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オンライン会議で育む心理的安全性

今年の1月から、音声を発信できるnoteの機能を使って、「今日のチェックイン」という4~5分程度のおしゃべりを、週一回の頻度でアップしています。コツコツと取り組んでいる小さな活動に込めた思いを綴ります。

心理的安全性と会議の質の関連

職場の心理的安全性の高さが、生産性・創造性・コンプライアンス・会社の持続性、そして、そこで働く人たちの心身の健康などに大きな影響を与えるものだということは、今やビジネス界の常識となりつつあります。そして、心理的安全性が効果的な会議の土台だということもまた、すぐにご理解いただけることの一つです。

日ごろから、不用意な発言一つで自分の居場所が無くなるかもしれないなどと危惧せずに、言いたいことを自由に言い合える雰囲気がなければ、会議中の「ここぞ!」というときに、言いにくいけれど大事なことを率直に口から出せるはずはありません。

職場の心理的安全を生み出すのは誰か?

パワーポジションにある人の影響は言うまでもありませんよね。

上席者のふとした言動や腹に抑えた思いの質で、場を凍り付かせてしまうことはよくあります。逆に、階層を越えたフランクな関わりで、その場を自由で豊かな創造の土壌に変えることもできます。私自身、その両方を体験してきました。

チームの一人ひとりとフラットに対話する姿勢をメンバーたちに見せながら、メンバー同士の相互関係を育てていく、「ファシリテーション型リーダーシップ」の価値を知っていただきたいと願い、熱をもってEdge Faci-leaderを提供し続けているのはそのためです。

お互いがエネルギーチャージし合えるか、エネルギーを奪い合うか、日ごろのチームの雰囲気次第です。

批判を恐れずにあえて一歩踏み込むなら、リーダーのエネルギーがメンバーに影響するように、メンバーもまたリーダーに多大な影響を与えてもいると言えます。

リーダーが何とかしてくれるのを待っている受け身のメンバーたちがリーダーを焦らせ、リーダーを過度に指導的にしてしまう温床にもなっている。焦りが募ったリーダーは、自分が何とかしなくてはと頑なになり、メンバーを更に依存的にしてしまう。自主的にどんどん提案して自ら動くメンバーが多ければ、リーダーはゆったり構えてメンバーとフラットに関われる。そこに生まれる「場」の質には、全員が関与しているということも真実ではないかと思います。

お仕着せのおしゃべり空間は楽しくない

コロナ禍でオンラインの割合が増えてから、どうも雰囲気が殺伐としている。だから、「おしゃべり用のバーチャルルームやスレッドを設けよう!」という声をよく聞きます。
誰かひとりの力ではなく、みんなで良好な場を作っていこうとする経営層や人事の皆さんの発想や試みにはとても共感する私です。しかし、どうも狙ったような効果は出ていない模様です。

カジュアルなおしゃべりは、今ここで顔の見えている仲間同士の閉じられた空間で、自然発生してアウンの呼吸で盛り上がり、そしてすっと消えていくから楽しいものではないでしょうか?

会議の「チェックイン」は自然なおしゃべりタイム

ファシリテーションの基本の一つに「チェックイン」というのがあります。

ホテルにチェックインするように、会議の場にチェックインする。
バラバラな所から会議室という一つの「場」に集まってきた参加者が、ほっと一息ついて、それまで抱えていた個々の思いを脇に置き、この場にいるお互いの存在を感じて、気持ちを新たにこれからの議題に集中できるようにする。そのために、会議の冒頭の短い時間を使って何気ないテーマについて全員が一言ずつ発言する機会を作る手法です。

対面型の会議では、一瞥するだけでみんなの雰囲気を把握できるので、「チェックイン」というテクニックを知っている人でも、そこに時間を割くことに価値を見出さないかもしれません。

しかし、自宅で仕事とプライベートのバランスを取りながら、あるいは遠く海の向こうから時差を越えて、オンライン会議というバーチャル空間に集まってくるメンバーの気分や意識のバラバラさ加減は、朝から同じ社屋に出勤して仕事をしていた人たちが、エレベータで1つの会議室に集まってくる対面型のケースの比ではありません。

オンラインだからこそ、基本を大切に。

そして「チェックイン」の時間をとることにメンバーが慣れてくると、その短い時間を使ってごく自然に何気ないおしゃべりを楽しむことができます。カジュアルなおしゃべりを入り口にして会議をスタートすることで、リラックスして、集中力が生まれます。

「チェックイン」の真価

「チェックイン」のテーマの選び方次第では、ダラダラとあてのないおしゃべりをするよりも、効率的にメンバー同士の相互理解やリスペクトを深化させて、チーム内の心理的安全性を育てていくことが可能です。普段仕事の中では触れないような、少しパーソナルな話題に振るのがおすすめです。

オンライン環境だからこそ、「チェックイン」を大切にして欲しい。
どんなテーマなら、全員が話しやすく、そしてお互いの心の距離が縮まるだろうか?
毎回テーマを変えながら、そのテーマを扱う空気感をご紹介するために、音声noteで「今日のチェックイン」をお届けしています。
あなたのチームビルディングに活かしていただけたら幸いです。


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