RAGEファイナリストという経験から学んだこと
ぴゅあです。RAGEGFへの出場が決まってからの1ヶ月間、自分なりにできることはやってきました。その結果がこの準優勝に繋がったのかなあと思います。
この1ヶ月間は楽しくもあり、しんどくもあり、、で大変でした。この経験を通して得た苦悩や成長を記録に残しておこうかなと思ってこの記事を書いています。RAGEファイナリストを目指している人にはぜひ読んで欲しいです。駄文かもしれないですけど、よろしくお願いします。
BO5
さて、これを読んでる皆様はBO5の経験はありますでしょうか?恐らくほとんどの人がないと思います。だってこのゲームを6年遊んでいる私が経験ナシなんですもの。BO5で勝つには3デッキを仕上げる必要があるのですが、当然1環境で3個のデッキを極めたことなんて一度もなかったです。これが本当に大変でした。
どういうところが大変だったか。私のパターンですと、今日はスペル使って、明日はAFして、明後日はまたスペル触って、、みたいな感じで1日おきに調整テーマを決めて練習していました。でも一回違うデッキ挟むと一昨日触ったデッキのこと半分以上忘れちゃってるんですよね。一昨日と同じミスをして、同じことで怒られるんですよ。それゆえ成長を実感できない期間が長ーーく続きました。これが本当に1番しんどい部分でした。
Tier1
Tier1のデッキって本当に最強なんですよね。どれくらい最強かって言ったら、50点のプレイができれば大体のデッキは粉☆砕できるくらいには最強です。私はそう思います。
ですが、猛者たちが集うRAGEGFは、50点のプレイで勝てるような場所ではありませんので、少なくとも80点くらいまでは練度を上げないといけません。
この「Tier1の練度上げ」は私にとって非常に新鮮な体験でした。特にわかりやすい例は今環境のフラグラネクロ。ボードの作り方、墓場の消費の仕方、墓場の作り方、手札の残し方、わざと手札を燃やして墓場を増やすことなど、知らない部分や自分では気付けない部分が多くありました。そして同時に「ああ、私は今まで、50点のプレイで満足しちゃってたんだな」ということに気付きました。このゲーム6年も遊んでんのにねw。今更かよって感じです。でもこの調整体験がなかったら、Tier1はもっと強くなれるということに一生気付かないままだっただろうなと思います。
メンタル
同じミスや、時間切れのミスを繰り返している自分が悪かったことはもちろんなんですけど、調整メンバーに叩かれすぎて、だんだんメンタルが病んでいきました。
「こんなプレイするんだったら、もう秋葉原から帰ります!」って言われた時は、口では「あはは〜。ごめんて〜。」とは言いましたけれども、内心「そうだよな。このままのプレイじゃ、手伝ってくれているみんなを裏切ることになっちまうよな、、、」と無限大のプレッシャーを感じていました。
みんな期待しているんだからと、私は「100点のプレイ」を目指し始めました。でもこれが最悪の悪循環に陥ってしまった理由のように感じます。
「100点を目指す」→「ケア不能なことや、いらんことまで考慮する」→「結果まとまらなくて、下手くそなプレイをする」→「上から見てる人が『何してんの?w』と失望する」→「見返そうとしてまた100点を目指す」→、、、みたいな感じですね。
元プロのRiowhさんが「100点を目指して、0点のプレイになってしまう自分が情けない。」というような趣旨の発言を昔していたのをふと思い出しました。当時私は「そんな100点なんか目指さなええのにな〜〜」と思ってましたが、いざ自分が同じ立場(?)に立つととても気持ちがわかったような気がしました。自分が期待されていると思うほど、みんなを満足させたくて100点を目指してしまうのだなと。
最悪のループに苦しむ日々から抜け出したくて、シャドバしたくなくなったし、早くGF終わらないかなとも思い始めてしまいました。でもこんなこと誰にも言えないから、自分で1人で抱え込んで、どんどんひどい容体になっていたような気がします。他の人からは自分のこと、どう見えていたんだろうな。
