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上下フルセットバック手術レポート



5日前に上下フルセットバックという整形手術を受けてきたのでレポートにまとめようと思います。ぜひご参考に。

はじめに

まずは簡単な筆者のプロフィールを記載します。
年齢: 24歳
職業: システムエンジニア
居住: 東京
身長: 175cm
体重: 70kg

整形に至るきっかけ

みなさんは、顎変形症というのをご存じでしょうか?最近では、その一部は「口ゴボ」「アデノイド」と言われ広く一般にも浸透しているかと思います。筆者はこれでした。小学一年生の時に、あまりにも歯並びが悪いので学校から総合病院へ精密検査に行くよう言われ、総合病院で医師から言われた一言が「これは顎がゆがんでいるのが原因だから矯正しても治らない」でした。小学校一年生の私が受けられる当時最先端の整形治療が、トータル100万円オーバーかつ治る確証はないということで両親はこれを断念。私が大人になった時、気になれば自分で治してくれという結論となりました。それから18年、私も社会人になり「時間」「経済力」その他もろもろの面でこの顎変形について向きあえるようになりました。その際、グダグダ考えるのが面倒くさかったのでええいままよの精神で、お盆休みめがけて整形手術に臨んだというのが事のあらましになります。

セットバック手術とは

それでは、私が受けたセットバック手術というのがどんなものか簡単に説明します。セットバック(上下顎前方分節骨切り術)とは、上下顎左右の第一小臼歯(犬歯の後ろ)を抜歯し、そのスペースの上下の骨を切除し、空いた空間を利用して上下顎を後方に下げる手術です。出っ歯や口ゴボと言われる口元の出っ張りを改善したい場合に適応になります。<引用上下顎分節骨切り術 | ザ・プラス美容外科 東京代官山 名古屋 (theplustokyo.jp)>
簡単に言えば、上下左右の4前歯の前歯を骨ごと切除して、その隙間に顎先を入れて凹ませるというものです。

図 セットバックイメージ

流れ(手術前日まで)

  1. 病院探し
    まずは、病院探しです。やろうと意気込んだ日の午前中に美容外科の口コミサイトがないかをまずは探しました。沢山あったのですが、私は以下のサイトで近い・評価良い・安いの基準で選定しました。以下当該サイトURLです<美容医療・整形の口コミ予約アプリ | トリビュー[TRIBEAU]>

  2. カウンセリング受診1回目
    病院を予約して5日後、初来院でまずは口の出っ張りを治したいと説明。医師が口の中を見ながら、口の出っ張りの原因を特定してくれました。
    どうやら私は顎が狭く、出てくるスペースを失った前歯が顎を前に引き伸ばしながら生えてきてしまったのが原因だったよう。そこで、この症例なら歯科矯正が外科手術のどちらかのアプローチで治せますけどどうしますと医師から言われました。私は事前に外科手術をする覚悟の準備をしてきていたので外科手術と即答。
    すると、外科手術できるかシミュレーションするからということで当日に歯形取と、レントゲン撮影を実施することに。

  3. カウンセリング2回目
    二回目のカウンセリングは一回目のカウンセリングからちょうど一週間後に実施しました。内容は、手術が可能であるが本当にやるかの再確認。
    私はこれに「はい」と答えたため4へ移行。

  4. 全身検査
    カウンセリング2回目と同日に全身麻酔用の全身検査を実施。内容は簡易版健康診断といった感じ。ここで、費用の頭金を支払いするルールであったためそれも準備し支払い。私は世間に顔が出ることに一縷の不安もないため一番安い全顔モニターを選択。総額約144万円。この日はその1/3である48万円+全身麻酔検査費用2万円のトータル50万円をお支払い。
    現金で持って行ったので財布が閉じ切らなそうになっていてワロ
    ここで手術までは一切の禁煙と、歯茎を傷つけるようなことは絶対NGと通告が来ました。

