![スクリーンショット_2019-06-03_16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/12087577/rectangle_large_type_2_9f7b76af57ffc7e63b8d3bfc11c8fcb5.png?width=1200)
靴下の足部への影響ってこんなにあるの?!
どーも、安藤です!
Physio365足部尽くしの6月、私はまず靴下について書きます!!
足部が大事なことは言うまでもありません。
立位や歩行において唯一地面と接しているのは足部です。
私たちは床反力を開始て動いているので、その床反力を感知する感覚器としても、アンクルストラテジーをはじめとした運動器としても重要でありますっ!!
(床反力についてはこちらもどうぞ:重心移動を床反力から考える)
まぁ、言うても靴下が床反力を・・・ってとこまで考えると、ちょっと話が飛躍してしまいます(笑)
でも、まぁ、私が知りうる靴下の全てをここに書きますっ!!!!
結構、重要ですよ。靴下って。
靴下の役割
靴を履いて生活する現代人にとって、靴下は必須で重要な履物のひとつですね!
靴下の役割は以下のものが挙げられます。
・皮膚剪断力の軽減
・足底圧の分散
・皮膚からの汗の除去
・緩衝作用
・足部の体温調節
・抗菌作用
・血行促進
・皮膚の保護
・ファッション性
ちなみに私は靴下が好きじゃありません。
足が蒸れるのが嫌なんですよね、臭くなるからww
だから裸足が好きです!!
靴下でよく起きる問題
靴下と足部の関係では、摩擦が問題になることが多いですね。
履物に対して足底部は圧迫され、摩擦が加えられます。この状況が継続すれば、いわゆる「まめ」や「たこ」などの皮膚硬結を引き起こすわけです。
んで、この「まめ」や「たこ」はDM患者にとっては潰瘍の原因となり得る重大なトラブルなんですよね。DMの潰瘍は下手したら切断までいってしまいますから、基本的に予防がめっちゃ大事っす!!!!
あとは皮膚硬結があるとその部位からの床反力情報が修飾されてしまいます・・・。つまり、足の皮膚トラブルはそのままバランス能力に影響します!
(こちらもどうぞ:重心移動を床反力から考える!)
ちなみに、水泡形成も皮膚に与えられた剪断力による反応で、よくある足部の皮膚トラブルのひとつです。水泡形成からは、感染、再生不良性貧血、単純性表皮水泡症などのリスクが出てきます。
靴下と剪断力
Delporteは、靴下により足部と靴の接触面に発生する摩擦を変化させることができ、摩擦係数の低い繊維を使用した靴下によって剪断力減少が可能であると報告しました。また、(1)
これは靴下の装着よって水泡形成やタコ、まめなどを予防でき得るということですね。
また、剪断力を減少させるためには摩擦係数が低下する靴下の使用と、足部と靴の中でスライドできる一定空間が必要と言われております。その空間がなければ摩擦係数が云々ってのは意味を持たないですし、その空間がなければ歩行時に靴がたわむことも出来ないので、一定のスペースは必要です。
靴において、これは捨て寸と呼ばれるゆとりとして設計されてます!
(こちらもどうぞ:歩行に必要な唯一の道具を徹底解剖)
しかし、靴下による過剰な剪断力の減少は靴の中で足が動きすぎてしまい、不安定性や不快感を抱きやすくなってしまいます。また、床反力がうまくキャッチできなくなってしまうと考えられます。
つまり、適度な摩擦係数の靴下が良い!!ってことになるんですが・・・・
現状ではどの程度が「適度な摩擦係数」なのかっていうのは明確になっておりません( ̄▽ ̄;)ww
靴下と緩衝作用
Howarthらは、トレッドミルでの歩行中、1名の被験者を対象に5種類(アクリル、ウール、綿、綿テリー、二重靴下)の異なる靴下の衝撃特性を検証しました。アクリルとウールの靴下は、綿靴下、綿テリー、二重靴下と比較し優位に衝撃を減少させたとのことです。綿靴下は合性のアクリル繊維の靴下と比較し、持続着用で縮み、形状が崩れるとしています。(2)
衝撃緩衝作用は靴下も担ってます!
