車輪を回せ

刀禅同好会のお稽古で、形意拳の立円の動きを教えていただいた。

「車輪を回しなさい」と

先生はおっしゃっていた。


その車輪は、身の内にある。

身体の中にある車輪を回すんだ。

腕を伸ばして身体の外にある車輪をちょこちょこ回すのではない。

まだちゃんと回せないけど、
でも上演中びっくりしたんだ。

車輪が回る動きにのせて台詞を喋ると
台詞が良くなっていたから。

なんかさ、根っこがある台詞になるんだ
車輪を回すと。

根っこが地面にささって支えてくれている
浮いてない、ぶれない、芯のある台詞になる。
思いが、ちゃんとのっている感じがする。

多分、車輪を回すためにぐっと沈みこむ動き
この沈みがあるから、根をはやすことができるんだと思う。


歌のレッスンとかだと
「白い息で歌うな」って注意されたりする。

白い息っていうのは、なんにもない空っぽの息。

なにかがせり上がってきて、身体の中に留めて
おけなくなり、あふれ出たものが歌や台詞だ。

だから、その何かを取り込んでいない状態で
はじめるなって注意されるの。


私は、酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせながら
何かを取り込もうとジタバタしていた。

でも取り込めなかった。
車輪を回すことを知らなかったから。

車輪が回ると、何かがぶわっと身体の中に入ってくる。

その何かに押し出された台詞だと、お客さんは思ってくれるんだ。

この人は、心の中を吐露しているって。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?