持っているもの
一足一刀の会に行ってきた。
一足一刀の会で得られる感覚って、表現に必須の 感覚だと私は思うのだ。
今回は、いつも会でやることの前段階、 準備体操的なものを掘り下げた内容だった。
(詳細は会の方に聞いてください)
動物とか赤ちゃんの動きって、見飽きない。 なんでかわからないけど、ずっと見ていられる。
見ていて嫌な感じがしないんだ。 スッと入ってくる感じなの。
普通の大人の動きって、どこかギクシャクしているの。(もちろん私もだよ)
最初、準備体操的なものをした時も、皆どこかしら固い感じの動きをしていた。
でも、「2人組になって、片方の人が○○してみましょう」というのをやってみたら、
さっきまで固い感じで動いていた人達の動きが、 赤ちゃんや動物の質感に変わったんだ。
○○っていっても、大したことしてないのにだよ。
それを見て思ったんだ。
皆、その動きの記憶を持っているんだって。 それぞれの中にあるものなんだって。
表現で、すごいなって思わせる人って、 ある種、赤ちゃんや動物みたいな人なんだろうなって。
そして、ちょっと怖いなって思った。
自分の中にあるものを取り戻すのと 自分の中にないものを、外から移植しようとするのでは、
同じ稽古をしていても、全く別の場所に 着地するだろうから。
やわらかくてやさしい、途切れない動きになった 皆を見ていたら、
(いつ、どこで、この動きの記憶を眠らせて しまったんだろう?)
考えても仕方のない疑問が、ふっと顔をのぞかせた