靴下が衝撃を緩衝するためには、圧迫に対する線維の弾性が要求されるわけです。ウールとアクリルは優れた弾性を持ちます。天然繊維の中ではウールが最も緩衝作用の高い線維ですね。
靴下による圧迫作用
下肢の静脈還流を促通するための男性圧迫作用を持ってる靴下があります。
実際に装着することで静脈還流が改善した!
スポーツ用の着圧ソックス履いて走ったら筋肉痛が減った!
といった報告はあるようですが、実際に抹消の浮腫に対する神経絞扼や鬱滞性皮膚炎が改善したという明確な効果はまだ立証されていないのが現実なようです。
でも、なんとなく効きそうな気はしますよね??(無責任発言w
靴下のwicking能力
Herringらは、水泡形成の頻度と大きさについて長距離走者35名を対象にアクリル100%と綿100%の靴下での差異を調査しました。その結果、綿靴下はアクリル靴下の2倍の水泡発生頻度と関連し、水泡の大きさは綿靴下でアクリル靴下の3倍でした。(3)
これは、靴下の素材による特性に差があって、それによって水泡形成リスクに差が出ることを示しておりますね!
んで、記事によって湿気にされされた時の靴下の反応に差があるんです。
一般的に綿線維と大部分のウール線維は親水性、合成繊維は疎水性と考えられています。
足の湿気と言えば汗があります。
足部は交感神経により促進されるコリン作動性線維によって刺激されるエクリン汗腺を含むんです。活動的な身体活動時の足部汗腺からは1時間当たり約200mlもの水分が産生されると言われております。
そんなに水分出てきたら靴内の湿気なんて、すぐに靴下の給水用量を超えちゃいますよね!要するに足はすぐ蒸れる!ということです。
足の蒸れを解消するためには、靴下は上部に湿気を移動させ、湿気を蒸発させる必要があるわけです。この足部から外界への湿気の運搬をwickingと呼びます。wicking(湿気を移動させる作用)は、汗を効率的に運搬する靴下と靴の性質によって影響を受けるわけです。
つまり、ブーツはwicking能力が低いですし、メッシュ地の靴の方がwicking能力は高いってことになりますね。
(図:文献4より引用)
綿繊維は親水性であり、アクリル繊維の3倍の水分を吸収します。そして綿繊維が湿気を吸収すると湿気を保持し、アクリル繊維の10倍の乾燥時間が必要とされます。
湿気を含むとアクリル繊維が5%膨張するのに対してウール繊維は35%、綿繊維は45%膨張します。そして、繊維膨張が足部の形状と適合性の損失に影響を与えます。
この水分を吸収した時の生地の膨張が足部や靴との適合性に損失を与えるわけですよ。だってインソールで高さ1mmがどうのこう乗ってやってるわけですよね?場合によっては1mmくらい変わっちゃいそうじゃないですか??
あとですね、湿気は皮膚表面における摩擦係数を増加させちゃうんです。
だから、皮膚剪断力による皮膚損傷のリスクが増加してしまいます。しかも、足部皮膚表面の湿気の増加は、細菌やウイルス感染のリスクも増加させるわけです。
こんなことを言うと「湿気やベー!!」とか「アクリル一択じゃん!!」とか思うかもしれませんが、それはやはり使い所なんですよね。湿気があった方が単純にあったかいです。だから、車椅子生活が中心だったり事務仕事とかだったら綿とかウールの方が保温力も高いのでおすすめです。
逆にスポーツをする時やいっぱい歩く時は、綿やウールはwicking能力が低く、膨張による剪断力の増加もあるのでアクリルとかの合成繊維の方がオススメです。
靴下の耐久性
綿やウールのような湿気を多く含んだ天然繊維は、アクリル繊維より容易に縮みます。なので、容積・緩衝作用・柔らかさは減少してしまいやすいです。
逆にアクリルなどの合成繊維の方が耐久性は高いと言えます。
どの線維がいいの?
