触れてはならない壁がある
(どうやったら、ああいう身体になるのかな?)
お稽古から帰宅した私は考えていた。
(何が違うのかな?先生の身体と私の身体)
ああかな?こうかな?と動かしていたら
私の身体は、前の壁にべったりくっついてしまっていることを発見した。
身体の前面の皮膚が壁だとするじゃないですか。
身体の肉が壁にムギュッて押しつけられているの。
のめっている時って、すごいムギュッってなってる。
ふと、別のお稽古でいただいた先輩のアドバイスを
思い出した。
「前に電流が流れているロープがあると思うと良いですよ」
この壁に触れてはいけない
そんな気がしてきた。
壁から肉を剥がすんだ
金箔を貼る時みたいな繊細さで。
(やったことないけどね)
身体全体が前方に動く時も、
この壁には触れない状態のまま動くんだ。
身の内で、ずっと私は後ろにいるの。
壁に決して触れない身体
皮膚と肉が離れ続ける身体
こっちの方が、先生の身体に近いと思う。
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