動けない

昨日は、神田で、月曜楽道庵ワークショップ「能」(講師:吉松章先生)に参加してきた。

摺足や謡の、ほんのさわりの部分を体験させていただき、

最後に、先生が所有する面を着けさせていただいた。


面を着けた時、思ったんだ。


私の身体と面は、分離しているって。

もっと、面と一体化しないと、

この面の人物には、なれないって。


一体化できていないのは、

身体が凝縮されていなくて、余計な動きをしているからだ。

この面の人物が行こうとしている方向に、参加していない身体があるからだ。

余計な動きが、すべて、ノイズとして、面に現われる。


このノイズをなくすために、

前半の所作や摺足が必要なんだって、思った。


……動けない……


動いたら、面から振り落とされる

もっと、どこかが圧縮されて、身体がひとつにまとまっていないと、

私は、あっという間に、面に置き去りにされる。


立つこともできなかった。


所作も摺足も謡も、なにもできていないけど、

ひとつわかった。


面は、人間の速度で動かない。


私が良いなと思う人形遣いさんの人形も、

人間の速度で動いていない。

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