなのですが、やはりイロモノっぽく思われてしまうんですかね。海外人気の方がありそうなので、BABY METALみたいにそこから火がついて広がっていくと良いですね。

19:00 緑黄色社会 @ RED STAR FIELD

続いてリョクシャカこと緑黄色社会。男女混合バンドによるさわやかサウンドで若い世代を中心に大人気ですね。ドラマ主題歌にもなっていた「サマータイムシンデレラ」からスタートしましたが、この後半辺りからステージ周辺に虫が大量発生していました。特にステージはスポットライトや照明が多く、客席から見てもわかるほどに大量の虫が飛んでいました。そんな中でも演奏し続けたリョクシャカにはまさにプロ根性を感じました。「Mela!」聴けたのでSUN STAGEへ。

19:30 sumika @ SUN STAGE

メインステージ夜の一番良い時間帯はsumikaでした。青春ロックバンドの王道という印象ですが、ヴォーカル片岡健太の喉の不調により昨年末から活動休止をしていたので心配でしたが、大丈夫でしたね。「Lovers」も「ふっかつのじゅもん」も終わっちゃっていたのは残念でした。

20:00 syrup16g @ EARTH TENT

EARTH TENTへ移動しsyrup16g。雰囲気のある3ピースロックバンドですが、前にライジングで見たのはなんと2004年。20年ぶりと思っていたら解散、再結成という流れだったんですね。昔「パープルムカデ」とか「生活」とか聴いてた記憶はありますねー。今回やった中だと「天才」は覚えてました。

20:30 KID FRESINO @ def garage

deg garageのKID FRESINOへ。今年はフジロックにも呼ばれた新進気鋭のアーティストで、英語と日本語を取り入れたミクスチャーソングが印象的です。曲は全然入れてなかったけど楽しめました。

20:50 RIZE @ RED STAR FIELD

Vaundyに向かう途中にチラ見。この頃には虫がだいぶいなくなってた。
RIZEもミクスチャー系のバンドとしてだいぶベテランになってきたとも言えますが、熱いステージは健在でした。まあいろいろあったからねえ・・・。「カミナリ」聴きたかったけど移動。

21:00 Vaundy @ SUN STAGE

例によって人気ステージの間はフードチャンスなので、はるきちオーガニックファームのカレーを晩御飯にしてからSUN STAGEへ。今年初参加の人気店かばと製麺所のうどんを狙っていたけどこの時間帯ではすでに品切れで閉店していました。去年と同様ステージモニターは消えていて、ステージもスモークが強めにたかれていたのでVaundyあまり見えず。Vaundyはもう説明不要だと思いますがそれでも中盤の「踊り子」終盤にはどちらもアニメ主題歌になっている「タイムパラドックス」、「ホムンクルス」からの「CHAINSOW BLOOD」、そして最後は「怪獣の花唄」と初日のSUN STAGEトリにふさわしい怒涛のラインナップでした。

ここでテントで久しぶりに同行メンバーと再会。いつもと同じメンバーで再会。
ビール飲みながら振り返りつつCAMPERSの時間を待ちます。
1日券の人の参加はここで終了で、これ以降の時間帯は通し券を持っている人のみが参加できるようになっています。

23:00 フジファブリック @ RED STAR FIELD

この日最後はフジファブリック。文学的とも言える世界観とそれを支えるギターとキーボードの音が印象的なバンドです。そして2025年の2月にキーボードの金澤ダイスケが脱退するのを機にバンドとしての活動を休止することが発表されています。
フジファブリックを初めて見たのもライジングで、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2007 in EZOのEARTH TENTでした。2005年にも出演していましたがその時はたしかTOKYO No.1 SOUL SETを見に行っていたと思います(その頃SUN STAGEではELLEGARDENなんだからなかなかに贅沢で悩ましい時間帯でした)。2007年はEARTH STAGEの深夜2時スタートということで、当時フジファブリックを全く知らなかった自分はEARTH TENTの中ではなく、横の方のステージがかろうじて見える位置ぐらいに陣取って、夜食にうどんを食べながらのんびり聴くことを決め込んでいました。1曲目の「ダンス2000」そして2曲目の「TAIFU」で衝撃を受けました。いままでこんな音楽を聴いたことがないと。気がついたら熱々のうどんを一気食いしてステージへ駆け込んでいました。その熱さを忘れるぐらいの衝撃はラストの「銀河」が終わってもなお残っているほどでした。
その衝撃とは完全に別のベクトルの衝撃をこの2年後に感じることになります。それがヴォーカル志村正彦の突然の訃報でした。何が起こったのかわからないまま年が明け、気がついたら志村ヴォーカルのフジファブリックを見た最初で最後がRISING SUN ROCK FESTIVAL 2007 in EZOということになってしまいました。当のフジファブリックはそれ以降も活動を続けており、音源もリリースしており、ライジングにも出演をしています。ただ自分はいつしかフジファブリックの音楽をあまり聞かなくなってきてはいました。前置きが長くなりましたが、そんな流れでの今回のフジファブリックでした。

「ショウ・タイム」に続いての2曲目は「徒然モノクローム」。フジファブリックが3人体制になってから初のシングル曲でこの日のライブを方向づけたように思いました。その後、UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介や、斉藤和義をゲストヴォーカルに招いて曲をやり、銀の匙の主題歌だった「LIFE」をやり、そして8曲目に「若者のすべて」が来て、これがこの日最初で最後の志村正彦時代の楽曲でした。ラストは「破顔」。いつもとは違う表情を意味する破顔という言葉をタイトルに持つこの曲を最後に持ってきたのもなんとも象徴的でした。それは笑顔だったんだろうか?それは泣き顔だったんだろうか?
自ら作詞作曲もしてヴォーカルも務めていた志村がいなくなって、それでもフジファブリックを愛するファンのために残りのメンバーが必死で支えてきた3人がこのライジングでやると決めたセットリストを今は噛みしめるとしましょう。そしていつかまた帰ってきて、そのときは志村の曲だからとかそうじゃないからとか、フジファブリックだからとかそうじゃないからとか気にせずに、思いっきりあの素敵な音楽たちを披露してくれることを願っています。

そんなことを思いながら初日は帰路につきました。
うちのメンバーは毎年テントに泊まる組と帰る組に分かれています。自分は毎年帰る組の方にしてもらっていて、それがあるからこそ思う存分にステージを回れてもいます。そんなメンバーに感謝しつつ、初日のレビューを終えたいと思います。

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