揺れと揺れの狭間で
「ブランコが、いろいろ教えてくれるよ」
体幹内操法の先生が、そうおっしゃるので
通勤途中の公園でブランコを漕ぐ。
前、後ろ、前、後ろと漕いでいたら、
前、後ろじゃないことに気がついた。
前→後ろじゃない。
正確に言うと
前に向かう時間→前でも後ろでもない時間→後ろに向かう時間なんだ。
必ず、前でも後ろでもない時間が間に挟まっているんだ。
この、どちらでもない時間(あるいは、前から後ろに反転する時間)
これ、凄く大切なんだ。
演技とかで、間が良い悪い言うけど
その間は、これだと思う。
このどちらでもない(あるいは、どちらでもある)時間が挟まっていない台詞や動きは、カスッカスの演技になる。
ブランコを漕ぎながら、先生の言葉を思い出す。
「ブランコがいろいろ教えてくれるよ」
(まさか、ブランコに演技の肝を教わるとはな)
私はブランコから飛び降りた。