人形と踊る
(一足一刀の会で得た感覚、面白かったな)
もう2週間たつけど、今でもそう思っている。
棒とともに身体を動かしたんだ。
棒と身体が、一緒に動いていたの。
身体が止まって、棒だけが動いているのではない。
棒が止まって、身体だけが動いているのでもない。
一緒に動いていた。
意図的に操作しようという感覚が、溶けて消えちゃったみたいな感じ。
熟練した職人さんが使う道具って、職人さんの手に溶けこんでいるように見えるんだ。
道具と人が分離していないの。
あの時、棒と私は分離していなかった。
棒とともに動いた瞬間思った。
( 今の人形の遣い方じゃ、ダメだ )って。
世話人の動作術の先生が、
「ドラマーは、自身も踊れないとダメと言うらしいですよ」
と教えてくださった。
ちょっとわかる気がする。
お客さんから見たら、踊っているようには見えないかもしれない。
でも、自身がノッていて、そのノリがスティックに伝わっている演奏と、
自身はノッていないけど、スティックで拍を楽譜通りに打ち込んでいる演奏は、多分違うものになる。
後者には、推進力がなくなるんじゃないかな。
見物人とダンサーの関係になったらダメなんだ。
身体に動きがない 人形は動いている
これは、私は見物人で、人形がダンサー
身体に動きがある 人形は動いていない
よっぽどの初心者か、考えすぎて何かをこじらせないと、こうはならないけど、
これは、私がダンサーで、人形が見物人
きっと、社交ダンスみたいな感じになる。
人形とともに手をとりあって踊るんだ。
いろんな考え方があるから、自分が見物人で人形がダンサーの状態を是とする人もいるだろう。
でも、私は、
一足一刀の会で棒とともに動きながら、
( 一緒に踊りたいな )
( 今まで、見てるだけだった。ごめんね )
そう感じたんだ。