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【小型な小説】嘘つき情報や

どうも、情報屋です。

今晩もNさんに向けて、素敵で役にたつ情報を流していきたいと思います。




まずは今日の天気!

ズバリ、大雨でしょう!
残念ながら、どこに出かけてもびちょぬれになって気分は最悪!家でじっくりしているのが吉かもね。


あなたがぐっすりと寝ている間にあったこともお伝えしておこうか。

あなたが夢の中で呑気にふわふわなパンケーキをもう食べられないとか言っている間に、僕が庭で飼っている大きなワニが、魚の骨を喉に詰まらせて死んでしまいましたとさ。


あー、悲しい。あんな素直なワニ、他にいないのに。



一応今日の運勢も教えてあげるね。

今日のあなたの運勢は、、、



うーん、至って普通。

いいことも悪いこともない、なんの変哲もない1日だ。


雨に濡れるのだって長い人生においては結構よくあることだし、僕のワニが死んじゃったことなんて君は知る由もないからね。



ところで、君にとって運命の日が近づいているわけだけれども、調子はどうですか?


きっと君は僕のことはあまり思い出さなくなっていて、毎日をなんとなく、気ままに過ごしているんだろうね。


僕と会うまであと少しになってしまっているんだけれど、君は気付くはずもない。



それもそうだ。君はまだ僕の元へ来るのは早すぎるし、僕だってまだきてほしいわけじゃないんだ。



もっと君の好きなこと、好きな景色、好きな音楽、好きな人と関わってほしいと願っている。



君が好きだと言って見せてくれたあのアイドル、僕にはよくわからなかったけど、君の瞳がすごくキラキラしていたことは自分のどんなことよりも嬉しいことだった。


君がそっちにできるだけ長くいられるように、僕も僕なりにこっちで頑張っている。


でも君を蝕む魚を食べてもらっていた僕のワニは、僕の努力の犠牲者となってしまった。


今は僕が毎日3食魚を食べているから、日が経つごとにどんどん健康になっているような気がするよ。


でも力不足みたいで、どうやら日程は伸ばせないところまで来てしまったらしい。



君がこちらに来なければならないのは本当にやるせないことだ。


だからどうか、その日は、外には出ないでほしい。



外に出ないからって君がこちらに来るのを止められるわけじゃないかもしれない。


でもその日だけは、お願いだ。家で過ごしていてほしいんだ。



その日はあいにくの快晴で、君が待ちに待ったK君のライブに行く日なんだけれど、どうか諦めてくれないか。



僕の願いは決して届くことはない。


こちらからそちらへメッセージを伝えることはできないんだ。




だから僕は精一杯情報を流すんだ。君がそっちで、もう少し生活を享受できるように。




「今日の天気は大雨!外に出るのはやめて家でゆっくり過ごそう」



【2回目の投稿】9/16
眠れない夜をやり過ごす

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