外部大学の院試合格体験記(筑波大学大学院)

こんにちは。地方公立大学で環境系の勉強をしている大学4年生です。

先日、大学院入試を受験しました。
結論から述べると、筑波大学大学院 理工情報生命学術院 生命地球科学研究群に合格しました(学位プログラムは伏せます)。

院試勉強中や試験後に先達たちのnoteを見て勇気づけられたので、私も記事を残して、誰かの励みになれればと思って書いてみました。

自己紹介


公立大学4年生。自大学には大学院がない。周りにも院に行く人がいない(というより、学問を学びたい・研究したいという人はいない)。知識ゼロから院試勉強。

院試のスケジュール

まず、私の院試全体のスケジュールを書いてみます。院に行こうと決意したのが比較的遅かったため、ゴリ押しのスケジュールでした。

【2024年1月】
大学院進学を決意。まずは英語の勉強を始める。(この時点ではTOEICを受験したことが一度もなかったので、まずはTOEICの勉強から始めました)。

【2月】
専門科目の勉強を始める。

【3月】
初めてのTOEIC。

【4月】
TOEIC勉強と専門科目の勉強に本腰を入れる。

【5月】
2回目のTOEIC。

【6~7月】
専門科目と英語の勉強(1日10時間くらい)。
過去問を解き始める(この時点では5~6割くらいの点数でした)。
出願
ホテルの予約(できるだけ早めにした方がいい!)

【8月】
最後の追い込み(過去問で8~9割は取れるようになっていました)。
院試本番

なぜ筑波大学大学院を目指したのか

きっかけは卒論

私がいる大学のゼミでは3年次から個人研究を始めるのですが、研究の面白さを知り、大学院に行きたいと思いました。

ゼミの教授に相談したところ、教授の出身大学院でもある筑波大学大学院をおすすめしていただきました。

私のやりたい研究をご専門とされている教授がいる&筑波大学では最先端の研究ができる(研究学園都市なので、研究に集中できる環境)ので、筑波大学大学院を受験する決意をしました。

研究室訪問

研究室訪問って何をする?

大学院入試は、大学入試のように「出願→試験→合否」というシンプルな流れではありません。

志望する研究室を見つけ、研究室訪問をして、「今どんな研究をしているのか」「入学後はどんな研究をしたいか」を伝え、教授に顔を覚えてもらう必要があります(外部院試なら研究室訪問は必須)。

【1月】
ホームページから自分のやりたい研究ができる研究室を探して、研究室訪問のアポを取るために教授にメールを送りました。メールアドレスはホームページに記載されていると思います。
私は2つの研究室にメールを送りました。

【2月】
研究室訪問をしました。
「遠いのでオンラインでもいいですよ」とご提案していただきましたが、対面でお話したかったので、つくばに赴きました。

話した内容は、①研究室訪問をした理由②今やっている卒論の内容③やりたい研究です。

②について、卒論の研究が割と進んでいたので、パワーポイントで資料をまとめて、印刷したものを持参し、グラフなどを見せながら説明しました。
訪問してすぐに「あなたの学部のホームページを見ましたが、うちじゃなくて○○研究室の方が合ってるんじゃないかな」と言われてしまいましたが、資料をお見せしながら説明したところ、教授から興味を持っていただけました。

ただ、③についてはやりたい研究がぼんやりとしか決まっていなかったので、「○○について△を使った研究をやりたいです」と、かなり抽象的なことを言ってしまいました(できるだけ具体的な研究内容を考えておいた方がよかった)。

その後、研究室や研究設備などをじっくりご紹介していただき、3時間くらいお話させていただきました。

もう一つアポを取っていた研究室も訪問しましたが、こちらの教授からの反応は微妙でした…。

ですので、初めに訪問した研究室を目指そうと決意しました。

2回目の研究室訪問

「2回目!?」と思われたと思いますが、理由があります。

筑波大学は5月に大学院説明会を行っているので、そのために再びつくばに赴きました。その際に2回目の研究室訪問をさせていただきました。
1回目のときに具体的な研究計画を話せなかったので、2回目はしっかり準備してパワーポイントで資料をまとめて、説明しました。

研究室訪問後も何度かメールでやり取りをして、研究計画について助言をいただきました。

院試勉強

過去問はどうやってもらう?

