離すと怖くない
不思議だった
怖くなくなったのが。
木刀と自分の距離
離せば離すほど、相手の動きがよく観える。
同じく木刀を構えて迫ってくる相手を、落ち着いて観察できる。
来るのが待てる。
怖さが消えるの。
なんだろう?
(ああ、来てますね)
そんな感じ。
木刀と自分が近いと、恐怖がこみあげてくる。
ギューッて固めた持ち方になって、身体がガチガチに
なっていく。
(!!来た!うわっ来る来る!ギャーッ来んな来んな
◯✕▲※〒~!!!)
マジでこんな感じ。
相手が間近に来た時なんて、何も見えてない。
滅多矢鱈に木刀振り回してるだけ。
不思議だな。
型稽古の最中、木刀と自分の距離を微調整しながら
思っていた。
ナイフとか木刀とか、自分の身を守るものが
近くにあればあるほど安心できそうなものじゃないですか?
でも遠い方が、心が波立たない。
近いと、自分の懐(ふところ)が潰れてなくなっちゃうみたいなんだよね。
懐がないと、何も入ってこない。
外の情報が、自分の中に入ってこないんだ。