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「思いやりとケア」をベースにしたファシリテーションが、組織を良き方向へ変えていく

ピュア・エッジ「Edge Faci-Leader ファシリテーション型リーダーシップ開発トレーニング」受講生インタビュー、今回は、管理職という立場を活かして、本トレーニングの学びを自組織のエンゲージメント向上に展開した佐々木聡さんです。

佐々木 聡(ささき さとし)さん
電気機器・ソリューション事業 Marketing Manager

意識するようになっていた、ファシリテーションの「質」

―受講のきっかけをお聞かせください。

私は強いリーダーによるトップダウンが当たり前の企業文化のなかで、長い間働いてきました。でも社会生活を重ねて多様な考え方に触れるにつれて、できるだけ先入観を持たずに一人一人と接する大切さも感じていたんです。

特に管理職になってから、コミュニケーションやファシリテーションの質を意識するようになりました。そんなとき、ある方から「ファシリテーションのスキルではなく、在り方を学べる講座がある」と紹介されて、興味を持ちました。

良質な問いが、多くの物事を変える

―受講されるなかで、どのようなことが印象に残りましたか?

たくさんあって、なかなか絞れないのですが……。そうですね、「良質な問いが、多くの物事を変える」ということを、講座を通して深く学ばせていただきました。

問いかける内容によって相手の気づきが増えて、本人が忘れていた何かが顕在化する場合もあります。たとえば、こちらが先入観を持たずに「なぜそう思うのですか?」といった質問を投げかけると、喜んで自分の考えや思いを伝えてくれる場合があります。話しているうちに、本人も改めて自分の思いに気づき、私のほうも新しい視点を得られます。

重要なのは「在り方」

―「良質な問い」の具体的な効果について、もう少し教えていただけますか?
 
「何のためにこの仕事をしているんでしたっけ?」とか「それって、全体の組織にとってどんな意味があるんでしたっけ?」といった質問をすると、相手は自然と立ち止まって考え始めます。すると、本人のなかで仕事の優先順位が変わったり、モチベーションが上がったりといった様々な変化に繋がっていくんです。
 
ただ、そうした質問も、重要なのはそれ以前の在り方なんです。会社という限られた枠内でしか接点のない社員一人一人にも、当然それぞれの生い立ちがあり、家族があり、個別のバックグラウンドがあります。そのすべてを含めて、その人の存在なんです。そこに意識を向けて問いかけるのと、そうでないのとでは、同じ質問でもまったく響き方が違ってくると感じています。

相手を思いやる気持ちとケアの意識

―その違いは大きいでしょうね。
 
ええ。受講しながら気づいたのですが、ファシリテーションのベースは相手を思いやる気持ち、ケアの意識なんですね。これは会議の進行などに限らず、メールの文章や対話、オンラインミーティング、ちょっとした雑談など、社内でのあらゆるやりとりに当てはまります。相手をケアする気持ちで接するなら、その場に言葉を超えた空気感、一体感が醸成されていく気がしています。

管理職の在り方が企業の未来を握っている

―この講座を、どのような方に勧めたいと思われますか?
 
私と同じように、部下をもっている管理職の方ですね。皆さん、ファシリテーションなどについて、ほとんど考えたことのない方が大半だと思います。管理職の影響力はとても大きく、その人の在り方で組織全体の空気も左右されてしまいます。最近盛んにいわれるようになった心理的安全性も、管理職にある人の在り方があってこそ育まれるものではないでしょうか。
 
いま、日本企業の多くが国際的な競争力を失っていますが、その一因はコミュニケーション、ファシリテーションへの意識の低さと、管理職の在り方に問題があると私は考えています。上意下達で、部下や若い社員の意見にまったく耳を貸さない組織では、閉塞感、停滞感が蔓延し、結果として企業そのものが時代の変化に乗り遅れてしまいます。つまり、管理職の在り方が企業の未来を握っていると言えるのです。
 
そういう私も、仕事に追われるようになるとケアの意識が疎かになりがちです。そうした状態は部下にも伝わってしまうので、決して良い影響を与えません。「いま自分は部下からどう見えているのだろう?」という客観的な視点を意識し、日々小さな気づきを積み重ねながら、これからも学んだ内容を地道に実践していこうと思っています。


多様性を組織力に変えていくには、心理的安全が不可欠です。日常的な管理職の関与が、組織メンバーの心理的安全性を左右するからこそ、佐々木さんが体験なさったように、管理職が自身の影響力に責任を持ち、意識的に在り方や振る舞いを変えることで、メンバーのエンゲージメントが向上します。その結果、管理職自身の幸福度も増していくことを、佐々木さんの笑顔が教えてくれました。多くの管理職の方々に、是非このトレーニングをご活用いただきたいと思っています。(木村すみこ)

Edge Faci-Leader ファシリテーション型リーダーシップ開発トレーニングの詳細についてはHPをご覧ください。

インタビュー/執筆:大村 隆


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