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けっきょく手離してしまった

9年間、ずっとおつきあいしていた人と恋人関係を終わらせた。
今までの経験上、恋人関係を終わらせるという事はもう会わない、連絡しないなど、一切つながりを持たない形になるのだろうなと思っていた。
白か黒か。
9年という年月はそうなるにはあまりにも大きく、ここ何年かはただズルズルしたつきあいだったけれど、その決断をするには中々踏ん切りがつかずにいた。

正直にそれを伝えると、グレーといういわゆる友達関係に戻るという選択肢を提案された。

567になってからは何か月かに1度会うくらい。
電話も週に何回か。
朝昼晩のあいさつ代わりのLINEだけの関係。

結果、何も変わっていないのだけれど、心の距離をあける事で私の気持ちは申し訳ないくらい軽くなった。



こんな仏様のように優しい人がいるのかと、最初に憧れたのは私だったのに。
その優しさがいつしか弱さに感じてしまったのは、彼が私に対して心を開いて頼ってくれたからだと思う。


私は病気の症状的にそこまでひどい鬱になることはないのだけれど、彼の鬱はひどくいつも辛そうだった。
それでもずっと何とか受け入れてきたけれど、あまりにも関係が近いと彼の辛い気持ちを「傾聴」するのはとても難しく、どうしても「同調」してしまう。
私は、そんな彼の話を受け入れられるだけの度量もなく、自分も疲弊してしまった。
最後の方はもう話を聞くことすら、できなくなっていた。

この重い気持ちのままのズルズルつきあっていくのと、思い切って関係を終わらせること。
何年も悩んできた。


それでもズルズル関係を続けてきたのは、もし結婚していたらこんな気持ちで別れる事もないだろう。
同じ病気という事で、わかりあってきた部分もたくさんある。
私も何度も救われてきた。
人として尊敬もできる。
そして一人になるのはこわかった。
特に今年は一人暮らしを始めるし、絶対淋しい。
そう思うとよけいに決断する事ができなかった。


でもずっと私の弱っている時間に彼は寝ていて、私は特に彼を頼らなくなっていった。
淋しいと思っても彼に頼ろうという気持ちがなくなっていた時から、何となく心が固まっていったのだろう。

そして、案外一人で何でも何とかなるものだと知ったし、一人はわりと思っていたよりも平気だった。

noteを始めると、ますます自分の時間が大切になってしまって、私は彼の事を考える時間が減った。
たまに来る電話もあまりしゃべるのが好きじゃない彼に変わって、気をつかってしゃべることも苦痛になってしまった。


567によって離れたのは距離だけじゃなかった。


重い気持ちが加速する。

会うと気持ちも変わるかもしれないと思って、久しぶりに会っても彼はやっぱり楽しくはなさそうで、一緒にいる私も気分が沈み、ついつい口調も強くなる。
これ以上一緒にいるとドンドンそんな自分が嫌いになる。
私の中で、もう限界なんだと気づいた。


その結果が今。
このグレーという関係は、私にとってもありがたいし、きっとずるい。

なぜか今の方がLINEも来るし、電話で相談もされる。
でも少し距離を置くと責任感もなくなったせいか、男としてみなくなったせいか、情けなくは感じるものの話を聞く事はできるようになった。
ただ、淋しいからといって私から連絡はしない。


#我慢に代わる私の選択肢


というお題。

我慢に変わる私がとった選択肢は彼を手離す事だった。

最初は淋しかったし、今も淋しくないかと言われればうそになるけれど、あの重い気持ちは今になると実は本当にきつかった。

淋しさと重い気持ち。
天秤をかけると淋しさを解消する方法を考える方が、簡単だ。



本当は決断した理由は、他にもあるのにそれは言えない私はずるいけれど。

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ふぅ。
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