えっとですね、ズバリ目的によって違うってことですね。
使用目的と生地の特性が合致しているのが一番です!!
と色々と書きましたが、天然繊維だと耐久性が低いので、その分を合成繊維を配合して耐久性をあげていたりします。そのため、実際にはミックスされてますww
5本指靴下はどうなの?
これは色々な論争がありますねw
正直なところ、 5本指ソックスを履くと本来の足の力は失われてしまいます。確かに見た目は裸足に近づきますが、 5本指ソックスはそれぞれの指の間に2枚ずつ繊維を挟むわけですからその指先は必ず広がってしまいます。つまり、裸足とはかけ離れた状態を作っているわけです。本編で 「アーチが落ちるとつま先側は広がる 」というお話をしましたが、逆に言えば、つま先が広がるとアーチは落ちてしまうんです。つまり 5本指ソックスを履くことは前足部を広げる行為。(文献5より引用)
つまり、5本指ソックスはアーチが低下するためパフォーマンスが落ちるってことです。
しかし、こんな報告もあります。
(日本家政学会研究発表要旨集より引用)
ぶっちゃけ文章が下手くそで結果が読み取れないんですが、おそらくTUGの結果は良くなったんだと思われます。
そして「家政学会」なんですよね( ̄▽ ̄;) TUGがどれほどの精度ので取れているのかってのもそうですし、文章構成的にもちょっと疑問の残る感じ・・・。
ってことで次はPTさんの研究ね!!(最初から出せぃww
5本指ソックスを14日間履いてもらって、重心動揺計に乗ったら重心移動の総軌跡長が短くなったよ!って言う報告です。(5本指ソックスの継続的着用におけるバランス能力の検討より)
総軌跡長とTUGは相関があると言われているので、動的バランス能力が向上したと言えるのかもしれません。
そして!!
5本指ソックス履いたら荷重面積が増えて外側荷重になった!という報告もございます。(5本指ソックスが足底圧分布と足底荷重面積に与える影響についてより)
ってことは、5本指ソックスで開帳足になるってのは本当っぽいですね。
さらに!!!
5本指ソックス履いてジャンプの着地の筋活動を調べたら足部が安定している人には差はなかったけど、不安定性のある人は腓腹筋外側頭の筋発揮が減ったとのことです!(5 本指ソックス着用がジャンプ着地時の筋活動に及ぼす影響より)
5本指ソックスによって重心が外側によるのであれば外側頭の筋活動が減るのも納得かもね〜。
さて、皆さんは5本指ソックスをどう判断しますか??
ちなみに私は5本指ソックスユーザーです!!
なぜかと言うと、足指の間に空間がないためwicking作用が高いからです!!!(運動パフォーマンスの話は関係なしwww
要するに蒸れるのが嫌なのでアクリルとか合成繊維中心の5本指靴下を履いております。
大事なのは、目的にあったものを身につけること。
これに尽きます!!
参考・引用文献
(1)Delporte C:New socks offer relief,blister guard system with Teflon reduces friction between foot and sock.America′s Textiles International 26:K/A 10,1997
(2)Howarth SJ,Rome K:A short-term study of shock-attenuation in different sock types.The foot 6(1):5-9.1996
(3)Herring KM,Richie DH:Friction blisters and sock fiber composition:a double blind study.J Am Podiatr Med Assoc 80(2):63-71,1990
(4)坂口顕:理学療法士のための足と靴のみかた,分光堂,2013
(5)水口慶高:要は足首から下,じっぴコンパクト新書,2017
ライタープロフィール
上の爽やかな笑顔な人が私です!(妻にはうさんくさい!ウケる〜!と言われましたw)
ここから先は
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65378822/profile_5f8b2da9a7a618c1f64f92674245b222.png?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
あんどぅコラム from physio365
あんどぅの雑多コラムです。毎週1本更新!! 主にphysio365の私の記事をこちらにも載せていきます!他のメンバーの記事も読みたい方はお…
サポートはいりません!!それでも少し…という方がいらっしゃれば、シェアという無料でできるサポートをお願いいたします^ ^