  5. クリーニング
    全身検査からさらに一週間後(手術10日前)。今度は術前の歯のクリーニングを実施。歯垢・歯石を除去してもらい、歯科衛生士さんからこの一週間は特によく歯をきれいに保つように指導されました。私は歯周病気味だったので年齢もあって、若いのに歯茎が痛んでるからよくケアするようにと怒られました(笑)
    この日が術前最後の来院なので、前日のことと当日についての説明を聞き帰宅。

  6. 前泊
    前日は、美容外科からほど近いビジホに宿泊してもらうとのことだったので宿泊(このホテル代は病院持ち)
    早々にチェックインした私は、当面自由に飯が食えなくなることを知っていたため最後の晩餐と言わんばかりに豪遊を開始。
    まずホテル近くのまいばすけっとでしこたま酒とつまみを買い、モスバーガーのスマホアプリでバーガー2つとオニオンリングを注文。
    バーガーができるまで部屋で、AmazonPrimeを見ながら晩酌し、バーガーが出来上がったら取りに行くついでに近くにあったビアードパパでシュークリームを2つ購入。心行くまで食って飲んだ私は、21時以降絶食0時以降絶飲を守り、歯を磨いて22時には就寝


流れ(手術当日以降)

  1. 手術当日
    朝9時15分に病院着。当然この日は朝から絶食絶飲。歯磨きのみしている。
    病院に着くと、担当医が出てきて最後の最後まで本当にやりますね?という意思確認をし、今日から明日にかけてが本当につらいですが頑張りましょうと𠮟咤激励してくれました。
    10時ごろ、病室を案内され着替えや洗顔をして待っていると看護師が来て「それでは手術室へ」と手を引かれる。この瞬間は何とも言えない気持ちで期待半分怖いの半分というか、、、私自身手術経験はあるので初めての感情ではないですが、手術室へ行く瞬間は何度味わっても何とも言えない感情ですね。その後手術室では、麻酔します。と言われ「なんか酔ってるような感覚がします」といったきり私には記憶が残っていません。気づくと病室のベッドの上でした。酸素マスクをつけられ、左手には酸素濃度が図れる器具が付いており、右手には血圧計。足は血流が悪くならないようにマッサージする機械がつけられていました。完全防備です。
    私が一番に感じたことは「息ができない」ということです。顔面の骨切りでは往々にして、出血が鼻や気道にたまり呼吸困難になりやすいということで、私も例に漏れず呼吸との戦いでした。
    しばらくして完全防備は剥がされ、足のマッサージ機械と点滴のみになりました。もう大丈夫ですね、と看護師は言うが私はまだ一瞬気を抜けば呼吸できなくなるという状況で必死でした。あたりが暗くなってきたころ執刀医さんがきて「今日はつらいけど頑張ろう」と励ましていきました。このとき同情するなら酸素をくれと思っていた気がします。活路を見いだせたのは午前2時くらいになった時だったと思います。鼻かんだらワンチャン詰まってるものが出てくるのではと思いかんだらビンゴでした。鼻の穴の形そのままに固まった鼻血が鼻から勢いよく排出され、それ以降呼吸の問題はあっさり解決しました。そんなこんなで、精魂尽き果ててここで就寝。

