私が刀になる
先生が噛み砕いて教えてくださった一連の流れ
これは人形を遣う上でも勘所だ。
そう思って、練行を繰り返している。
お稽古の最中、胸元に抱えた木刀がスッと身に溶けていく感覚がした。
その場所で木刀を振るうと
木刀は溶けてどこかにいってしまっていて
私の身体自体が木刀になっている気がする。
刀を翻(ひるがえ)す時
手で持った木刀を、裏表とひっくり返しているのではなく
自分の身体が木刀で、身体が翻るだけ
そんな感覚になるんだ。
手で持った木刀をパタパタひっくり返す動きは
味気ない。死んだ動きだ。
自分の身体が木刀だと、翻りにバネがある。
弾力のある翻りになる。
自身が刀になると、弾ける動きになる。