生活
メンタルが酷くなると生活も酷くなります。まず食事が全然食べれなくなりました。ラスト1週間くらいは1日1食で生きていました。また、体も謎に熱ってきていました。夏が近づいてどんどん暑くなってるのに、自分だけ羽織るものが毎日増えていった気がしますw。
やっぱり「病は気から」なんですよね。メンタルが改善すれば、体調も生活も改善するだろうなとは分かっていたけれども、肝腎要のメンタルが終わっていたので、生活もどんどん酷くなりましたね。
転機
幸運なことに自分は本番2,3日前にこのループから脱却できた気がします。それはやっぱり一緒に調整手伝ってくれた仲間のおかげです。きっかけをくれたのはぽたかさんとMerceさんの2人でした。2人のどっちが言ったかは忘れちゃったけど、こう言ってくれました。
「ま、いいんすよ勝ちゃ、なんでもw」
たぶん適当に発言したであろうこの一言が私をハッとさせました。
「そうじゃん。このゲームは100点のプレイを目指すゲームじゃなくて、相手のライフを0にするゲームじゃん」、「0点プレイでも勝ったらOKじゃん!w」と。
結局のところ、みんなが私に期待していることは「勝つこと」であり、「良いプレイ」をすることはその「勝つこと」という結果のための過程のうちの一つでしかない。どんな過程を通ったって結果があればいいじゃないか。本当に「勝てばなんでもいいんだ!」
このことに気付いたからGF当日は「下手で元々!自分が1番勝利に近いと思ったことを、自信持ってやるぞ!」というメンタルで臨むことができました。
だからね、
下手でごめんて。
下手で悪かったって。
でも勝ってるのは私なんで!見てるみんなを満足させるようなプレイができないのは申し訳ないけど、勝つために全力尽くして結果が伴ってるんだからいいじゃないか!と自分の中で納得しながら勝ち進んで行きました。これは本番1週間前の自分にはできなかったことだろうなと思っています。
まあインパルスは打った方がいいし、テンプテーションはアラミス横取りに使うべきなんですけどね。すいません。
ネメシス
実はGF始まる前はネメシスが1番自信がありました。本当ですw。なぜなら調整で1番叩かれなかったのがネメシスだからです。ネクロとウィッチが難しくて、「それは違くない?」って毎度叩かれまくっていたからというのもあると思います。相対的にネメシスは文句をつけられた回数が少なかったです。それを「ネメシスは人並みに使えるな」と解釈したことが失敗でした。現実はあのプレイです。もう説明する必要はないですね。やっぱり3デッキ仕上げるのは大変です。
決勝
正直こんな開き直った気持ちで当日を迎えていたので、決勝まで進めたことは本当に嬉しいし、信じられない気分でした。本気の世界王者と戦って勝てたことは、かつてないほど巨大な自信になりました。
だからこそ、決勝も勝てる気でいました。今日の自分は勝利の女神に選ばれているんだ!と思っていました。
でも本当に選ばれていたのはういはら選手でした。冷静に考えて3-0 x2で勝ち上がってきたういはら選手が、1番波に乗っていることは明白でした。
ネットを見てると「ういはらさん運だけですや〜ん」みたいなコメント多くて悲しいです。ういはら選手は構築も良かったし、プレイも良かった。王者に相応しいと思います。
構築の面で言えば、例えばシオン。私も同じくAFを触っていたし、なんならシオン1枚挿して調整していた時期もあるからこそわかることですが、このカード本当に使わないんですよ!基本的に引いたら邪魔で、20回に1回くらいあるいざ欲しい時には引けないみたいな使用感でした。だから私はシオンを抜きました。まさか私が見捨てたカードに敗北を決定的にされるとは。これも運命なのかもしれないですね。
プレイの面でも、自分AFネメシス vs 相手ラスワネクロ。Nmを熟知してるからこそかもしれませんが、毎ターン毎ターン嫌な択取られて、こちら視点は最悪な気分でした。