  2. 術後2日目
    朝4時ごろ起床。息ができるようになったので生命的な危機を感じることはもうありませんでした。一般的にこの当日の夜から2日目は激痛が走るという話でしたが、私はずっと鈍痛(内側からにぶーく痛む)が軽くするくらいでこんなものかという感じでした。
    朝に看護師さんから足の装置を外してもらい、自由に身動きを取っていい許可が出ました。(この時看護師さんに尿道に入れた管を抜いてもらうのですがこれがまた新感覚の痛みで結構痛かった泣)とくに起きたい理由もなかったですが、寝っぱなしで腰が悲鳴を上げていたのでトイレに行く口実でベッドから離れました。まさかのちゃんと立てず、看護師さんに肩を支えられてトイレへ。トイレで術後初めての鏡が登場。私の顔は顎だけでなく鼻、ひいては目のあたりまでぷっくぷくに腫れていて思わず笑いそうになってしまいました。
    昼頃2日ぶりの食事が登場。献立は、おかゆ・おかず1品・スープ・温泉卵・プリン・ウィダーでした(以後もだいたいこのテンプレ)
    術後初めての食事はマジで食えない。この一言。まず何を言っても唇がマヒしているから口が閉じられないし、2日目の時点だと舌もマヒしているから口に入っても喉まで飯がいかない。スプーンですくった飯がマーライオンみたいに戻ってくるこの無常さ。24歳にもなって味わうとは、、、
    結局1時間以上かけて息切らしながら完食。この時覚えたことは、飯をスプーンですくう→奥歯に流し込む→顔を斜め上に向いて喉の奥に飯を流す→無理なら完全に上を向いて(うがいするみたいなポーズ)喉の奥に流し込む。本当にやばくなったらウィダーで流し込む。これを習得することで、以後の飯は徐々に苦労しなくなっていきました。あとはひたすら寝てた二日目。

  3. 術後3日目
    もういろいろとましになってくる。相変わらずじっとしていると鈍痛が来るため夜は満足に寝れないけど、顔の腫れも目鼻あたりは引いてくれていて口も少し動かせるように(ようやく話せるようになってきた)
    とりあえず少し口もぞもぞしてセルフリハビルしながらひたすら寝ていた。この日ようやくlineとかも返した。隣で同じ手術受けた人がつらそうにしていたので内心応援していた。
    3日目にしてようやく風呂許可が下りた。汗かいてないせいかなんかあんま嬉しくなかった。

  4. 術後4日目
    とうとう退院日。回診受けて、荷物整理して帰宅。顔のマヒにはアリナミンVが効くらしい(あくまでおまじない的な)と執刀医から聞いていたので帰宅しながらアリナミンVを購入。なんか星野アイのコースターが入っていた。私の口のマヒもとびきりの嘘にならないかな、、、なんて
    食事は事前におかゆと介護食を買い込んでいたため無問題。
    午後からは出勤し、長期休暇前なのでもろもろ残作業を消化した。
    もう口の感覚が変で、喋るのが不自由なだけで普通の暮らしに戻っていたことを感じた。

ビフォーアフター

以下が筆者の手術前と術後5日目(本記事執筆日)のビフォーアフターである。

術前後の左横顔比較


術前後の右横顔比較


まだ本格的な腫れも引いておらず、また骨を切った分余った皮と贅肉が残っている状態なので腫れぼったいが確実に下唇周りがシュとしたことが分かる。一か月くらいで90%の腫れは引き、また余った皮や脂肪は半年程度で無くなり輪郭にフィットしていくそう。今後が楽しみです。

おわりに

今口ゴボや、それ以外でも輪郭やあごにコンプレックスを抱えている方へ
顎の整形手術は、顎の奇形を治すという医療的側面がしっかりあり個人的には整形は恥ずかしいのような後ろめたさを持たずにいてほしいと思います。
そのうえで、読んでもらったからわかると思いますが、顔の骨切というのは術後まぁまぁしんどいし、数か月ひいては年単位で生活に負担が生じることとなるので私のレポも参考にしつつ慎重に選択してほしいと思います。今回のセットバックで治療した内容は、抜歯矯正でも治る見込みがありそちらであれば顎のマヒや腫れのリスクは圧倒的に小さいです。その代わりに非常に長い期間を要し、かなり費用がかかるうえ確実な効果があるとは言えないというデメリットもあります。どんな手術方法がいいのか?ひいては本当にリスクをとってまでコンプレックスを治したいかは、後悔のないよう心行くまで自分自身で考えて答えを出すことが大切かなと思います。


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