いともたやすく行われるえげつない購買①
はじめまして、ベンと申します。
服をこじらせた30代のおっちゃんです。
ようこそこんなところへ。
こんなへんぴな記事をごらんになる御仁は
相当な服好きの方、
おそらく私と同志の方だと勝手に思っております。
インスタやリアルで交流のある方はともかく、
9割9分の方は「おまえ誰だよ」状態だと思うので…
僭越ながら私のつたない服遍歴でもお聞きくださいまし。
はじめて服を知ったのは中学生のとき。
まだ00年代初頭でした。
生来ひねくれものだった私は、
まわりのクラスメイトが地元のやっすい古着屋さんのレギュラー古着にエアフォース1に目覚める中
母上の買ってきたダイエーの2階で売ってるEDWINにムーンスター。
芋芋しいいなたいスタイルをつらぬいておりました。
まわりと同じがなんだかイヤだったんですね。
とにかく我が道しか行かないポリシーでしたので、ただただその頃目覚めた洋楽や昔のアニソン、マンガをむさぼりながら空手にいそしむ毎日を送っておりました。
The中二病まっさかり。
ただ、ひねくれ&グレ気味かつオタク気質という特殊体質でしたので
ファッション誌だけは地元の本屋で何もわからないまま立ち読みしてました。
今思えば、これが後の出逢いにつながったのですが…
この頃なぜか私の地元のTSUTAYAにはやたら攻めた雑誌がこそっと潜んでおりまして、
ミスターハイファッション、流行通信なんかをちらちら見ては
「コスプレじゃん」
とモードの世界を懐疑的かつ興味深く横目でチラ見しながら、ド芋ファッションのちぐはぐな自分に謎の自信だけ持ってるただの浮いた問題児でした。
その当時、そんな私のアタマの片隅には全盛を誇っていたC Diem、Carol Christian Poellのクリエイションが焼き付いていたのを覚えています。
ええ、悪い意味で。
00年代初頭、Helmut Langに代表されるミニマリズムが台頭し、モードを席巻していた頃。
比較的クリーンかつスタイリッシュなルックが並んでいた中で、
小汚くてわけわからないクリエイションをとんでもプライスで提示しているアルチザン両巨塔を見かけるたびに、
わかんねぇな〜と思いながらページを捲ったものです。
時は流れ、私はひねくれをより強めながら高校生に。
問題児っぷりは度を増し、学校ではひとりツッパリながらなぜかX LARGEなんか着たりして。
まわりと対立してるのに似たようなのを着てる矛盾。
この頃くらいから、徐々にHedi SlimaneのDior Hommeの影響を受けたバチバチ細身のギラギラロックファッションスタイルが世の中に浸透し始めました。
今でいうY2Kですね。
私もご多分に漏れず仲の良かった友人に影響され、
5351POUR HOMME、Baffalo Bobs、Vanquish、Tornado Martなんかをちまちま買い集めて着ちゃってました。
もちろんウルフカット。
でもハイファッションをチラチラ見てきた身としては、元にあるのがHediだとわかっていたので
Diorのスキニー、とりわけJakeという定番モデルには強いあこがれがありました。
ただ、このとき私…
バッチバチにグレてたのでファッションよりも武術に明け暮れる日々だったんですね。
幼稚園のころから心の拠り所だった長渕剛よろしく
「ふざけんじゃねぇ」「ろくなもんじゃねぇ」
精神で鍛えて世の中を憎んでいたので…。
つまりごんぶとだったんです、体型が。
むりやりスキニーを穿いてみたりするもののサイズは34インチとか。
ぱっつぱつやないかい!
そんなこんなでとんがったまま20歳を越え、
この頃傾倒したMichael Jacksonの影響でダイエットを決意。
23歳のころには28インチのデニムが穿けるように。
しかし痩せると着れる服が、
似合う服が増えるという地獄のループに突入したことを、このときの私はまだかるく考えていました。
次回につづく…