事実を超える幻影：＃１

１９４３年、棟京都経済特区東区外浜交差点路上で、都の交通軌道警察隊がインストールしている、対呪術対策プログラムを情報漏洩した容疑で、出頭豪志衛門（７５歳）が逮捕された。出頭容疑者は、容疑に対して黙秘権を行使している。事件の全容は未だ明らかになっていない。

彼は日本の警察から棟京都へ身柄引き渡しに応ずるように要請があり、私共、外国特派員連盟から出荷証明書の提出を、あなた方に求めています。勿論、これに対して異議を持って対処することは、あなた方の自由意思に基づき行動しても一向に差し支えありません。ですが、私の個人的な意見ですが、側帯公社側からの意見を加味したうえで行動するようにお願いいたします。

No.４３５６６議事録により、議事運営を一任されたロバート・ケンドリックさん。あなたは以前から出頭さんとお知合いですか？

はい。私は出頭容疑者の古き良き友人です。出頭容疑者は対呪術対策プログラム（ASPS）を脳内にインプラントされています。このようにして、全ての碍子構造的な計劃交叉系体幹様態のレアメタル量産システムによって構築されているAI「ホワイトドワーフ」をもってしても、改善の余地がない状態では、どうしようもない事は明白であったので、我々としても、意見することが不可能であったのは否めない。
（つづく）