猫VS猿
耳の立ち方で 本気度がわかるのさ。
ヒゲアンテナがこっちを向いて、瞳孔がまん丸なら
ヤツは本気で戦う気だ。
ほら、見ろよ。肉球の間から 爪が微かに のぞいて
いるぜ。
……おいおい、なにが始まるんだ?という書き出しになってしまった。
刀禅のお稽古場と太極拳青空教室で教わった
「猿拳」で猫の玩具操ったら、めっちゃ本気に
なられて、ビビッたんですよ。
(え⁉ 眼の色違う‼)って、なりましたわ。
猫が 無我夢中になったのは、玩具が生き物の動きをしたからだ。
なんで、猿拳だと生き物の動きになるのか。
裏と表があるからだ。
ぬるい遊ばせ方だと、手の表側だけ、あるいは裏側だけしか使っていない。
猿拳だと、手を出す動きの中に裏と表が内在して
いる。
だから、手に持った玩具が 複雑な動きをするんだろうな。
ここで、私は真実に気づいた。
学校だとさ、
「裏表のある人間になってはいけません」的なことを言うじゃないですか。
でもね、
生き物には裏表があるのよ。
裏と表を行ったり来たりするのが、生き物なんだ。
猫も、「オラオラ!早く猿拳で 玩具動かせ」って
言ってるしね。