熊は歌う
刀禅で、熊になった時に使われたところ
今日の歌のレッスンで、そこが働くようにして歌ってみたんだ。
口で歌ってないみたいな感覚がした。
もちろん口は動いている。
でも、口使ってないよねって感じ。
どこ使ってんのか良くわかんないけど、なんか声出てますわ〜って感じ。
変な感じだなあ。
刀禅はボディワークで、演技レッスンでも歌のレッスンでも人形操演のレッスンでもない。
でも、なんでか知らないけど、刀禅のワークをすると
演技や歌や人形の技術が底上げされるんだ。
厚みを増すっていうのかな。
身体の深いところを使わされる感じ。
(なんて陰キャなボディワークなんだよ⁉)
私は、時々毒づいている。凄さは重々承知の上で。
もうさ、エアロビみたいな ある種 陽キャな
ボディワークと対極なわけ。
軽快な音楽に合わせて、ワンツーワンツー♪
爽やかな汗、弾ける笑顔
みたいな要素、皆無だよ皆無。
滲み出る脂汗
こ、この身体の中から出してくれ〜
地底の奥底から聞こえる呻き声
開放されたい私に、同好会の先生が あっさりおっしゃる。
「すべて引きこもりです、刀禅のワークは」
はあ〜⁉ 一歩も身体の外に出るなってか〜⁉
死んじゃいますよ⁉ 可愛い生徒の私が。
(……この陰キャボディワークめがっ!!)
時々毒づいたりしちゃうけど
でも、ずっと続けるんだろうな 陰キャボディワーク。
だって、今日 熊が歌っていたんだもの。
人間だった時には使えていなかった身体の深いところから
深いところから、熊は歌っていたんだもの。