筑波大学大学院の過去問は各領域のホームページに載っていますが、著作権の関係で一部閲覧できません。

なので、一回目の研究室訪問をした際に、事前に事務室に電話して、過去問をいただきました(電話番号はホームページに記載されていました)。

夏の試験と冬の試験合わせて5年分をいただきました。

TOEIC対策

前述したようにTOEICを受験したことがなかったので、というよりも、大学に入学してからまともに英語を勉強していなかったので、勉強し始めた1月ごろは速読英単語の簡単な長文も読めないくらいの学力でした。

まずは英単語の復習をしなければならないと思い、「ターゲット1900」をやりました。大学入試のときにやり込んでいたこともあり、だいたい1週間くらいで思い出せました。ただ、単語帳は受験まで毎日やっていました。

次に、小石裕子著「はじめて受けるTOEIC L&Rテスト全パート完全攻略」をやりました。TOEIC特有のパターンや解法を覚えることを意識して勉強しました。
また、同著者の「TOEIC TEST 文法・語彙 出るとこだけ!問題集」もやりました。個人的には、この問題集は神でした。

過去問は5年分やりました。

結果、1回目→480点、2回目→590点でした。
600点には届かなかったですが、出願期限の関係でもう受験できなかったので、590点のスコアを提出しました。

専門科目

ゼロからの勉強

私が興味を持った分野は、私がいる大学で一度も学んだことがない分野でした。当然、その分野を専門とする教授もいないので、完全に独学で勉強するしかありませんでした。

(ゼミの教授からは許可をもらって、その分野を独学で研究していました。)

まずはその分野の全体像を掴むために、「Newton」という雑誌を買いました。Newtonは最新の研究を織り交ぜながら、カラフルで分かりやすい図表で書かれているので、基礎を眺めるのに非常に役立ちました。

次に、その分野で一番やさしく書かれていそうな本を2か月くらいで完璧にしました。
並行して、理解できなかった分野について、専門的な本を読んで理解を深めました。

基礎が出来上がってきたら、志望する分野で一番ポピュラーな専門書を読みました。基礎を抑えていたおかげで、スムーズに頭に入ってきました。

暗記方法

効率は悪いですが、私は自分で手帳に一問一答形式の問題集をつくり、勉強していました。

コツとしては、できるだけ自分の言葉で用語の説明をすることです。
教科書の丸写しだとなかなか頭に入ってこない(私の場合は)ので、自分の言葉でまとめて、それを覚えるようにしていました。

この自作の問題集は、おそらく20周くらい見返していました。

勉強時間

私は大学の単位を3年次で取り終わっていたので授業がなかった&勉強のためにバイトを辞めたので、2月から8月の院試本番までは毎日10時間くらい勉強していました。

院試本番

1日目(筆記試験)

私は前泊したのですが、緊張したのと、ホテルという環境に慣れず、前日はあまり眠れませんでした。。

当日は心配性なので試験開始の2時間前に会場に行きました。早すぎて誰もいませんでした(笑)
1時間前で十分でした。

待ち時間は、試験室の近くに机と椅子がたくさん置いてあるスペースがあったので(受験生が利用可能なスペースでした)、そこで最終チェックをしていました。

試験中は緊張で手の震えが止まらず、全然文字を書けなかったので、時間ギリギリに解き終わりました。
ただ、問題自体は自己採点では、英語7割強、共通科目7~8割、専門科目は満点に近かったです。

2日目(面接)

私は人生で一度も面接をしたことがありませんでした。
また、筆記試験の対策で手一杯で、面接練習はできませんでした。
研究計画の暗記と、質問されそうなことを紙に書き起こして暗唱することしかできませんでした。

さて、本番ですが、案の定大事故を起こしました…。
面接前から人生で一番くらいに緊張してしまい、面接中も声が震えていたと思います。

教授陣からも、かなり鋭い質問をされました。しかし、事前に教授から「黙るのだけはダメ。見当違いなことでもいいから、何かしら答えよう」とアドバイスしていただいたので、とにかく言い返そうと思い、的外れな発言を連発していたと思います…。

「あなたはこの分野を独学で勉強したようですが、大学院に入れる学力があることを証明できるのですか?」と聞かれたときには、「ああ、不合格なのかな…」と、面接中にメンタルブレイクしました。

院試後

ガチで落ち込んだ

面接で大失敗してしまい、誇張抜きで本気で落ちたと思い、帰りの新幹線で泣きながら帰りました。
私は筑波大学大学院しか受験していなかったので、精神状態はかなりヤバかったです。

合否発表まで1か月もあったので、地元の友達とサッカーやランニング、水泳などのスポーツをして気分転換をしながら過ごしました。

合否発表

そして迎えた合否発表…。

絶対落ちたと思いながら、震える手で合否サイトを見ると…

なんと合格していました!!!

おそらく、筆記試験が自己採点通りしっかり点数を取れていたこと、事前の研究室訪問でやりたい研究をしっかり話せたことが合格を手繰り寄せたと思います。

おわりに

ネット上では「院試は楽勝」「学歴ロンダリング」など冷笑的な意見が多いですが、実際には院試はめちゃくちゃ大変ですし、孤独との戦いでした。

そんな中でもモチベーションを保てたのは、「研究者になって人の役に立ちたい」という目標があったからです。これはカッコつけたいわけではなく、本気で思っています。(あとは、家族や友達、好きな人にいい結果を知らせたいという気持ちもありました。)

私と同じように、大学院の情報がない・大学院進学者が少ない環境で勉強している方もいらっしゃると思います。

少しでもこの記事が役立てば幸いです。

自分を信じて!ファイトです!

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