ひとりごと惑星

僕は星、何処にでもある名も無き星。
今日も今日とて廻るよ廻る。
息を揃えてただただ廻る。
ある時僕は、遠くの星に恋をした。
廻っているだけでは決して追いつけない。
だってその星も廻ってるんだもの。
だから僕は廻ることを辞めてみた。
もっともっと外の軌道に近づこうと努力した。
そうすればきっとあの星に近づける気がしたから。
でもね、気づいたら誰もいなくなっちゃった。
恒星の引力から外れちゃったみたい。
気づけば1人、暗い暗い空の旅。
少しの自由を求めたら、なんにもなくなっちゃったよ。
僕はもうひとりごとしか出来ない。
でもね最近、知らない星が廻っている場所を見つけたんだ。
だからもし、そこに入れることが出来たなら
僕は沢山皆に話すんだ、今日までのひとりごとを。

「昨夜未明、NASAの研究チームにより地球に急接近していたと見られる小惑星が破壊されたとの発表がありました。これにより各地で歓喜の声が上がっています」