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【エッセイ】梅雨の晴れ間の散歩は気持ちが良かった (約1000字)
今日は朝から晴れていたので、散歩に行きました。鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえ、空は真っ青で気持ちの良い朝でした。陽射しはすっかり夏のもので、まぶしさを感じます。でも、真夏のようなぎらぎらしたところはなく、どこか透明感がありました。
体を動かすことが好きで、ずっと家の中にいると気が滅入る方です。手と足を動かして前に進むと、自分は生きているのだという実感が湧いてきます。足の裏から伝わってくる地面の感触が好きです。アスファルトを踏みしめても、地球の丸みを感じ取れる気がします。
初夏の陽射しを浴びて、草木が生き生きとしていました。道端に咲いている花を見ると胸のつかえがとれる気がします。この時期はヒメジョオンが咲いているところが多いです。ありふれた小さな花ですが、よく見ると可憐で、割合好きな花です。
大分前に自然の中にいると、寂しくないことに気付きました。認知症の母を昨年亡くしました。もうすぐ1年忌です。覚悟をしていたので、亡くなった時は極度に落ち込むことはありませんでした。でも、いまでも悲しさは続いていて、時々寂しかったり、悲しかったりします。そんな時でも、自然の中にいれば、悲しい気持ちはほとんど感じません。
そよ風を感じたり、鳥のさえずりを聞いたり、遠くの山の緑を見たりして、自然の中に母は帰ったのだ、自然に思えます。こんな気持ちは子供の頃から持っていて、死ぬことは怖いけれど、自然に還れるのだったら悪くないのかもと思っていました。
田舎で育って、今も田舎で生活しているので、自然は自分の一部といった感じです。都会も結構好きなのですが、田舎の方が気持ちが落ち着きます。自然は厳しい顔を見せることもありますが、どんな時でも人間を受け入れてくれます。どんなに辛い時でも、自然とつながっていれば、私は生きていけます。
まだ梅雨が明けていないので、しばらく雨の日を我慢しなければなりません。でも、梅雨が明ければ、夏です。夏が一番好きな季節です。夏に生まれからかもしれません。じっとしていても汗が出てくるようなときは疲れますが、自分が生きていると実感できます。鹿児島には白熊と呼ばれる氷菓子があります。かき氷に加糖練乳をかけ、小豆餡と果物を混ぜて食べます。夏ごとにこれを食べるのが、本当に楽しみです。
花より団子で急に食べ物の話になってしまいました。明日からは大雨の予報になっていますが、ずっと雨が降り続くわけではありません。梅雨の晴れ間が来たら、白熊のことをまた考えながら散歩するつもりです。