柵の外

柵の外から手を伸ばしていた

朝、人形の自主練をしていた時に、       それがわかった。


昨日、動作術の先生が世話人をしている     一足一刀の会に行ったんだ。

先生にリクエストして、頸椎と胸椎の関係性を     深堀りしていただいた。

(肩の位置が全然違っていたな)とか

(胸椎の、ここに力を集約できないから、    腰椎で支えることになるんだな)って思いながら、帰ってきた。


朝、人形を持った時に、昨日、先生が教えて   くださった身体にしたらさ、

今まで、ずっと、人形は柵の中にいたんだって  わかったんだ。

私は、柵の外側にいて、無理矢理腕を伸ばして  人形を遣っていたんだ。

だから、人形に動きが伝わるのが、少しだけ遅く なっていた。

そして、動きの精度も、少しだけ粗くなっていた。


先生が、「腕と肩の位置はここなんですよ」と    胸椎との関係も含めて教えてくださったから、

私は、柵をヒョイとくぐって、人形がいる    柵の内側に入ることができた。


これを知る前は、人形と二人三脚だった。

息のあわない二人三脚で、           一生懸命、息をあわせようとしていた。

これを知ったあとは、二人三脚じゃなくなった。

私と人形あわせて一体の、同じ生き物になった。



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