「答えは参加者のなかにある」と実感
ピュア・エッジ「Edge Faci-Leader ファシリテーション型リーダーシップ開発トレーニング」受講生インタビュー、今回は、「チームをまとめる」ことと、「リーダーシップを発揮する」こととの間で葛藤を抱えていた、アッヴィ合同会社の宮村 佐和子さんです。
宮村 佐和子(みやむら さわこ)さん
アッヴィ合同会社 人事本部
自分の進行の仕方に課題を感じていた
──受講のきっかけを教えてください。
会議の場などでファシリテーターを任される機会が多いため、自分の進行の仕方について課題を感じることもありました。そんなときに上司から、「ファシリテーションのテクニックではなくて、在り方にフォーカスした講座だ」と紹介され、興味を持ちました。
──どのような課題を感じられていたのでしょう?
その場のメンバーの総和を取ろうとしてしまうところがあったんですね。できるだけみんなの意見を聞いて、それをまとめるのが大事なんだと考えていたので。そのせいか「意見を聞きすぎる。リーダーとして、もうちょっと方向を示してもいいのではないか」といったフィードバックを受けることもありました。
答えは参加者のなかに既にある
──講座を受けながら、どういった気づきがありましたか?
「答えは参加者のなかに既にある」と教わったことは、私にとってすごい衝撃でした。それまでずっと、答えは会議を進める中で作り上げていくものだと考えていたので。最初に聞いたときには、「本当かな……。答えがあるなら、どうしてそれが参加者から出てこないんだろう?」とも感じました。でも、学びを進めるなかでだんだんと腑に落ちていったんです。
まず、会議のメンバーにはそれぞれの立場があり、事実に対する解釈も各々異なっている。その上での意見であり、発言なんだということが理解できるようになりました。私はそれまで無意識的に、意見と、その人自身を同一視していたんですね。その二つを分けて、「どうしてこの人は、こういう発言をしているのだろう」「何を大事にしているのかな」ということを意識できるようになりました。
すると、その人が本当に望んでいることが見えてくる瞬間があるんです。ファシリテーションをしていて、いつもそれが見えるという訳ではありません。でも「答えは参加者のなかに既にある」という感覚を、少しは掴めるようになった気がしています。
ファシリテーターとしての立ち位置が変わった
──講座を終えて、どのような変化を感じていますか。
受講前は、ファシリテーターはタイムスケジュールを管理して、目的とする結論まで持っていくのが仕事だと考えていました。でもいまは、心理的に安全な場を作って、各メンバーが本当に望んでいることをオープンにしていく、そしてエネルギーが向かっている方向を共有していくなら、こちらがコントロールしなくてもメンバーたちが会議を自走できることが分かりました。立ち位置としては180度変わった気がしています。
そうは言っても、まだいつものクセで「なんとかまとめなければ」と思ってしまうこともあります。そんなときでも「あ、私またやってるな」と気付いて、いまこの場では何がベストなのかにフォーカスできるようになってきました。それでもうまくいかなかったときには、受講時のメモを見直しています。すると、改めての気付きがたくさんあるんです。
ファシリテーションに限らず、日々の経験を振り返って自分を進化させていけるようになってきています。これも、この講座を受けて感じる大切な変化のひとつです。
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セミナー修了の翌月に、経営層が参加する重要な会議でのファシリテーションに挑戦した宮村さん。準備段階でチームメンバーと意見が合わないこともあったようです。以前の彼女なら、「自分のやりたいようにやる」といって孤立していたかもしれない局面も、丁寧に質問を重ねて理解を深め、皆が納得できる第三の選択肢で合意でき、経営メンバーの会議本番は大成功。上司は、今回の彼女の努力と勇気と貢献を非常に高く評価しているとおっしゃっていました。
Edge Faci-Leader ファシリテーション型リーダーシップ開発トレーニングの詳細についてはHPをご覧ください。
インタビュー/執筆:大村 隆