引きの方ばっかり悪目立ちしちゃってるのがちょっとかわいそうです。引きが強すぎるのも考えものかもしれないですねw。
金箔
引きといえば。金箔塗りの発案者は僕の大学時代の友達です。
果たしてどれくらい右手は光ったのか。
GF全試合見た調整メンバーの総評によると、、
上から4番目くらいの引きの良さ
らしいです。
つまり、微妙です。
金箔塗っても右手は光りません。
未来のファイナリストも私の真似はせずに、ういはら選手の真似してください。なにしていたのかは知らないですけど。
プロツアー
ちょうどGFの1週間前にプロ選手によるBO5の大会がありました。本当に至高の戦いでした。決勝のRumoi選手の逆転劇には誰もが興奮したのではないでしょうか。こういうプロリーグが見たかったんだ!と思った人も多かったのではないでしょうか。
しかし「ハードル上がることしやがって、、、」と思っている人が8人いました。1週間後にGFを控えている我々ファイナリストです。
他の人がどうかはわからないけど、私は「負けないくらい盛り上がる大会になったらいいなあ」と思っていました。
でも難しかったです。冷静に考えれば当たり前ではあるんですけどね。まず自分とプロ選手では積み上げてきた経験や実績が違います。加えて調整時間の取り方も全然違います。1日使って練習しているプロ選手と、仕事終わりに3時間しか練習できない自分では成長のスピードも段違い。プロ選手が死にものぐるいで走っている兎さんだとするならば、自分は途中で休憩しちゃうような亀さんです。兎のレースの後に、亀のレースを見ても、興奮できないですよね。そりゃそうじゃ。
これから先、GF前にはプロツアーが行われるので、ファイナリストは常にプロ選手と比較される立場になります。未来のファイナリストに伝えたいことは、「プロと張り合おうとするな!」ということです。メンタルの章でも書いたけど、良いプレイを狙いすぎることは厳禁です。アマチュアの大会にはアマチュアの大会なりの面白さがあります。試合の内容、レベル感だけが全てではないのです。
大会が終わった後、会場に見に来ていた人たちと話して「感動しました!」って言ってもらえてビックリしました。「あんなちんちくりんなプレイだったのに?w」って思っていたから、本当にその一言が嬉しかった。下手くそでも人を感動させられたんだって。本当に嬉しかった。少しでも見ている人が熱くなれる試合ができたなら本望です。
終わりに
ダニングクルーガー効果をご存知でしょうか。自分はまさにそれの通りになっていました。
RAGE予選が終わった段階では、まさに「馬鹿の山」の頂上にいました。たまたま運良くて勝っただけで、改善しなければならないことが山のようにあるのに、調子に乗っていました。
そこから調整を繰り返して、自分の下手さを認識します。1週間前くらいの段階では、完全に「絶望の谷」に落っこちた気分でした。もう本当にRAGE出たくなかった。
でも立ち上がるきっかけをもらえて、なんとか少しずつ成長することができました。最終的に当日では「絶望の谷」と「啓蒙の坂」のちょうど間くらいには立てた気がします。
戸惑うこと、悩むこと、たくさんありました。なにもかも投げ出したくなるくらいに辛い時もありました。そのことを踏まえると、準優勝は出来過ぎというくらいの感想です。
でもやっぱり、悔しい。滑り落ちたビッグイヤーの夢、諦めたくない。もう一度この舞台に戻りたいです。次に挑戦する時はこの経験を活かして、「継続の大地」に立ち、「本当に最高のぴゅあ」を見せたいです。
未来のファイナリストの皆さんには、焦らずゆっくり成長していってほしいです。いきなり100点を目指すと大破産しますから。「継続の大地」に立つためには、自己分析とメンタルケアが大事です。頑張ってください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。