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ハンマーを持った、おばあちゃん

思いだせるのは幼稚園頃の前後まで、
その中から最初はいい思い出にしようかな・・・


会社員の父、その頃は専業主婦の母と、姉・兄・妹と私。
そして母の育ての親にあたる、おばあちゃんと一軒家で暮らしていた。
4人兄弟はその当時でも多かった気がする。

今回の話は家に私と、おばあちゃんしか居なかったので
幼稚園に入る前?の記憶だと思う。

家の前が土木関係の資材行き場でブロックとかが並んでおり、
近所の友達数人とよく遊んでいた。
そんな中、廃材を飛んで遊んでいたとき激痛が足を貫いた
なんと板に刺さっていた釘を踏んでしまった。

泣き叫びながら家へ帰ると、
おばあちゃんがゆっくり出て来て(年だから当然・・・)傷を見ると
慌てることなく、奥からハンマーを取り出してきた。
ハンマーを手に持ち、歌を口ずさみながらゆっくり近づいた来る


その光景は、もうホラーだ・・・怖くてもっと泣いた。


おばあちゃんは、そのまま横に座ると
私を座らせ足裏の釘が刺さっていたところを、
トントン、トントンと歌に合わせ軽く叩いた。
歌が終わるまでトントン、トントン叩いた。
不思議と痛みは消えいた。
そして昔懐かし万能赤チンキを塗ると絆創膏を貼って、頭を撫でてくれた。

おばあちゃんに何故ハンマーで叩いたかを聞くと
『錆びた物で刺したり切ったりすると、きれいな金属で叩いた方がいい』
と教えてくれた。これは今も私の子に受け継いでいる。

この記憶からそんな遠くない記憶に
おばあちゃんは、実の息子さんの居る名古屋に行き、天国へ行った。

トントン、トントン叩いた時の歌は思い出せないけど
この思い出は、足の裏から心が温かくなる記憶だ。


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